カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2015年03月

3月某日

 私の住む、そしてクッキングスタジオ「サザンスパイス」のあるJR西荻窪駅は中央線にある。
 
 わが西荻窪は、私が「予約制ではあるものの、すべてのアイテムが完全食べ放題の本格南インド『ミールス』」をはじめとしたディープなインド料理と、和洋中エスニックの各メニューをも出す多国籍レストランのシェフを辞めた2003年ぐらいから、カレー屋やインドレストランが増えはじめ、今では都内屈指の「カレー激戦区」になっている。

 似たような都内の「カレー激戦区」には、御茶ノ水~神保町、秋葉原、東京駅、銀座、下北沢、吉祥寺、大久保~新大久保、御徒町~上野、立川などが挙げられるが、中央線沿線にそうした傾向が特に強い。
 
 元来何を入れてもよく、ダラダラと時間を気にせず、自由につくってよい「カレーライス」はサプカルな香りのするメニューのナンバーワン。

 おそらく「中央線から醸し出されるサプカル的ムード」がカレー好きを引き寄せるのだろう。私の料理教室の生徒にも、中央線在住、あるいは中央線の街歩きが大好きといった人たちが多い。

 そんなカレー好き、中央線好きなら絶対に持っていたいムックが発売された。雑誌ダンチュウdancyuのムックで、その名も『中央線とdancyu 中央線はおいしい!』。

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 さすがの情報力で、これでもかと中央線沿線の美味な店が、おいしそうな写真とともに網羅され、紹介されている。
 
 カレーファンなら「中央線あるある カレーの名店が多すぎる件。」というコーナーが見逃せない。

 わが西荻窪は、私の友人でもあるラヒームさんがオーナーシェフの「ラヒ・パンジャービー・キッチン」が登場。ほかにも「新宿中村屋」「インデアンカレー(大阪の名店の唯一の東京店)」「インド富士」など、一味違うこだわりの店が各駅ごとに登場する。

 中でも立川「レインボウスパイス」が出ているのが、個人的にもうれしい。私の料理教室の生徒でもあり、今も私が定期的に足を運び、新メニュー開発の手伝いなどしている店の1つなのだ。

 ちなみに表紙の右下に切り抜かれたダブルカレーの写真、これは「レインボウスパイス」のもの。表紙に載るのはこの上ない栄誉だが、同時にそのカラフルな色使いのカレーが、かつて私が店で出していたカレーセットのヴィジュアルとよく似ており、少し驚いた。

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」は登場していないが、私は、さるインドレストランの紹介記事を書いた。ライターとしての登場だが、どの店かは本を見てのお楽しみ。

 カレー以外のメニューも皆ウマそうだが、やはりカレーが素晴らしい。カレーファン必携だ。

★ちなみに、カレーライスや中央線に絡んだ日本の名曲といえば、これらをすぐに思いだす
https://www.youtube.com/watch?v=8roWSSLSG3M7
https://www.youtube.com/watch?v=vB-XmqozDWI
https://www.youtube.com/watch?v=E8DgYD8enPw
https://www.youtube.com/watch?v=nwcGuHEBz_k

《このブログを書いているときのBGM》
KING CRIMSON『RED』(1974)
 ファーストとこのアルバム、そして『太陽と戦慄』が好きだ。
https://www.youtube.com/watch?v=L_zmD-14XIE

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http://yummysdish.exblog.jp/

3月17日

「北インド食べ歩き現地調査」のアムリットサル編もこの食事が最後。パンジャーブ流ノンベジ料理の名店「クリスタル」レストランでランチ。前回レポートは定番メニューだったが、今度はこの店ならではのメニューを紹介しよう。

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 マトンのブレイン・カレー。白子のような食感で、日本の店でたまに見かける冷凍原材料使用の不本意なモノとは雲泥の仕上がり。私は、イスラーム式ヨーグルトベースのマサラが好みだが、トマトベースのパンジャーブ流も捨てがたい。

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 13年のツアーで訪れたときもウマいと思ったが、今回もイケた「フィッシュ・カレー」。写真ではトマトっぽく見えるが、実物はそれほどでない。むしろしっかり茶色に炒めたタマネギが風味の根幹か。海のないインド内陸部だけにナマズ系川魚だが、クセは気にならなかった。

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「チキン・パティアラ」。パンジャーブ流チキンカレーの典型の1つだが、ふつうはすりつぶしたポピー・シードやアーモンドなどナッツのペーストが入り、もっとヘビー。それが、この店ではトマトタップリのソースでチキンを煮込んでいる。これはこれで「あり」だろう。

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 この店の名物の1つ、「チキン・タワ・フロンティア」。タワとは分厚くフラットな鉄板のこと。お好み焼きのコテを大きくしたようなモノを両手に持ち、叩くようにして刻み、混ぜ、煮詰めてつくる「チキン・マサラ」の一種で、パキスタンのパンジャーブ料理的でもある。インドで「シズラー」と呼ばれるステーキやハンバーグ用の鉄板プレートにのってくるのも、インドのカレーとしては珍しい。濃厚なマサラの味わいとチキンの食感がバツグンだった。

 パンジャーブ探訪の締めにふさわしい、安定感溢れる出来映えの数々。得るところも多く、よかったと思う。

《このブログを書いているときのBGM》
BRYAN FERRY『IN YOUR MIND』(1977)
 この時期活発にリリースしていたソロアルバムはどれもカッコいい。
https://www.youtube.com/watch?v=bnr5eCEoXro
 いきなり出てくる、私の好きなクリス・スペディングのルーズなスライドだけでもキマリ。

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3月17日

 北インド料理を語るとき欠かせない「パンジャーブ料理」は、北西インドとパキスタンにまたがるパンジャーブ地方の味わいをルーツにしている。

 その特徴は
①ギーやそのほかのオイルをたっぷり使い、タマネギをよく炒める。
②タマネギはスライスやみじん切りのほか、すりおろして炒める。
③コリアンダー・パウダーをあまり使用しない。ベースになるスパイスはターメリック、カイエン・ペパー、ガラム・マサラ、クミン・シードかクミン・パウダー。
④グレービーの基本はトマトベース。
⑤青唐辛子を刻んで、カレーの辛味調整によく使う。
 といったところか。

 そんな、パンジャーブ地方の味わいを明快に理解できるレストランの1つが、アムリットサルの「クリスタル」。2013年、私の主宰する「インド食べ歩きツアー2013」でも訪れたが、今回の現地視察にも、しっかり17日のランチに組み込んだ。

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 ご存じ「バターチキン」。トマトの酸味の効いた、私の好きなスタイル。

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「アールー・ゴービー」。ジャガイモとカリフラワーのスパイス炒め。味つけのうまさと素材の味わいの濃さ、いずれもバツグンで唸った。

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「パラク・パニール」。ホウレンソウとパニール(インドのカッテージチーズ)のスパイス煮込み。ホウレンソウとパニールの香りと味わい、スパイス使い、どれもウマい。

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 パンジャーブ式チキンカレー。トマトベースでコリアンダーパウダーは少し、あるいは無しでオーケー。飽きのこないおいしさ。

 これらはいわば「定番の味」。次回は、同店の誇る、より個性的なカレーを紹介しよう。

《このブログを書いているときのBGM》
RY COODER『INTO THE PURPLE VALLEY』(1972)
 セカンドアルバム。初期の傑作。
https://www.youtube.com/watch?v=x4KmbUCwkyE
 バンド時代、コピーした。オープンG系のスライド。

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3月17日

 北西インド、パンジャーブ州のグルメ都市、アムリットサルにある最高級ホテル「ハイアット」で、ブッフェスタイルの朝食。

 まずは南インド料理のセクションからチョイス。
 定番の野菜入り豆カレー「サンバル」がイマイチ。単に野菜を入れたダールカレーに近く、そのわりにトマトの風味が前に出すぎ。

 米とウラド・ダールの発酵生地でつくる蒸しパン「イドゥリ」、セモリナのパスタでつくるスパイシーな炒め蒸し「セミヤン・ウプマ」は、どうってことのない味。

 ココナッツとトマトのチャツネ、これらもまた平凡な出来映え。

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 全体として、あまり南インド料理に精通していない人がつくった南インド料理という印象。とにかく、一番大事なサンバルがイケていないのが最大の欠点。

 で、次に北インド料理にトライ。

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 パンジャーブならではのヒヨコ豆カレー「チャナ・マサラ」(現地やデリーでは、よく「チョレ」とも呼ばれる)と、全粒粉の薄焼き揚げパン、プーリ。
 ヒヨコ豆はかなり軟らかめに煮てあり(日本でお目にかかったことがないくらい)、グレービー(カレーソース)の量もたっぷり。トマトは少なめで、アムチュールパウダー(未熟の乾燥マンゴーを粉末にしたもの)かチャット・マサラで酸味を出している感じ。
 プーリは、朝から食べるといきなり胃がもたれそう、とも考えたが、実際にヒヨコ豆カレーと合わせて食べると、止まらない。あっという間に2枚無くなった。もっと食べたい気がしたが、この後のことも考え、自重した。

 何だかんだいっても、やはり地元メニューの方がウマいし、ノビノビつくった感じもヒシヒシ。

 逆に、街なかのレストランでも、一流ホテルでも、北で食べる南インド料理、南で味わう北インド料理には、それほど期待しない方がイイと思う。たいてい、どこかぎこちなかったり、今朝のサンバルのように、明らかに本場より劣るケースが目につく。

 本日はアムリットサルの締めとして、13年の「インド食べ歩きツアー」でも参加の皆さんに好評だった「CRYSTAL RESTAURANT」で、ノンベジのパンジャーブ料理に舌鼓を打つ予定。

《このブログを書いているときのBGM》
DEEP PURPLE『COME TASTE THE BAND』(1975)
 ファンキーで粘っこいオリジナル・パープルの最終作品。トミー・ボーリンがイイ。
https://www.youtube.com/watch?v=F0F5_fKBTHU
 KEVIN SHIRLEYのリミックスバージョン。オリジナルより好きだ。

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3月22日

 インドにいる間、できなかったクッキングスタジオ「サザンスパイス」の4月スケジュール更新。ようやく実施できた。

★クッキングスタジオ「サザンスパイス」4月のスケジュールはコチラ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~masala/southern%20spice%20cooking%20class%20april%202015.html

 例によって、おすすめを少し紹介しよう。

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「タケノコのトマトココナッツカレー」のイメージ写真。ここでは生クリームが入っているが、実際はココナッツ・ミルク。1日と10日にレッスンあり。

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「レストランタイプのチキンカレー」。トマトやヨーグルトの酸味とカシューナッツのペーストによるコクのバランスが絶妙。17日。

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 そもそも「ゴア・ソーセージ」とはこんな感じのモノ。そのままではかなり辛いので、食べやすい辛さに調整したレシピでハンバーグに応用する。26日の「スパイシーカフェ開業指南講座」。

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 南インドの「チキン・チリ・フライ」。タカノツメがたくさん入るわりに辛くないのは「四川風鶏と赤トウガラシの炒め」などに通ずる。29日の「スパイシーカフェ開業指南講座」。

 ほかにも楽しくおいしいレッスンが目白押し。皆さんのおいでをお待ちしている。

《このブログを書いているときのBGM》
DAVE MASON『DAVE MASON』(1974)
 70年代のデイヴ・メイソンはすべていい。
https://www.youtube.com/watch?v=01Bd2W2XAo0
 やっぱりこの曲。ジミ・ヘンドリクス師のレコーディングに参加していたデイブだからこその名カバー。

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