カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

カテゴリ: イベント情報

 コロナ禍、まん防。重苦しい世の中だが、新宿伊勢丹地階では恒例の「カレーフェス」が19日から25日まで開催。連日、カレー好きを驚喜させる内容で、にぎわっている。

 私関連の商品としては、「ビーフナハリ」「ラールマース」の超強力レトルトカレー2種はもちろん、南インドを代表するカレーのひとつ「チキンペッパーフライ」のスパイスセット(調理動画はココ)、「レモンライス」「ココナッツライス」「トマトライス」「イエロークミンライス」の各スパイスセット(「アンノウンインディア」というシリーズタイトルも気に入っている)などが各メーカーのブースでスタンバイしている。

 そして明日25日はカレーフェス最終日。光栄なことに千秋楽の出店販売を、エスニックカレー界の大横綱、「新宿中村屋」さんとともに担当させていただくことになった。

 事前の擦り合わせで、新宿中村屋さんは東インド、ベンガルスタイルの「ビーフコルマ」を提供するとのこと。私は南インド料理の担当(今回、各有名カレー店が日替わり出店しているが、あらかじめ主催者と調整の上、東西南北インド、ネパール、スリランカの各エリアに割り振ってスペシャルカレーを提供することになっている。来場者は居ながらにして、インド亜大陸の各地方料理を満喫できる)なので、いろいろ考えた結果、タミル南部に伝わる「チキンクルマ」をつくることにした。

ss chicken kurma 151216

 クルマは北インドで有名なカレー「コルマ」をベースに、南インドらしさを前面に押し出したマイルドなカレー。本家コルマがポピーシードやアーモンド、カシューナッツなどをペーストにし、ヨーグルトや生クリームなども加えつつ仕上げるのに対し、クルマではココナッツなども用いつつ、より軽めでご飯によく合う風味にできあがる。

 コルマ、クルマとも、辛いカレーは苦手という方でも安心して食べられるのがイイ。個人的には新宿中村屋さんのビーフコルマとこちらのクルマを両方買っていただき、比較しながら食べていただくと、インド料理の深遠な魅力を再認識いただけてよろしいように考えている。

 なお、今回「サザンスパイスwith レインボウスパイス」という店名で出店する。
「レインボウスパイス」は立川の本店を拠点に、中野、吉祥寺などでスパイスをキーワードにした店舗を展開。私は10年以上前の開店当初からアドバイザーのような役割で関わっている。どの店もおいしく個性的な料理が楽しめる。

《このブログを書いているときのBGM》
THE SMITHS『THE QUEEN IS DEAD』(1985)

https://www.youtube.com/watch?v=PtzhvJh9NRY

★「サザンスパイス」新公式サイトはコチラ(料理教室の予約もこのサイトでどうぞ)

★YouTube「スパイスチャンネル」も要チェック!

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10月29日(日)

 偶数月の月末、東京幡ヶ谷にある「世界の家庭料理と自然派ワインのおいしい店ジッカjicca」で開催しているトークライヴ、「ひとつのスパイスから料理が広がる スパイスセッション」、今回はその健康効果でも話題の(冷えやむくみ、デトックス、美肌、アンチエイジング、記憶力アップなど)、「シナモン」を取り上げる。

【「シナモンをつかった試食プレート」】
★シナモンたっぷりの「チキン・シャクティ」
 ホール・スパイスをすりつぶし、タマリンドやココナッツと合わせたソースで煮込む、ゴアの名物カレー。もともとシナモン・スティックは使われるが、今回はシナモンをさらに前面に出して仕上げる。

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 ゴア在住の料理名人、メリッサ・マーティン先生のつくった「チキン・シャクティ」を「ゴア風プラオ」にかけたところ。

★白身魚のシナモンガラムマサラ焼き
 南インド、ケーララ州で教わった「秘伝のガラム・マサラ」は、何とシナモンがメイン。今回はそんな「シナモン・マサラ」で味つけした白身魚をフライパンで香ばしく焼き上げる。

★ベジタブル・クルマ
 北インドのマイルドなカレー「コルマ」が南インドに伝わり、「クルマ」になった。ココナッツやポピー・シードの入ったグレービーにシナモンの甘い香りがマッチ。

★シナモンの利いたキャベツのサブジ
 野菜のスパイス炒め蒸しであるサブジに必須のスパイスはクミン・シード、ターメリック、カイエン・ペパーであり、シナモン・スティックなど不要なはず。しかし、使ってみるとイケるのである。

★シナモン・プラオ
 ご飯もシナモン・スティックを炊き込んで、シナモン風味で。

 シナモンはトマト、ヨーグルト、ココナッツ、タマリンドなどカレーに用いられる風味づけ食材全般と相性がイイ。だから、躊躇せずにいろいろ試してみればいい。

 ちなみに「チャイによく使うスパイス」というと、シナモンと答える人が日本に多いが、正解は「カルダモン」そして「ジンジャー(というより生のショウガのスライス)」である。

 そんなこんなで、シナモンにまつわるお話をあれこれしたいと思う。よかったら日曜日、お付き合いいただきたい。

★「ひとつのスパイスから料理が広がる スパイスセッション」シナモン編の予約申込み、問い合わせはコチラまで。

《このブログを書いているときのBGM》
遠藤賢司『純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集』(2004)
 尊敬する日本のミュージシャンのひとり。ご冥福をお祈りします。 
https://www.youtube.com/watch?v=0IUymAArT14

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ! 「関西インド料理教室」の申込みもこちらからどうぞ。

★個人サイト『誰も知らないインドカレー』からも、「サザンスパイス」レッスンスケジュールや参加申込みは可能!





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http://yummysdish.exblog.jp/

8月27日(日)昼の部14時~16時、夜の部17時30分~19時30分 

 偶数月の最終週末は、「ひとつのスパイスから料理が広がる スパイスセッション」。
 特定のスパイスやハーブにスポットライトを当て、試食プレート(というより一食分フルポーションにかなり近い)とビールやワインなどドリンクをお伴に楽しんでいただくトーク・ライヴで、都内京王新線幡ヶ谷下車徒歩5分、ナチュラルワインと世界の家庭料理のおいしい店「ジッカjicca」でやっている。

 今回のテーマは「カレー・リーフ」。直訳すれば「カレーの葉」だが、一般的な意味合いとして「カレーの味や香り」はしない。代わってゴマ、ピーマン、トウモロコシ、山椒などの香りに似ているという声も聞くが、なるほど似てはいても、ドンピシャにいい当てている感じはしない。

 カレー・リーフは和名が「ナンヨウザンショウ」、さすがに山椒を大きくしたような姿形をしている。インド料理の世界では、とりわけ南インド料理に欠かせないハーブとして知られるが、実はムンバイあたりのマハーラシュトラ料理にも、特にシーフードメニューによく使われる。

 使い方だが、タマネギを炒める工程のあるレシピなら、タマネギ炒めの際、カレー・リーフ1枝分(20枚程度)をいっしょに入れて炒めればいい。香り油のテクニックであるテンパリングの工程があれば、その際、カレー・リーフを加えるとバッチリだ。

 そのほか、生のカレー・リーフを刻んだり、同じく生のカレー・リーフを軽く炒めてからフードプロセッサーやミキサーにかける、あるいはそこに、ほかのハーブやスパイスなども加えてペーストにするなど、いろいろなレシピがある。そのうち、日本のインドレストランで食べられるものはあまりないのが、実情だ。

 今回の「スパイスセッション」では、こうしたカレー・リーフの使用法についてご覧いただき、実際そうしてつくった料理を味わいつつ、見識を深めていただこうと考えている。

【試食プレートの予定メニュー(全アイテム、生葉を使用する予定)】
カレー・リーフ入り南インド式ダール
 材料や味つけがシンプルな分、カレー・リーフの香りがさらに引き立つ挽き割り豆のカレー
カレー・リーフ入りオニオン・パコラ
 刻んだカレー・リーフの生葉も加えたタマネギの南インド風かき揚げ
カレー・リーフ・チャトニ
 カレー・リーフの生葉を使った南インドのハーブソース
カレー・リーフ・チキン
 すりつぶしたカレー・リーフをたっぷり入れた風味豊かな南インドのチキンカレー
カレー・リーフ入りポテト・ロースト
 野菜の炒め蒸しにカレー・リーフを加えると最高な香りに! 
カレー・リーフの薫るインディカ米ライス
 今回、あえて白いご飯にしようと思うのだが、香りだけはバッチリ、カレー・リーフをフィーチュアしたい。

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 南インド・ケララ州のさるレストランの厨房で見かけたカレー・リーフ。惜しげもなくガンガン使っていた。


 27日のご予約、問い合わせはコチラまで。

《このブログを書いているときのBGM》
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS『THIS YEARS MODEL』(1978)
 セカンドアルバム。
https://www.youtube.com/watch?v=3Y71iDvCYXA 

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4月24日(日)


 インド料理の分野で活躍する日本人オーナーやシェフが一堂に会し、特別料理やトークショーで盛り上がる日本インド料理界随一ともいえるイベント『LOVE INDIA 2016』が、昨年と同じ会場で開かれることが決まった。

 オーナーでもシェフでもない私だが、初回から毎年、数百人以上の特製カレーをつくって参加してきた。

 『LOVE INDIA 』では、それぞれのシェフが「ターリー(インドの大皿定食)」仕立てのメインセット用の「マトンなどの肉(チキン以外)」「チキン」「シーフード」「野菜」「豆」カレー(数量限定なし)、あるいはターリーとは別注文の「数量限定の単品メニュー」を担当し、来場者にふるまうのだが、誰がどれを担当するのかは、「あみだくじ」で決められる。

 私はこれまで「野菜」と「豆」しか担当してこなかった。で、今年はどうかなと思いつつ、くじを引いたら「単品」という結果になった。

 単品メニューだと、「ターリー」用アイテムとしての制約から少しばかり自由になれる。そうしたことも考えつつ、何をつくろうか、ただ今思案中である。

 そんな中、自分の頭の整理とという意味も込め、候補アイテムの一例を考えてみた。

【『LOVE INDIA 2016』単品メニュー案(200食限定)】順不同
・かんたんビリヤニ(会場で用意されるバスマティ・ライスのご飯を拝借し、私が自作したビリヤニのベースとミックスし、しばらくキープして完成。ライタとともに)
・その場で揚げるバジやパコラ(野菜のスパイシーフリッターやかき揚げ。チャトニつき)
・ポンガル(南インドの硬い豆粥)、ウプマ(南インドのセモリナ炒り蒸し)、バミセリ・ウプマ(南インドの極細パスタの炒り蒸し)など
・アールー・チャナ(ジャガイモとヒヨコ豆のスパイシー炒め煮込み。鉄板の上で温めて供する)
・パオバジ(ジャガイモとトマトのカレーと特製バンズの鉄板焼き)
・マサラパスタ(インド式パスタ)
・マサラワダ(ドーナツ状ではないチャナ・ダールのワダ)
・カルカッタ式ロール(以前、「デリー」さんがやったような?)
・サモサやサモサチャット
・ベルプリ

 ほかにもいろいろ考えられ、きりがない。以前より規模が小さくなるが、調理場所もどうしようか。

 リクエスト等あれば、私までどうぞ、お気軽に。

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 去年のフライヤー。

《このブログを書いているときのBGM》
TAJ MAHAL『TAJ MAHAL』(1968)
 初め、その名前を観て「どうせ、変な音楽をやる、いい加減なヤツだろう」と避けていたのだが、聴いてみて、一発でファンになった。ギターのジェシ・エド・デイビスも私のヒーローのひとり。
https://www.youtube.com/watch?v=Y5xXL7DZaZA
 ジェシのソロも最高。

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11月12日(木)

 以前もインド古典音楽のボーカルコンサートと渡辺の料理でコラボさせていただいた、ナチュラルワインと家庭料理(個人的印象としては、むしろエスニックテイストも満載の美味なる創作系多国籍料理の宝庫)のお店、「幡ヶ谷ジッカJICCA」で、再びのライヴ・アンド・ディナーのイベントが決まった。

 以下は主催者からの告知コメント。


「アルナングシュ・チョウドリィ来日公演 × カレー&スパイス伝道師・渡辺玲 in jicca」

インド国内外で活躍するタブラ奏者、チョーさんことアルナングシュ・チョウドリィ。

インド古典音楽では多くの世界的に著明な伝統音楽家と共演し、また世界各地のリズムを融合させ独自のスタイルを確立した新しい世代のタブラ奏者の一人としても世界的に活躍しているチョーさん。

インド音楽に留まらずボーダレスに活躍するシタール奏者ヨシダダイキチとの3年ぶりの来日公演です。

当公演では、チョーさんのチョー絶プレイによるインド音楽ライブをお楽しみ頂いたあと、「カレー&スパイス伝道師」として多方面で活躍されている渡辺玲氏による美味しい本格インド料理をお楽しみ頂きます。
限定25名のちょっと贅沢な企画です。

【日時】11/12(木) 19:00 open / 19:30頃 live start
【会場】jicca http://fromjicca.com/
    東京都渋谷区西原2-27-4 升本ビル2F奥
【出演】ヨシダダイキチ (シタール)
    アルナングシュ・チョウドリィ (タブラ) from India
【料理】渡辺玲 (カレー&スパイス伝道師)
【料金】4,300円(限定25名・本格インド料理ワンプレートディナー付)
    *料金の事前振込み特典:1ドリンクサービス
【予約】E-mail : new.raga.acoustics@gmail.com
    Tel : 03-5738-2235 (jicca:日曜日を除く18:00-トリイまで)

    事前振込みの場合、上記へご予約のち下記口座へ振込みをお願いいたします。

    ▼ゆうちょ銀行口座から送金の場合
    銀行名:ゆうちょ銀行
    記号-番号:10070-37268071
    名義:ニユ- ラ-ガ アコ-ステイクス

    ▼ゆうちょ銀行以外の口座からお振込みの場合
    (お振込手数料は、お振込み主様でご負担頂きます様お願い申し上げます)
    銀行名:ゆうちょ銀行
    支店名:〇〇八(ゼロゼロハチ)
    預金種目:普通預金
    口座番号:3726807
    名義:ニユ- ラ-ガ アコ-ステイクス


 タブラのチョーさんは、ベンガル出身。そこで、今回はベンガル料理を取り入れたディナープレートになる予定。

 ベンガルといえば魚のカレー。9月の「インドツアー2015」(南インド・タミルナドゥ州とコルカタ編)でも、コルカタ(カルカッタ)で魚をメインにしたベンガル料理を満喫した。その成果を生かせれば、うれしいものである。

 個人的には「ドイ・マーチ」(ヨーグルト風味のベンガル風フィッシュカレー)、あるいはマスタード風味のベンガル式フィッシュカレーあたりをフィーチュアしたい。

 一方、コルカタ(カルカッタ)は独自のムガル料理もおいしいところ。そうした特徴を生かした肉のカレーも捨てがたい。

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 前回6月のコラボイベントの際、お出ししたディナープレート。マトン、チキン、パニールなど7種類のインド料理(来日したインド古典音楽ボーカルのモーシンさんがデリー出身だったので、デリー系メニューをメインに)を盛り込んでみた。

 ともあれ、絶対価値のある一夜にしたい。乞うご期待だ。
 
 そして、もちろん席数限定の人気イベントなので、予約はお早目に。

《このブログを書いているときのBGM》
TAMPA RED『SLIDE GUITAR CLASICS』(録音年代は戦前から戦後あれこれ)
 マイ・フェイバリットなブルースマンのひとり。流麗なスライドと軽妙で小粋なボーカルの絡みが最高。
https://www.youtube.com/watch?v=sNLWmrjrwaE
 超有名なブルース・スタンダードの一曲。

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