カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2015年08月

8月某日

 南インドを代表するカレーの一つが「サンバルSAMBAR SAMBHAR」。東南アジアの辛いチリペーストがやはり「サンバルSAMBAL」だが、綴りも含めて、別物だ。混同しないように。

 はっきりいって、日本のインドレストランで、おいしいサンバルを供するところは案外少ない。ひどいところだと「野菜入りダールカレー」のところもあったりするが、それが人気店だったりするので、始末に負えない。

 本場南インドがどうかといえば、おいしいのが当たり前のようにも感じられるが、よくよく注意して、いろいろ食べてみると、その味わいや濃度、見た目の感じなど実にさまざま。ときにはイケていないのにもブチ当たる。

 日本についていえば、おいしいサンバルについて書かれた料理書もレストラン同様という感じ。最近出たものも含め、ことサンバルに関して、まともなレシピが掲載された料理本は、私のもの以外、日本にはまだないといい切っていいと思っている。インド料理の伝統や基本をわかっていない料理家と編集者がいかに多いかということでもありがっかりするが、世直しするつもりだ。

 そんな状況の下、クッキングスタジオ「サザンスパイス」では、南インド料理のマストアイテムということでサンバルに敬意を表し、なるべく定期的に「おいしいサンバルのつくり方」を伝授する教室を実施している。また『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)や『カレーな薬膳』(晶文社)など拙著でも、おいしい「サンバル」のレシピをゲットできる。

 サンバルをつくるとき、あると便利なのは「サンバル・パウダー」だ。
 ガラム・マサラと同じように複数のホール・スパイス(粒になったままのスパイス。スパイス使いのノウハウは『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)などにわかりやすく書いてある)を空炒りしてから、自分ですりつぶしてつくるサンバル・パウダー(「サンバル・マサラ」ともいう)は風味も最高(日本で市販されているインド製「サンバル・マサラ」は残念ながらおすすめできない。あれを使って美味なるサンバルは、私にはできない)。

 サンバル・パウダーは手づくりガラム・マサラ同様、「サンバル」以外の料理にも応用できる。事実、現地の家庭やレストランでも、サンバル・パウダーをサンバル以外のメニューに活用しているケースは多く、私もいろいろなメニューを教わった。

 そんな中でおすすめのレシピの一つが「サンバル・パウダー・フライド・ライス」だ。文字通り、サンバル・パウダーを用いたチャーハン的な炒めご飯で、野菜をメインとした各種具材と一度炊いたご飯を塩とサンバル・パウダーで味つけしながら炒めれば、できあがり。

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 カレー・リーフ、香菜、カシューナッツなども入れた、いかにも南インド的な「サンバル・パウダー・フライド・ライス」の一例。

 中華ぽいチャーハンにサンバル・パウダーを使い、フライド・ライスにしても、おもしろい。

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 カレー・リーフやチャナ・ダールも入れた新タイプの「サンバル・パウダー」を挽く前の状態。この後、イワタニのミルサーが活躍。
 拙著にある配合とは少し異なる。よりスムーズな食感と的確な濃度、そして何より香りのよさがたまらない。

 ぜひ、手づくりサンバル・パウダーをマスターしていただきたい。美味なる南インド料理の世界が広がること、確実だ。

★『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334786113
★『カレーな薬膳』(晶文社)
http://www.shobunsha.co.jp/?p=1741
★『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)
http://www.natsume.co.jp/book/index.php?action=show&code=005470

《このブログを書いているときのBGM》
SLY & THE FAMILY STONE『STAND!』(1969)
 70年代中盤前までのスライは無敵だったが、特にこのアルバムは強力で、全曲が素晴らしい。黒人と白人の男女混合で皆演奏がうまいというのも、画期的だった。
https://www.youtube.com/watch?v=2UZtguoRE5M

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★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ
http://yummysdish.exblog.jp/

写真がアップできない。書いたものがすぐ消える。
まったくウンザリなヤフー!ブログだが、ようやく写真のアップは可能になったようだ。

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 2012年に共著で出した『夏カレー冬カレー』(大泉書店)

 実はこの本には、ここにしかない「意外にマニアック、しかもウマいレシピ」がいくつか掲載されている。

 例えば「バターチキン風カレー」。「バターチキン」ではなく、バターチキン風。「バターチキンカレー」よりもかんたんで、しかも同じようにウマい。

 くわしいレシピは本書を見ていただくとして、味づけに使う食材が少々変わっている。
・カットトマト(ホールトマト)缶
・生クリーム
・バター
・ガラム・マサラ
・カレールウ

 そう、市販のルウを使うのである。しかし使用量は4人分のカレーに対して2人分だけ。カレーのベースになる風味をルウが担い、そこにガラム・マサラや生クリーム、バターなどが加わることで「バターチキン」にきわめて近い風味のカレーができあがる。

 巷のインドレストランの「バターチキン」のように甘ったるくないし、ヘビーに胃にもたれることもない。むしろルウを使うことで、より日本のご飯によく合う味に仕上がる。

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 こんな感じにできれば最高だ(本書掲載の写真から)。

 ほかにも、例えば超ディープな南インドの「オニオン・チャパティ」をさりげなく紹介していたりして。

 インド料理、カレーファン、どちらの皆さんも、一度は書店で手に取っていただきたい。おすすめだ。

《このブログを書いているときのBGM》
TRAPEZE『YOU ARE THE MUSIC WE'RE JUST THE BAND』(1972)
 なぜか、最近よく聴いている1枚。後にディープ・パープル、ジューダス・プリースト、ホワイト・スネイクの各メンバーになるトリオの隠れ名盤。ファンクなヘビーロックは、この時代ユニークだった。
https://www.youtube.com/watch?v=9uv8K_YMp_0
 メル・ギャリーのギターはスライドも交え、トミー・ボーリンにも似てファンキーでスリリングだ。

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8月20日

 昨日から今朝にかけて書いたブログ用原稿が、目を離した隙のPC再起動により消滅。

 ヤフー!ブログ、こういうとき原状復帰できないのはツラい。

《このブログを書いているときのBGM》
『VELVET UNDERGROUND AND NICO』(1967)
デビューアルバム
https://www.youtube.com/watch?v=sFmfqx-IxTQ

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8月19日

 先日WINDOWS10をPCに入れたところ、画像添付をヤフー!ブログでやろうとすると、即フリーズしてしまい、画像添付ができない状況になっている。

 これではブログの意味がない。いよいよヤフーはやめようかとも考えざるを得ないが、とりあえずこの状況から脱却しなくてはいけない。同じ症状の方、または解決法をご存知の方、教えていただけるとありがたい。

 ちなみに最近、facebookでの記事更新の方が、ブログよりはるかに多い。興味のある方はfacebookにどうぞ。

8月21日(金)11~14時

 東京・西荻窪にある「スパイス」をキーワードにしたクッキングスタジオ「サザンスパイス」から、今週要チェックなレッスンを少しばかりご紹介。

「チキンカレー」、インド料理ファンやカレー好きなら、まず最初にモノにすべきメニューのひとつだろう。
 現に私も今から30年ほど前、独学アマチュアからプロの料理人に移行し、本格インド料理を修業しはじめた頃、真っ先に勉強・習得したのがチキンカレーだった。

 さて、インド料理には北インドと南インドという2つの大きな流はれがあるのは、ご存知の通り。

 南インドのチキンカレーといえば、トマトベースで、そこに多少なりともココナッツの入ったものが主流を占める。

 一方の北インドカレー、こちらは話がややこしい。
 日本の北インド系レストランでチキンカレーといえば、トマトベースが圧倒的。ところが、現地ではそういい切れないのだ。

 例えば、インド全国はおろか、毎日世界のどこかのメディアが取材に訪れている超有名店、デリーの「カリーム・ホテル」のチキンカレーはトマトではなく、ヨーグルトと揚げタマネギがベース。トマトは一切入っていない。 

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 これが世界に名だたるカリームの看板メニュー、チキンカレー。

 この「ヨーグルト・プラス・揚げタマネギ」というスタイルのチキンカレーは北インドのイスラーム料理の得意技らしく、私の知るデリー在住のイスラーム料理人はたいてい、チキンカレーをこのスタイルで実践している。

 私もインド料理修業のごく初期に、かつてカリームホテルで敏腕シェフとして活躍していた師匠から、このヨーグルトベースのチキンカレーを伝授してもらい、以来、北インド式チキンカレーといえば、まずこのスタイルを紹介するのが当然の成り行きとなっている。

 ということで、今週21日11時からのクッキングスタジオ「サザンスパイス」レッスンは、私イチオシの北インド風ヨーグルトと揚げタマネギベースのチキンカレーをメインに、これまたおすすめ「オクラのマサラ」などを紹介する。

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★クッキングスタジオ「サザンスパイス」8月のスケジュールはコチラ

 チキンカレーをマスターしたいという方、南インドのトマトとココナッツがベースのものともども、これは必須というか、絶対的なおすすめである。ぜひ、おいでいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
WOODSTOCKのサントラ盤(1969)
1969年8月15・16・17日に開催されたラブ&ピースなノリの最高そして最後の音楽祭典の記録。
https://www.youtube.com/watch?v=IbaIB7rurys
 スライ、ジミ・ヘンドリクス、ジョー・コッカーなどとともに印象的だったザ・フーのパフォーマンス。

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