10月某日

 ひさしぶりにトッド・ラングレンの代表作『ハロー・イッツ・ミー(サムシング・エニシング?)』を2枚組CDで聴いてみた。

 この作品には「ハロー・イッツ・ミー」「アイ・ソー・ザ・ライト」という2大名曲が収録されている。もちろんほかにもいい曲が入っているが、これらだけでも買う価値ありだと思う。

 この2曲、とにかくメロディがいい。ポップで覚えやすく、しかも日本人の好きな泣きというか、甘酸っぱさに満ちている。知らない人でも一度聞いたら印象に残ること必至だと思う。

 かつて高橋幸宏氏もソロで「アイ・ソー・ザ・ライト」をカバーしていた。やっぱりね、という感じがした。ユキヒロ氏もポップで甘酸っぱいメロディにやられたのだと思う。

 この2曲、実はやたらキャロル・キングくさい。おそらく意図的にキャロル・キングぽく仕上げたのだと思うが、理由は簡単で、トッド氏もキャロル・キングが好きだからだろう。

 キャロル・キングは「イッツ・トゥー・レイト」「君の友達」といったフォーキーな名曲で有名だが、もともとは「ロコモーション」ほかソウルのヒット曲の名ライターでもある(ロコモーションならばグランド・ファンクのカバーが好きだ。トッドはこの曲の入ったグランド・ファンクの作品もプロデュース。ロコモーションのカバー収録も、元を正せばキャロル・キング好きだからか?)。ファンキーで黒人音楽的な味わいも強い人なのだ(彼女の作品には、ギターのデヴィッド・T・ウォーカーはじめ、ソウル系の凄腕ミュージシャンが多数参加している)。
 
 トッド氏もソウルっぽいアレンジでポップな曲を作るのが得意(ビートルズ好きでもある)。両者の肌合いにはかなり似たところがあるのだ。

 ちなみにトッド氏のソウルな側面を継承してデビューし成功したのがホール・アンド・オーツ(て、今やナツメロ?)。

 で、キャロル・キングさんだが、来日公演はカップリングの奇妙さと値段の高さで手が出ない。

 私の中には「外タレの来日公演は3800円か4500円」という25年ぐらい前の古びた公式がまだグルグルうずまいている。
 一万円も出すならば、CDかDVDを買った方がいいだろうとも考えてしまうのだ。

 そういうわけで『タペストリー』などを聴いて、ひとりでなごもうと思う。

《このブログを書いているときのBGM》
 南インドのカルナティック音楽で私が最も好きなボーカリストのひとりG.N.バラスブラマニアムのライヴCD。変幻自在のメロディに酔いしれる。