カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

カテゴリ: 2012インド食い倒れツアー

10月28日

 最後にデリーで、イスラームなインドを満喫した「インドツアー2012」もいよいよ終了、それぞれの生活が待ち受ける成田への帰還へとなった。

 いきなり蛇足だが、バックパッカー時代(ということはコックだったり、サラリーマンだったり、あやふやな生活をしていた頃。今でもあやふやかつ怪しげか…)、成田への帰国機内では、何ともいえない寂寥感と脱力感に包まれ、ほろ苦い想いに耐える感じでじっとシートに沈んでいた。今思えば陳腐なセンチメンタリズムかもしれないが、インドに旅をした人は少なからず、そうした想いに駆られることだろう。

 そんなときに食べる機内食は「最後の晩餐」みたいで、たいしてことのないインド料理でもやたらウマく感じられたりする。

 今回のツアー、最後になった「本場のインド料理」による機内食。行きと同様ベジタリアンをオーダーした。

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 パサつき気味のロールも、オバちゃんのCAからすすめられた(なぜかエア・インディアのCAは常に皆ベテラン。昔から若いクルーを見たことがない)。いつもは辞退するが、今回はありがたくいただいた。旅も最後だからか?

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 グリーンなのは、緑豆のカレー。よく煮込んで半ばマッシュされている。南インドでは家庭料理でよく見かけるが、北インド式ではあまり出会わないスタイルだ。豆の味も濃厚で美味。白いご飯は、上にレーズンとカシューナッツがのっていたが、炊き込みご飯の「プラオ」ではない。

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 北インド式のベジタブル・コルマ。マイルドでやさしい味わいの野菜カレーだ。ナッツやポピー・シードのペースト、カスリ・メティなどで味づけされている。これまたいい風味で、食感も良好。

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 無造作に野菜をカットして、ライムのようなレモンを添えただけのインド式野菜サラダ。カチュンバルなどと呼ばれる。欧米のゴージャスなフライトに慣れた人だと「何と野蛮な」「ダサっ、ありえない」などと思うだろうが、インド好きにはこれがたまらない。塩もかけて食べるとバツグン。

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 スイーツは、ベンガルスイーツの代表「ラスグッラー」。サフラン色が美しい「カッテージチーズボールのシロップ漬け」。グリーンはピスタチオ。ド甘な感じが名残惜しい。

 渋いながらも、旅の最後にふさわしくレベルの高い機内食だった(正確には、この後、リフレッシュメントが降機1時間半前ぐらい前に出た。が、単なるパンとお茶だった)。

 今回の「インドツアー2012」、個人的にもいろいろな収穫があった。
 
 次回は、来年3月、食のプロ向けツアーを行い(別途限定告知する予定)、今回と同じ趣向のツアーは秋に実施する。

 日本では、誰もマネできないであろうディープなインドの食ツアー、今後もぜひお楽しみいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
OTIS REDDING『OTIS BLUE』(1965)
 本日はオーティス・レディングが26歳で飛行機事故により亡くなった日。
http://www.youtube.com/watch?v=qZ6OrrkeVFo
 泣ける超名曲。

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10月27日

 オールド・デリーで見かけた不思議な組み合わせの軽食(といっていいのか?)。

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 サツマイモを炭焼きにした「焼いも」とスターフルーツをいっしょに売っている。関係ないが、手前の女の子がキュートだ。

 どうやって食べるのかといえば、焼けた皮をむいて一口大にカットした焼いもとスライスしたスターフルーツを一皿に盛り、そこにレモン汁とチャット・マサラ(酸っぱいマンゴー・パウダー、温泉臭のある独特な風味の岩塩、ブラック・ペパー、赤唐辛子粉、コリアンダー、クミンなどのミックススパイス。日本でも入手可能)をふりかけ、混ぜながらいただくのだ。

 今回は急いでいたので食べなかったが、デリーではよく売っている。逆に、南インドでは見かけない組み合わせといえる。

 こういうものも、現地に行かないとわからない。本場ならではの味わいである。

《このブログを書いているときのBGM》
OTIS REDDING『THE IMMORTALE OTIS REDDING』(1968)
 明日が命日のオーティス。このアルバムは晩年(といっても26才で亡くなったわけだ…)の作品で、個人的にもよく聴くもの。全曲グレート。
http://www.youtube.com/watch?v=BouguythUIQ
 30年くらい前のバンド時代カバーした。その後、海外でもカバー率の高かった名アップナンバー(最近、若い日本女性のカバーもあったようだが、もっと頑張ってねという感じだ)。クロッパー師のカッティングもさりげなくスゴイ。
http://www.youtube.com/watch?v=DpzG0vuWpxI
 この曲も演奏したことがある。泣ける名曲だ。日本人でうまく歌えるボーカル、少ないだろう。

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10月27日

 オールド・デリー、チャンドニ・チョーク界隈の散策より。

 いろいろな食べもの屋台があるのだが、料理だけでなく、食材の屋台や露店、流しの商人もいる。

 代表的なのは「八百屋」。いろいろな野菜を荷車に載せてひき売りする八百屋はインド中に多いし、単品野菜のひき売りも盛んだ。

 この日もいろいろな八百屋に出会ったが、おもしろかったのが「コーン売り」。生のトウモロコシを粒にほぐして、はかって売っていた。

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 こういうのは日本でなかなか見かけない。お客はポリ袋に入れて持ち帰る。奥にはトウモロコシ本体も。
 手前の青唐辛子はインドで当たり前の光景だが、見慣れない日本人からすれば、目が釘づけだろう。この大きいのは「チリ・パコラ」と呼ばれるフリッターなどに使われ、あまり辛くないはず(いや、どうかな)。

 コーンはカレーのほか、炒めもの、サモサやコロッケの具など、さまざまな料理に使われる。

 グリーンピースもそうだが、インドでは冷凍などなく、すべて生で、風味はバツグン。トウモロコシやグリーンピースに対する見方が変わること、間違いない。

《このブログを書いているときのBGM》
ARETHA FRANKLINt『I NEVER LOVED A MAN THE WAY I LOVED YOU』(1967)
この頃のARETHAは絶好調。まさにレディソウルという感じの名曲名唱がそろっている。
http://www.youtube.com/watch?v=6FOUqQt3Kg0
こういうアップも素晴らしいし、スローもバツグン。キング・カーティスのブローもカッコいい。

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10月27日

 オールド・デリー、チャンドニ・チョーク散策の続き。

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 おいしそうなパオ・バジ。
 バオ・バジというのは、「パオ」というバンズのようなパンを「バジ」と呼ばれるトロトロのマッシュポテトのトマトカレーで食べるインド屋台カレーの代表選手。
 写真右上の鉄板、ジャガイモのハンバーグ風な「アールー・ティッキ」とともに「パオ」も1つ見える。パオも鉄板でコンガリ焼くのが本場のやり方だ。

 パオ・バジはかつてボンベイを呼ばれたムンバイの繊維工場労働者の食事から広がったといわれ、今ではインド中で食べられる。

 バジはふつうタマネギは炒めて入れない。仕上げに生タマネギをたっぷりかけて食べるのだ。
 10月にオンエアされた『ほっと@アジア』の「アジアンBBQパーティー」で披露した「鉄板で炒めて仕上げるキーマカレー」でもこのテクニックを応用した。
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 タマネギの状態がわかりにくいが、これがその炒めキーマ。タマネギは半生仕上げで、その方がおいしい。

 またバジの材料はジャガイモとトマトがメインだが、ほかの野菜、例えばニンジン、インゲン、カリフラワーなどを刻んで入れてもおいしい(上の写真ではグリーンピースなどが見える)。

 パオ・バジはときどきサザンスパイスでもレッスンするし、私自身も好きなアイテムだ。それにしても、インドで食べるのが美味である。

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 去年の「インドツアー2011」、デリーのフードコートで食べたパオ・バジ。バジの上にバターがのっているが、これもまた欠かせない。ギーよりもバターがいい。

 皆さんもぜひインドで体験していただきたい。そんな屋台カレーの1つだ。

《このブログを書いているときのBGM》
THE DOORS『STRANGE DAYS』(1967)
 ジョン・レノンの命日はジム・モリソンの誕生日でもある。尊敬する偉大なロッカーの生誕に乾杯!
http://www.youtube.com/watch?v=6M_0nU7RdPU
 イントロのギターリフがブルースの手グセフレーズの流用でカッコいい。

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10月27日

 「インドツアー2012」最終日、ジャワハル・ホテルJAWAHAR HOTELでのランチの後、「目抜き通り」ともいえるチャンドニ・チョーク界隈を散策した。

 アメ横風というか、食べもの関連のいろいろな店が屋台風に並んでいて、たとえ食べなくても、見て歩くだけで楽しい。

 デリーでよく目につくものの1つが「マタル・クルチャ」の屋台だ。
 マタルはマタル・ダールで乾燥させたエンドウマメやグリーンピースの煮込みカレー。マタル・ダールは日本でも通販やアメ横などで手に入る。
 クルチャは本来丸いイスラーム式ナーンのことだが、屋台では香菜をトッピングしたフワフワしたパンに近いタイプを使う。

 これら2つを組み合わせた「マタル・クルチャ」は「チョレ・バトゥーラ」(ヒヨコ豆のカレーと巨大なプーリまたはナーンの生地を揚げたパン)などとともに、人気の定番セットである。

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 見にくいが、奥の方にクルチャがたくさんある。トマトの赤が美しい。グリーンは香菜。マタルのカレーは左に隠れていて見えない。

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「インドツアー2011」の際、ニューデリーのフードコードでいただいた「マタル・クルチャ」。
 右上はミント、香菜、青唐辛子のチャツネ。スッキリとした風味で美味だった。さりげなく添えられたオニオン・スライスもいい。クルチャの香菜も食欲をそそったな。もちろんマタルのカレーもおいしかった。

 南インドにはない(もちろん日本にも)、おすすめの北インド式屋台風メニューの1つ。ぜひ、現地で楽しんでいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
パール兄弟のベストCD
 先日、ギタリストの窪田晴男さんの名前が会話で出かかったのを思い出して。バンド時代、一度だけ対バンでヤッタことがあるが、カッコよかった。
http://www.youtube.com/watch?v=-3mb1CUdbWs
 代表曲の1つ。

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