カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

カテゴリ: ムンバイ、デリー 2013年5月

5月18日

 ムンバイ、デリーへの出張から成田への帰途、JALの機内食にはまったく期待しなかった。何しろ、行き同様、インド料理が出ることはないのだから(事前にインディアン・ベジタリアンの指定をすれば別だろうが)。

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 かなり充実した内容の機内食。インド勤務の商社マンなどはググッとくるのだろうな、こういう和食に。しかし、私にはインド料理の方がよかった。

 私のようなことをいうひねくれ者、あるいは飛行機に乗った瞬間からインドを満喫したい方には、快適この上ないJALは不向きなのである。

 そこでいかにもインド色濃厚なエア・インディアや、ゴージャスでしかもインド食もバンバン食べられるシンガポール航空の出番になる。

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 シンガポールから成田に向かうSQ便の超本格「チキンビリヤニ」機内食。
 私にはこういうのがお似合いなのだ。

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 おまけ。驚愕の中国東方航空、上海~ホーチミンの「機内食」。怒りを通り越しヘラヘラしてしまった。

 ひさびさに訪れたムンバイ、個人的には「マハーラシュトラ料理」やシーフード主体の「コンカン料理」の奥深さに魅了された。いい街だと思う。また行きたい。

《このブログを書いているときのBGM》
LINDA RONSTADT『MAD LOVE』(1980年)
 今日が誕生日のアメリカが誇る歌姫に敬意を表して。パンク・ニューウェイヴ期に出され、ファンには評判の悪かったアルバムだが、私は好きだ。
http://www.youtube.com/watch?v=iAvWm-Dg1U4    
http://www.youtube.com/watch?v=I-DLwygh4HM

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5月17日

 今回の出張の締めは秋に行う「インドツアー2013」パンジャーブ~デリー編の下見として、デリー郊外のグルガオンにある巨大なボリウッド式ハイテクシアター兼フードコートの「キングダム・オブ・ドリームス」へ。

★「キングダム・オブ・ドリームス」のサイトはこちら
http://www.kingdomofdreams.in/

 ボリウッドなノリのミュージカルの楽しめる劇場もいいが、私たちの目的はやはり食べもの。
 劇場に併設された「カルチャー・ガリー」は14州の料理が食べられるテーマレストランで、おみやげなども買える。

 われわれはさっそく南インド料理にトライ。

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 タミルナドゥのブースでオーダーした白身魚のスパイスグリル。ビールも飲めて、うれしい。

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 ケララ式の薄焼きパン「パロタ」にココナッツの利いたフィッシュカレー。

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 これもケララのブースにて。野菜のココナッツ・ヨーグルト煮込みカレー「アヴィヤル」とケララの赤米ご飯。

 料理の味は予想以上の充実ぶりで美味。ビールが飲めるのもポイントが高い。「インドツアー2013」に入れ込むのもおもしろそうだ。

 ★「インドツアー2013」パンジャーブ~デリー編は好評、募集中。申込み、問い合わせはこちらから。
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/66716194.html

《このブログを書いているときのBGM》
BOBBY BLUE BLAND『THE ANTHOLOGY』(2001年)
 先日亡くなった天才ブルースシャウターのベスト盤2枚組CD。
http://www.youtube.com/watch?v=FGj2cGGXX4w
 超スタンダードナンバーをブルージーに料理。最高だ。   

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5月17日

 デリー、コンノート・プレイスあたりの有名レストランとしては、今回レポートした「カーケー・ダー・ホテルKAKE DA HOTEL」のすぐ近くにある「ニュー・ナショナル・レストラン」も地元の庶民派グルメに人気の店の1つ。

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 バター・チキンが当店自慢のスペシャルだという旨も看板に書いてある。

 今回は入らなかったが、かつてBS朝日の「亜細亜見聞録」という番組に出演した際も、パーソナリティの石川次郎さんといっしょに探訪したことがある。2007年のことだ。
★「亜細亜見聞録」はこんな番組。私が出演した回は「幻の名店で食べるナハリ~牛スネ煮込みカレー」ほか、それまで日本のテレビにはなかった、本邦初公開の味ばかりを私が監修した、たいへん貴重な内容。ほかの国のオンエアももちろん同様に素晴らしい。ブルーレイにしたらいいのに。
http://www.bs-asahi.co.jp/asia/

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 このときの店の看板。上にある今のと違う。店自体も移転したのもしれない。

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 取材の際いただいた「チキン・ティッカ」。
 ホワイト・ペッパーとカルダモンのパウダー、そしてヨーグルトなどに漬け込んで、タンドゥールでロースト。さらに上からガラム・マサラとチャット・マサラ。香ばしく美味だった。

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 これも取材で食べた「チキン・ティッカ・マサラ」。
 イギリス生まれのインド料理といわれ、骨なしタンドゥーリ・チキンを甘ったるいバター・チキンのカレーソースで煮込んだものが正統とされるが、見事に「ニュー・ナショナル」のは、いい意味で期待を裏切っていた。フライド・オニオンとトマトのパンジャービー風グレービーのスパイシーで辛いタイプだったのだ。これを全粒粉のタンドゥーリ・ローティで食べると最高だった。

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 これは「カーケー・ダー・ホテルKAKE DA HOTEL」のタンドゥーリ・ローティ。ナーンよりもこちらが人気。滋味深くて、かみ締めるたびに美味。

 バター・チキンのみならず「チキン・ティッカ・マサラ」もいろいろあるのが、本場インドの料理事情だ。
 こうした点をきちんと把握している専門家は日本に少ない、というよりあまりいないように思われる。

 ともあれ、地元のファンに人気という点で、この店もデリーに行ったら行く価値ありだろう。

《このブログを書いているときのBGM》
BOBBY WHITLOCK『WHERE THERE'S A WILL THERE'S A WAY THE ABC DUNHILL RECORDINGS』(2013)
 DUANE ALLMANの7枚組アンソロジーとともに、今年のベストアルバムはこれらにキマリか。というくらいの充実ぶり。この人、ホント過小評価だろう。
http://www.youtube.com/watch?v=6mRo3Hnlqik
 冒頭を飾るナンバー。いきなり強烈なグルーヴにやられる。スライドはクラプトン、リズムを刻むのはジョージ・ハリスン。よく聴くとベースのクラウス・ブーアマンのプレイが密かにスゴイ(カーリー・サイモンの「うつろな愛」もこの人)。

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5月17日

 辛くて酸味の利いた、ちょっと変わったバター・チキンのほかにも、「カーケー・ダー・ホテルKAKE DA HOTEL」では、いろいろとおもしろいカレーに出会った。

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 シャヒ・パニール。パニール(インドのカッテージチーズ)を煮込んだカレーだが、ふつうは生クリームがたっぷり入るところ、この店は「トマトとブロークン・カシューナッツとブロークン・アーモンド」。丸ごとのカシューナッツも入っていた。

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 これがそのグレービー(カレーソース)。ナッツのつぶつぶが見えるはず。

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 パラク・パニール。ホウレンソウのすりつぶし方やカレーソースの濃度が絶妙。

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 マトンのレバー入りマトンのキーマ。ふつうのキーマも食べた。

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 パニール・マタル。パニール(インドのカッテージチーズ)とグリーンピースのカレー。トマトとクミン・シードのグレービー。典型的なパンジャーブのスタイルの1つ。

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 ダヒ・ミート。ヨーグルトとフライドオニオンのマトンカレー。カッコして「ローガンジョッシュ」とメニューに書いてあった。

 きちんとしたサービスとは無縁のワイルドな店なので、そのつもりで料理そのものに集中しよう。
 デリーに行く方にはおすすめなレストランの1つだ。

《このブログを書いているときのBGM》
BOBBY WHITLOCK『WHERE THERE'S A WILL THERE'S A WAY THE ABC DUNHILL RECORDINGS』(2013)
 ついに出たボビー・ホイットロックの初期アルバム2枚のコンピ(どちらもドミノス解散後の72年にリリース)。素晴らしい内容に惚れ惚れする(これが売れなかったというのが信じられない)。
http://www.youtube.com/watch?v=DLQ26ZtVtEs
 スライドはクラプトン。この頃はまだ絶好調だったようだ。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!



5月17日

 前回の続き。
★前回はこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/66753679.html

 バター・チキンなのだが、この店のはかなりユニーク。

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 いきなりピンボケで申し訳ない。右手指をギトギトに脂っぽくしながら、左手だけでカメラを持って撮らざるを得ないのでこうなる、と一応いいわけ。

 ショウガの千切りがのった「バター・チキン」。

 チキンはフル一羽を大きくカットして煮込んであるが、これがタンドゥーリ・チキンでなく、つまりは焼いていない感じ(ふつうは焼いたタンドゥーリ・チキンを骨つきのままカットして使う)。

 さらには生クリーム、カスリ・メティ、カシューナッツやアーモンドのペーストも入っていないと思われる(ふつうは、量の多少はあるが、たいてい全部入れたがる)。

 つまりはカイエン・ペパーの利いたトマトのグレービー(カレーソースのこと)で、はっきりいってかなり辛いカレーとなっている。

 で、前回のレポートにもあった1階風景に、もう一度目を移すとこんなものが。

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 首がついたまま丸ごとトマトのグレービーに煮込まれたチキン。おそらくこれが「バター・チキン」の原形だろう。深みのあるカレーソースの色が美しい。

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 そのままグレービーに入れっぱなしだと身が崩れるので、チキンだけ引き揚げてキープ。個人的には香菜がおいしそうだが、一般的には衛生面が気になる感じか。

 おさらく引き揚げたチキンはカットされ、オーダーごとにグレービーと煮込まれ、バター・チキンとして供されるのだと予想。

 オールドデリーの元祖といわれる店「モティ・マハル」(ダンチュウdancyu誌の2007年7月カレー特集号で現地取材した。ご覧いただきたい)などとはかなり異なるし、もちろん日本のバター・チキンとも全然違う。しかし、実においしい。
★ダンチュウdancyu誌2007年7月号の目次と内容はこちら
http://www.president.co.jp/dan/backnumber/2007/20070700/
★2007年、モティ・マハルに関するブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/7873192.html
★2011年、「インドツアー2011」でのモティ・マハル探訪レポ。

 同行メンバーもウマいを連発、かなり気に入った様子。
 日本にはないタイプの「バター・チキン」なので、日本で食べたくなったら、自分で作るしかなさそうだ。

 さらにレポートは続く。

《このブログを書いているときのBGM》
THE YARDBIRDS『ROGER THE ENGINEER』(1966)
 ベック時代の作品でCDには「幻の10年」も追加。やっぱりベックは最初からスゴカッた。
http://www.youtube.com/watch?v=bNsZNPyn23Y
 ファンにはおなじみの曲。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!



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