カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

タグ:飲食店

10月某日

 最近、忙しいこともあり、あまり更新のないこのブログだが、このところ気になることがあったので、書くことにした。

 今年になって都内にオープンしたインドレストランで、なかなかいい料理を出す店がある。南インド料理の店で、タミルナードゥ州の誇る、スパイスたっぷりな「チェティナードゥ料理(チェティナッド料理というのが、日本ではふつうだと思う)」を専門とする。チェティナードゥ料理の専門店は都内でも珍しい上、味もいいので、私も密かに応援している。

 そんなこの店について、最近、以下のような話が出ているのを、私の料理教室に来る生徒たち複数から聴いた。
 あれこれくどくど書く気もしないが、要約すると
・この店は、年内で閉店する
・なせなら、お客がこないから
・オーナーとシェフの仲は当然悪く、シェフはすでに都内屈指の人気店のシェフと新店オープンの準備に入っている
 ということだ。

 ひどい話である。
 店の内側をある程度知る者からすれば、バカバカしく、低レベルなホラ話。
 ふだんなら「くだらないな」と一笑に付し、それから無視というパターンなのだが、困ったことに、日に日に話はエスカレート。他人の失敗失態は蜜の味なのだろう。最初は「シェフが辞める」、それが「都内某有名店シェフと新店立ち上げ」になり、さらに「年内閉店」となった。

 さすがに気になった私は、この店の元スタッフでもあり、今も店のオーナーやシェフからの信頼も厚い人物に、オーナーやシェフへの直接聞き取りも含めた事実関係の把握を依頼。私自身も動いて、いったいどういうことなのか、調べてみた。

 結果、わかったのは
・この店の閉店予定は現状ない
・さすがにすべてに満足とはいえないものの、シェフは現在の店で頑張る所存(英気を養うため、現在シェフは南インドの故郷に帰省中。そのことが、さらに新店立ち上げの噂を助長しているようだ)
・オーナー、シェフとも今回の話にはショックを受けている
 ということだ。

 つまり、デタラメな噂話をおもしろおかしく吹聴する日本人の輩たちのせいで、まじめに自分たちの故郷の味を日本に浸透させるべく日夜努力している南インド料理店が窮地に立たされているのである。

 インドの食文化に魅せられ、そのことで日々の糧を得ている日本人の身としては、件の南インド料理店の関係各位にはたいへん申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 どうか皆さん、根も葉もない話は信用しないでいただきたい。

 そして、興味本位で根拠のない噂話を口にすることもやめていただきたい。

 すでに私は、具体的に誰から誰に、またどこからどこに、このウソが伝来したかリサーチしている。だいたいのことはわかったが、まだ不明の点もある。情報やご意見、ウェルカムである。

 インドレストランに限らず、まじめにやってきた外食店が、こころない、そして根拠のない噂話で窮地に立たされた例は、ほかにも少ならず知っている。今回もそうならないよう、切に願うしかない。

 私もショックだったのは、日頃インド料理ファンと自他ともに認める人たちが、この話にやすやす乗っていたことだ。軽いゴシップが、匿名の営業妨害ともなりかねないのだ。気をつけていただきたいし、自分も気をつけたい。

 それにしても、こういう話に出会うにつけ、「カレー愛」「インド料理愛」って何だろうと考えてしまう。インドやインド料理にリスペクトがあれば、こんな話にはならないはず。

 そして、代わりに見え隠れするのは、傲慢な上から目線の顧客心理か。
 今回の噂話の出どころ、そして吹聴者の多くは、都内とその近郊インド亜大陸レストランでメニューにない特別料理を事前予約し大人数で食べるグループとその取り巻きだった。

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 チェティナードゥ料理の代表格の1つ。「コットゥ・ローティ」。一度焼いた全粒粉の薄焼きパン、「パラーター」をちぎり、タマネギ、香菜、青唐辛子、溶き卵、マトンやチキンなどのカレーなどと鉄板で炒めた軽食(これは、南インド、マドゥライで食べたもの)。

《このブログを書いているときのBGM》
OTIS RUSH『RIGHT PLACE WRONG TIME』(1976)
 まだまだ続く「オーティス・ラッシュ・ロス」。先月、逝去の報を受けてから、いまだ脱力している。
このアルバムは71年に完成したもののオクラになり、ようやく数年後、日本を皮切りにリリースされた。私も発売リアルタイムの高校時代から聴きまくっている。
https://www.youtube.com/watch?v=RgT0oW31u4c
 日本盤と海外リリース盤では曲順が違う。これは外盤、日本盤が好きだ。 

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3月18日

 スリランカに到着して一晩経過の朝。本日は私のツアーにしては珍しく「観光」が組み込まれている。世界遺産の「シーギリヤロック」、うっそうとした森林に突如として出現する巨大な岩石建造物である。私自身、正直興味はあまりないのだが、スリランカにきたからには見ておいて損はない。

 まずは泊まっているホテルのダイニングで朝食。地元スリランカの料理と西洋料理のコラボ式ブッフェだ。

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 スリランカには北部を中心に、もともと南インド出身のタミル人が古来から住んでおり、結果、多くの南インド・タミル料理が独自の発達を遂げて、スリランカ料理の中に組み込まれている。
 南インドでポピュラーな、米と挽き割り豆の発酵クレープ「ドーサ」が、この地では「トーサイ」に。 上にのっているのは、同じく南インド、ケーララ州が発祥といわれる米粉の蒸しビーフンともいうべき「イディヤパン」。それがこちらでは「ストリング・ホッパー」という名前になる。
 2つの器に入れたカレーは、左が南インド料理を代表するベジタリアンカレー「サンバル」、右はインド料理としてはちょっと珍しい「サバの水煮」カレー。

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 サンバルは、明らかにインドのものとは異なる。トロトロに煮込んだこしあん状のトゥール・ダールではなく、粒の残ったムング・ダールがたっぷり。ニンジン、ナス、インゲンなどの野菜がこれまた大量に入っている。味つけも、サンバル独自のミックススパイスである「サンバル・パウダー」はおそらく不使用と思われる。
 全体としては「野菜入りダールカレー」という風情であり、南インドのサンバルとは異なる料理と考えるのがイイと思う。

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 サバの水煮をインドカレーに仕立てるのは、東京経堂にあるインドレストランのオリジナルではない。タマネギやトマト、さらにスパイス類とサッと煮合わせてあり、サバのうま味や風味がうまく出ており、美味。

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 スリランカ料理で有名な「キリバット」。ココナッツミルクで炊いたご飯だ。ケーキのように四角形に切り分けて供されるのが多い。カレーとの相性もバツグンだ。

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 前日の夕食に人気レストランでいただき、かなりの衝撃を受けた(このブログのひとつ前の記事を参照)スリランカのエッグカレーがここにもあったので、さっそく食べてみた。
 昨夜ほどではないが、ココナッツ・ミルクたっぷりなのに、青唐辛子のペーストなどが入り、激辛。南インドのエッグカレーでも、ここまで辛くはしない。

 スリランカのカレーを食べることは、同時にインドカレーについて考える絶好の機会でもある。実りの多いツアーになりそうな手応えを、この朝食からも実感した。
 
《このブログを書いているときのBGM》
GRAHAM NASH & DAVID CROSBY『WIND ON THE WATER』(1975)
 ふたりももちろんいいが、バック特にデビッド・リンドレーのプレイが秀逸。
https://www.youtube.com/watch?v=SahSPXnvaJ0

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7月某日

 ひさしぶりに西荻窪が誇るタイ料理とアジアご飯の店「ぷあん」へ。

 土日に行くと、タイ北部のカレーラーメンである「カオソイ」が食べられる。ハーミー・ナムほかの麺類ももちろん美味なのだが、週末に行くとついついもったいない感じがして「カオソイ」をオーダーしてしまう。

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 まずはタイ風の揚げ餃子でビール。カリサクの皮とジューシーな中味とのバランスが絶妙。

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「カオソイ」。麺がゆでと揚げの2種類、そこに濃厚なレッドカレー系のカレーソース。いっしょについてくる、生の赤タマネギや高菜風漬け物もトッピングし、レモンを絞れば、準備完了。

 この日は、いつもはゴロンと入っている骨つきチキンなしの「肉なし」バージョンをオーダー。適度に軽い一杯となり、いい調子で胃に納まった。

 麺を食べ終わった後のカレーソースにご飯を入れたい衝動に駆られたが、ガマン。

 いつ行っても、独特のムードとナイスなBGMにも癒されつつ、カラフルで美味な食事が楽しめる。西荻窪ならではの名店といえる。

《このブログを書いているときのBGM》
MICK RONSON『HEAVEN & HULL』(1994)
 最近よく聴くCDのひとつ。
https://www.youtube.com/watch?v=QgE87p1QoQw
 ミック・ロンソンはディランのローリングサンダーレビューのツアーにも参加。

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4月19日(日)

 日本人シェフの、日本人シェフによる、インド料理ファンのための「日本随一かつ唯一」と思われるスーパーなイベント『LOVE INDIA 2015』

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 今回は場所を変えて、末広町・湯島・御徒町などからアクセス至近の「アーツ千代田3331」での開催となる。

 通常それぞれの店のレギュラーメニューにはない「この日だけのスペシャルなインドカレー」を持ち寄り、AとBふたつのターリー(インド版大皿定食、南インド料理でいう「ミールス」と同じ)に仕立てて、皆さんに召し上がっていただく。

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「カトリKATORI」とは、個々のカレーを入れてターリープレートに乗せる「小鉢」のこと。今回のイベントでは、いわゆる単品メニューを意味する。

 食事のほかにも、ここでしか聴けない、料理やレストランに関するシークレットで貴重な話満載な、シェフ総動員のトークライヴ(毎回、これを目当てにしている方たちも多いようだ)、これまた貴重なインド料理関連の物販など、盛りだくさんの内容が予定されている。 

 私は初回から参加させていただいているが、これまでずっとターリーの「豆カレー」を担当(カレーの割り当ては原則「くじ引き」だ)。で、毎年「サンバル」や「ホウレンソウ入りダール」などを数百人分以上、調理・搬入・配膳してきた。

 で、今回は、くじ引きの結果、豆ではなく「野菜カレー」を担当することになった。

 何をつくるか、まだ決めていない。とりあえず、周囲からの期待感(?)からも南インド料理にするのは間違いないだろうが。

 ともあれ、インド料理ファンは見逃せないイベントだ。前売りチケット(ABターリー、各600名限定)はクッキングスタジオ「サザンスパイス」はじめ参加各店と「イープラス」で発売されている。
 前回も好評で早々にチケットが売り切れた。お早めにゲットなさることをおすすめする。

《このブログを書いているときのBGM》
THE DAMNED『DAMNED DAMNED DAMNED』(1977)
 英国パンクで最もサウンドが好みだったバンドのデビュー盤。
https://www.youtube.com/watch?v=--erJSsmraY
https://www.youtube.com/watch?v=UZu8aDWhM9Y

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1月16日

 私もベジタリアンなインド料理のメニュー開発でお手伝いしている錦糸町のヴィーガンカフェ「ささやカフェ」が、調理スタッフを急募している。

★「ささやカフェ」のブログ
http://www.sasaya-cafe.com/


【募集内容】
調理スタッフ 1名

[応募条件]
★ジャンル不問、カフェなどで大量調理の経験がある方
●仕事に楽しんで取り組める方
●フットワークの軽い方
●カフェという空間でお客様を楽しませることにやりがいを感じる方
●オーガニックやヴィーガンのジャンルで長期的にお仕事をしたい方
●プロ意識があり、責任を持ってお仕事できる方

※ベジカフェ、和食での調理経験3年以上の方、優遇。
※製菓・製パン経験のある方、なお可。

[勤務時間]
●7:30~18:00のシフト制
●週5日フルタイム(早番・遅番ともに可能な方)
●土日祝日も勤務できる方

[勤務先]
ささやカフェ 東京都墨田区横川1-1-10
営業時間:8:30~18:00 第2月曜定休

[待遇]
●試用期間あり:1~3ヶ月(試用期間中は時給890円)
 ※試用期間を経て、能力に応じて給与(時給950円以上)を設定します。
●交通費一部支給(上限あり)
●社会保険完備
●1年以上の勤務で社員登用の可能性あり。
●制服貸与、賄いあり。

[応募方法]
①顔写真付きの履歴書
②応募動機と自己PRを詳しく書いたA4の別紙 (調理スタッフ希望と明記してく
ださい。)
以上2点を同封し、下記まで郵送してください。書類審査の後、面談の日程を通知致します。

[応募先住所]
〒130-0003 東京都墨田区横川1-1-10
有限会社ベルモック 人材募集係まで


 これまで、同カフェとはヴィーガン仕様の本格ベジタリアン・インド料理を数十種類、ともに開発してきた。ヨーグルトを使わないコルマカレーやビリヤニ、挽き肉を使わないキーマカレー、牛乳抜きのチャイなど、本場とたがわぬ風味のメニューなど、日本で他の追随を許さない傑作レシピも少なくない。

 スタッフになれば、当然、私といっしょに仕事する機会も訪れる。
 そういう点からも、とにかく高い志を持つ方のご応募に期待している。

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 南インド料理のティファン(軽食)「マサラ・ワダ」。

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「ヒヨコ豆のビリヤニ」、「ベジキーマカレー」など。いずれも妥協のない本場の手法で仕上げてある。

《このブログを書いているときのBGM》
NEW YORK DOLLS『TOO MUCH TOO SOON』(1974)
 セカンド・アルバム。
https://www.youtube.com/watch?v=em9CROWv6vg
 
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