カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2016年09月

9月24~25日

 今年も代々木公園で「ナマステ・インディア」が開かれた。
 私の場合、ここ3年ほど、自分自身の「インドツアー」に日程が重なるため、会場に足を運ぶことがままならない。
 それでも以前は、成田空港から帰宅、荷物を置いて会場に通う、あるいは時間を決めて、私の料理教室の生徒たちと待ち合わせ、いろいろなブースを観て回るというようなことをしてきた。

 今年も、行こうと思えば会場には行けた。しかし、そうする気合がどこか失せていた。なぜだろう。

 今年で24回目という「ナマステ・インディア」はその初期、代々木公園ではなく、浅草アサヒビール本社近くにある墨田区役所とその付近の公共施設で催され、運営主催も今とは異なっていた。現在よりはるかにマイナーで、感覚的にも遠い距離にあった「インド」をより身近に感じとってもらいたい、という共通の目的・意思のもと、各分野のインド関係者が集まり、かなり高レベルで熱気あふれる展示やイベントがなされていたと思う。

 食のブースに関しては今よりはるかにこじんまりしており、私もある年、出店要請を受けて「バミセリ・ウプマ」や「ココナッツ・チャトニ」など売ったが、予定数があっという間に売り切れた。何しろ、その時、食の出店は、私と高名なインド人料理研究家の方2軒だけだった記憶があるが、今のように、ブース料金を払えば出られるというのは違い、依頼があった者しか出られない仕組み。ナマステ・インディアに参加することは「名誉」なことだったのだ。

 そうした状況が続いた後、築地本願寺などに会場を移し、たしか、2004年あたりから、場所を現在地に定め、盛況を誇るようになったと思う。

 場所や規模、内容が発展・変遷したのは、当然のように運営体制が変わったからだろう。

 現在の「ナマステ・インディア」は、主に多数のインド料理レストランの屋台とステージでの舞踊や音楽のパフォーマンスで構成され、初期とは比べものにならない動員力を誇る。来場者も、多くの店の味を自由に堪能、いろいろなパフォーマンスにも無料で接することができ、手軽に楽しめること、この上ない。

 出展についていえば、食べもの屋台はブース料を払えば出店可能。舞踊や音楽も応募すれば皆ステージに出られるシステムのはず。

 たしか、銀座や湯島デリーの田中社長もご自身のブログに書かれていたが、初期を知る者には、少々今の「ナマステ・インディア」はもの足りないというのが、正直な気持ちだ。

 食にしても、毎年現地に行けば新しい発見があるが、「ナマステ・インディア」でそうした経験はほとんどない。毎年、同じような店が同じようなアイテムを出している。去年はあそこがよかったが、今年はどこのレストランがいいだろう。そんなワクワク感に満ちながら足を運ぶことは、私の場合、ここ数年なかった。

 ステージも同じで、私の知る一流パフォーマーの多くは出ていない。知己のミュージシャンやダンサーに聞くところ、依頼があれば出ますよという方々がほとんど。もったいない感じがする。

 総じていうと、模擬店ばかりの学園祭で、アマチュアのたいしておもしろくないバンドを観ている気分。申し訳ないが、そんな感じか。 

 皆さんご存知のように、インドには多様で多彩な面がある。
 しかし現在の「ナマステ・インディア」では、まだそのごく一部しか見せられていない。そんな気がして、しょうがない。
 
 日本の津々浦々、インドの素晴らしさを知らしめることできる人たちがまだまだいるはず。いろいろなインドレストランの味わいを手軽に楽しめるのには賛成する一方、そういう方たちと新たにコラボして、フレッシュに盛り上げてほしいとも思う。

イメージ 1
 2012年の「ナマステ・インディア」にて。

《このブログを書いているときのBGM》
THE ROLLING STONES『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』(1974)
 いいタイトルにいいサウンド。
https://www.youtube.com/watch?v=JGaBlygm0UY

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!




★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ
http://yummysdish.exblog.jp/

 

 

9月25日

 午前8時過ぎ、デリー発のエア・インディアで、私たちツアー参加者は成田に到着。今年のツアーも無事完了した。

 私は吉祥寺行きのバス、それからJRを乗り継いで帰宅。

 毎回インドから家に帰り、真っ先にするのが、現地で買ったおいしいスイーツの盛り合わせが、崩れたり、変形していないか、チェックすることだ。

イメージ 1
 今回はデリーでも甘味処として有名な「ベンガル・ストリート」にある、某スイートショップからテイクアウト。箱のデザインもカッコいい。

イメージ 2
中味はこんな感じ。「500グラムで、おいしそうなのを適宜アソートして」と店のオジサンにいったら、バラエティに富んだ内容にしてくれた。こういうとき、プロに任せるのもいいと思う。

 さっそく、カミさんとふたりで食べてみた。ウマいのでなかなか手が止まらない。結局、半分ぐらいたいらげてしまった。

 ほかにも、日本で食べられないものを自家食用に買ってきた。これまた楽しみである。

《このブログを書いているときのBGM》
KULA SHAKER『K2.0』(2016)
 新譜だが、案外知られていないかも。
https://www.youtube.com/watch?v=t-N7ckQioU0

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!

★「ブロぐるめ!」ランキング参加中! 

https://food.blogmura.com/img/food88_31.gif
にほんブログ村 料理ブログへ(文字をクリック)

★レシピブログのランキングに参加中♪ 




 

9月19日  

 ハイデラバード3日目。朝食をいつも通り、宿泊先である「タージ・バンジャラ・ホテル」のダイニングでとる。

イメージ 1
 朝から「マサラ・ドーサ」。といっても直径30センチ弱のかわいいサイズ。「ココナッツ・チャツネと「トマト・チャツネ」がついてきた。

イメージ 2
 下は丸いのが「アールー・ボンダ」、南インド流ポテトボールのペースン衣揚げだ。
 平べったいのは「カチョリ」。ウラド豆のスパイス炒めなどを具にして、サモサに似た生地を揚げてある。こちらは北インドの味だ。
 上は「ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATH」。カルナータカ式「サンバル・ライス」なのだが、サンバルとライスを混ぜてつくらない。トゥール・ダールと生米をサンバルと似たスパイスで煮ていくのだ。だからご飯と豆がどちらもトロリと溶けているはずなのが、これはご飯粒がやけにきちんと残っている
 また、サンバルと似たスパイスというのも曲者で、私の知る限り、本式のビシ・ベラ・バトにはシナモン・スティック、クローブ、カルダモンなどガラム・マサラ系のスパイスも入るのである。
 よって、伝統的なタミルのサンバル・ライスとは異なるものになるはずが、これはサンバル・ライスぽくはあっても、ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATHではない。そんな気がしたのだった。

 そんなわけで、前夜も「ビシ・ベラ・バト」を食べて、やはり満足できなかったこともふまえ、このツアーでビリヤニ同様、正統で美味な「ビシ・ベラ・バト」に出会えるよう、できるだけオーダーしてみることにした。結果は追ってレポートする。

《このブログを書いているときのBGM》
THE BEATLES『REVOLVER』(1966)
 このあたりのビートルズをインドで聴くとハマる。
 https://www.youtube.com/watch?v=Ah2ckzXgrx4

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!




★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ
http://yummysdish.exblog.jp/

前の記事からの続き。

イメージ 1
 白身魚のマサラ煮込み。酸味と辛味が前に出た味つけでウマい。

イメージ 2
 チキンカレーも美味。

イメージ 3
 ちょっと変わり種で「オムレツカレー」。いったんつくったオムレツをバラバラにくずして、ココナッツ・ミルクの入ったカレーソースでサッと仕上げたもの。

イメージ 4
 マトンとドラムスティックのカレー(沖縄で「モリンガ茶」という植物の葉をつかったハーブティがあるが、その実がドラムスティック)。風味のよさはもちろん、軟らかなマトンと筋張ったドラムスティックの食感の妙にも感服。

 ほかにも「レモンライス」「ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATH」「エビカレー」「白身魚のマサラ」など、存分にいただいた。

 ココナッツの使用が少なく、タマリンドの酸味、チリやコショウの辛味を強調した味つけの多いアーンドラ料理、私は好きだ。

《このブログを書いているときのBGM》
TRAPEZE『YOU ARE THE MUSIC WE'RE JUST THE BAND』(1972)
 イギリス出身ながら、ファンキーでソウルフルな独自のサウンドを追及したトリオの名盤。
https://www.youtube.com/watch?v=4BcZ3uX0D3c
 冒頭のギター・カッティングからイギリスのバンドぽくない。
 
★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!




★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ
http://yummysdish.exblog.jp/

9月18日

 ハイデラバードは、イスラーム系の「ハイデラバード料理」とヒンドゥー系「アーンドラ料理」という美味なる2つの料理文化が並立している。

 やはり肉類のメニューに圧倒的な力を発揮するハイデラバード料理に対して、アーンドラ料理でも肉はよく活用するものの、野菜や豆、魚やエビにもユニークで美味なレシピがたくさんある。

 そんなアーンドラ料理だけを専門にしているレストランは本場ハイデラバードにも意外に少ない中、われわれは「クチプディ」という名前のレストランに向かった。

 クチプディは、アーンドラ・プラデーシュ州にある同名の村にちなんで名づけられたインド古典舞踊「クチプディ」として、インドや日本のダンスファンにはよく知られているが、レストランの名前としてはかなり斬新な感じがする。

 この日いただいたものからのピックアップ.

イメージ 1
 まずはスターターから。白身の川魚をスパイシーな衣に浸けてから揚げた「チャッパ・ヴェプドゥー」。軽くてサクサクした衣とソフトで意外とジューシーな魚の身がよくマッチしていた。

イメージ 2
 大きく辛くない青唐辛子にスリットを入れミックススパイスを詰めたら、ペースン(ヒヨコ豆の粉末)などの衣をまとわせ、揚げる。揚がったら、フライの上にピーナッツ、タマネギみじん切り、ショウガ、香菜などを混ぜ、チリ味で調味されたもの。「チリ・バジ」というらしい。

イメージ 3
 カレーの部から。左が詰めものをした小ナスのタマリンドココナッツ煮込み「グッティ・バンカヤ」、右はトマトタップリの挽き割り豆カレー「トマト・パップー」。

イメージ 4
 ご飯の部から。スパイスの香りが冴える混ぜご飯「ジーラ・プラオ」

イメージ 5
 骨つきマトンのガーリックペッパー炒め。肉が超軟らかで味もよかった。

 宴は続く。

《このブログを書いているときのBGM》
BOB DYLAN『DESIRE』(1975)
 名盤。
https://www.youtube.com/watch?v=k-uNflKNJDY

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!



★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ
http://yummysdish.exblog.jp/

↑このページのトップヘ