カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2022年04月

 ひさしぶりに、ちょっと専門的な話。

 今も昔も、日本のインド料理ファンの頭を悩ませる難問の1つに「ビリヤニとプラオの違いはどこにあるか」というのがある。

 ビリヤニとプラオは、どちらも、インド亜大陸ならではのスパイシーな「炊き込みご飯」だ。

 ビリヤニの多くは「重ね蒸し」という手法で調理される。幅広な大鍋にカレーを敷き詰め、上からパスタのようにかたゆでしたバスマティライスをかぶせ、密閉して蒸し上げる。「ダム・ビリヤニ」というのがこれで、日本で食べられるビリヤニの多くが、このスタイルをとっている。 
 
 プラオは、バスマティライス以外も含め、いろいろなコメでつくられる。調理法も、洗った生米をスパイスやハーブ、ときに具材の肉や野菜とともにボイルして仕上げる。日本の炊き込みご飯と同じやり方だ。

 これだとビリヤニとプラオはまったく違うとすぐに気づくが、ビリヤニの中には、プラオと同じくナマゴメからボイルして仕上げるものがあり、これが話をややこしくする。「ボイルド・ビリヤニ」と呼ばれるものだが、プラオにもまったく同じ調理法、ほとんど同じ味わいのものがあるのだ。

 プラオに繋がるあいまいさのある「ボイルド・ビリヤニ」は、日本であまり人気がない。インターネット上で、「ボイルド・ビリヤニ」はビリヤニではない、と断言している人たちもいる。

 私はどうかといえば、「ボイルド・ビリヤニ」擁護派である。
 ビリヤニ全体が同じ色味で「ビリヤニらしくない」見た目の「ボイルド・ビリヤニ」だが、ライスの一粒ずつにスパイシーな風味が浸み込んで「ダム・ビリヤニ」とはちょっと異なるおいしさなのだ。

 それでは、同じ素材で同じ「炊き込み」ご飯をつくっても、「ボイルド・ビリヤニ」と「プラオ」に分かれる要因は何か?

 それは次回、書くことにする。

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 南インド、タミルの「ディンディガル・タラパッカティ・チキン・ビリヤニ」。
 「ボイルド・ビリヤニ」の傑作。私の「インド食い倒れツアー」でも、チェンナイに行くと、この店に立ち寄ることが多い。

《このブログを書いているときのBGM》
JOHNNY  THUNDERS『SO  ALONE』(1978年)
1991年4月23日にニューオリンズで亡くなったジョニー。
今でも大好きだ。

https://www.youtube.com/watch?v=YgsC5aDDAew


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 今から一週間ほど前の4月4日に発売された「日経トレンディ」に、少しばかり協力させていただいた。

 「老いない食事」の特集で、抗酸化や免疫力アップが期待されるターメリックなどのスパイス類と緑黄色野菜や玄米などを組み合わせた「野菜たっぷりチキンカレー」を考案、レシピや写真をフィーチュアしていただいた。

 内容的には、私が『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)、『カレーな薬膳』(晶文社)、スパイス』『カレー&スパイス伝道師がおしえる! 四季の食材でつくるスパイスカレー入門』などで繰り返し述べているスパイスの健康効果とリンクするもの。

 ともあれ、おいしいカレーを自作し食べることで健康が維持できるのは、何ともうれしいことだ。一読をおすすめする。

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《このブログを書いているときのBGM》
BOZ SCAGGS『BOZ SCAGGS』(1969)
 元スティーブ・ミラー・バンドのメンバーだったボズの本格ソロ第一弾。マッスルショールズ録音で、DUANE ALLMANのギターが全編素晴らしい。

https://www.youtube.com/watch?v=4lnOUcWU1P0


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