カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2015年02月

1月1日

 2年前にきたときも気になっていたのだが、ベトナムにも、当然のように「インド人が経営するインドレストラン」が存在する。この地のインド料理事情はどのような感じなのだろう。

 せっかくなので、ランチの後、1人でホテル近くにあるインドレストラン「ババズ・キッチンBABA'S KITCHEN」に行ってみた。

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 看板に「ハラル」と「ベジタリアン」両方オーケーとあるように、メニューも予想以上に幅広く、パンジャーブやムガル宮廷料理など北インドと、ドーサやイドゥリなどの南インド料理が違和感なく共存していた。

 スタッフは皆インド人と思われる。それも南ぽい顔の人が多い。

 私は「ペーパー・マサラ・ドーサ」をオーダー。鉄板の温度管理が難しいドーサをあえて頼み、店の力を測ってみた。

 案の定、料理がなかなかこない。
 私はビールを飲みながら、まわりのテーブルをさり気なくチェック。タンドゥールや北インドのカレーを食べている客が多い。客層はほぼすべて観光客、それも欧米人ばかり。
 
 30分以上かかってドーサが登場。

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 ドーサはいわゆる「コーン形」のディスプレイ。ただし、これはジャガイモのスパイス炒めを入れた「マサラ・ドーサ」ではあまり採用しないはず。

 付け合せに、まずは「サンバル」。いわずと知れた南インドを代表するベジタリアンの野菜入り豆カレーだ。

 具の野菜がオクラ、ニンジン、ナス、インゲンとバラエティ豊か。具の多いサンバルは、欧米からの宿泊客の多いインド一流ホテルの朝食ブッフェでも常套パターン。欧米人を意識しているのは、明らかといえる。

 サンバルの豆はトゥール・ダールではなく、ムング・ダール。味は、昔、私が修業していた頃の「アジャンタAJANTA」のサンバルに似ている。なかなか美味だ。 

 チャトニは2種類。ココナッツとトマト。カラフルな色合いがイイ。南インドらしく、マスタード・シードとタカノツメのテンパリング(「テンパリング」については拙著『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)や『カレーな薬膳』(晶文社)にくわしい)。

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 上から見るとこんな感じ。

 メニュー構成や出てきた料理のディテールから、私には、全体的に「本気を出していない」感じがした。観光客相手なら十分のクオリティだが、それに安住しないでほしい。本当はもっと細部にこだわって、本場のおいしさに迫れたはず。

 
 外地のインド料理店経営とすれば、こういう店のあり様はたいへんクレバーでスマートといえる。しかし、やっぱり私はものたりなかった。外地で食べる本場の味が好きだ。

《このブログを書いているときのBGM》
UPP WITH JEFF BECK『UPP』(1975)
 イギリスのジャズ・フュージョン系バンドのデビュー盤にシェフ・ベックがゲスト参加。
https://www.youtube.com/watch?v=NzDqqxKnW3o
『BLOW BY BLOW』の世界ですね。

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1月1日

 元旦のベトナム、ホーチミン(サイゴン)市はインドの大都市同様、あまり新年ぽさは感じられなかった。

 ホテルやレストランでも、クリスマスのディスプレイさえまだ出しっぱなしのところが多く、そこにHAPPY NEW YEARのサインボードなどが重なり、混沌の度合いを深めていた。

 われわれはベトナム料理の達人にして、現地の食事情にもめっぽう強い伊藤忍さんのリードのもと、ベトナム式バゲットサンド「バインミー」の名店を、元旦のランチにハシゴ。

 われわれの泊まるホテルから程近いエリアに、そんな名店が集まっているのだそうだ。知らなかった。

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 そんな店の1つの店頭。長澤恵(左)、伊藤忍(右)、ふたりとも店の熱気にやや押され気味?

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 後ろ向きで何をしているかといえば、炭火でフランスパンを温めているところ。

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 これまた常にホカホカに温められているという「レバーのパテ」。風味は濃厚、嫌なクセは皆無。つまりはウマい。

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 断面からしておいしそう。

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 別の名店のバインミー。具材の内容、タレというかソース的なものの存在感など、いろいろ違う。どちらの店も美味だった。

 ベトナムのバインミー、やはり本場は一味もふた味も違った。

《このブログを書いているときのBGM》
GEORGE HARRISON『ALL THINGS MUST PASS』(1970)
25日が誕生日、おめでとうございます!
https://www.youtube.com/watch?v=3XFfUt7HQWM
 名曲。

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2月某日

 東京・西荻窪にあるクッキングスタジオ「サザンスパイス」3月のスケジュールは、以下からご覧いただきたい。


 インドに行く都合で1週間ほどブランクがあるのも、ご了解いただきたい。

 おすすめのレッスンを少しご紹介しよう。

1日(日) 南インド料理を代表するマトンカレー、「マトン・ペッパー・フライ」をメインに。
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 東京八重洲「ダクシン」のマトン・フライ。

4日(水) おなじみ「バター・チキン」。
7日(土) ケララのフィッシュカレー「ミーン・モイリー」など。
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ケララ州コーチンの老舗「グランドホテル」の「ミーン・モイリー」。

8日(日) 「ローガンジョッシュ」ほか。
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首都デリーの「PARK BALLUCHI」にて。


ほかにもいろいろ。皆さんのおいでをお待ちしている。

《このブログを書いているときのBGM》
TRAFFIC『TRAFFIC』(1968)
 セカンド。デビュー盤ではシタールがバリバリ聞こえていたが、本作では皆無。飽きたか?
https://www.youtube.com/watch?v=y8-EFlkVTok

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2015年1月1日

 ヤミーズディッシュのベトナム研修旅行、元旦の朝、われわれ3人の料理家は南部メコンデルタの街、ソクチャンにいた。

 前にも書いたが、ソクチャンはベトナムでは珍しい「カレーライスの街」なのである。

・フランス統治下、フランスとのビジネスでこの地にやってきたインド人が現地女性と結婚、インド式カレーのレシピを伝えたことがルーツになり、独自のカレーが発達した(新宿中村屋さんのカレー誕生にも似たストーリー)。
・ベトナムには、ソクチャン風カレーとは別に「ベトナムカレー」というべきカレーが存在する。
・「ベトナムカレー」の場合、なぜかご飯ではなく、ベトナム式フランスパン、または「ブン」と呼ばれる、ベトナムではフォー以上にポピュラーな麺でカレーを食べる。
・ところが、ソクチャンでは「カレーライス」が基本。それも朝から食べる。
・地元のグルメでもある新聞社の方にきいたところ、「ソクチャンのカレーは、通常のベトナムカレーのようにカレー粉は使わず、スパイスを組み合わせてつくる」そう。

 そんなソクチャン式カレーライスを前日の朝、堪能させていただいた。インドでもなく、いつものベトナムカレーでもないオリジナルなカレーは美味だったので、当然、がんたんの朝も同じカレーライスを楽しもうと店に行ったら、何と、タッチの差で売り切れ。

★前日の「ソクチャン流カレーライス」のレポはこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/68254887.html

 朝6時半から営業開始で、8時過ぎに行ったのだが、いやはやスゴイ人気だ。

 ともあれ、カレーライスが大人気なのは、私もうれしいこと。気分を改め、別の店に行き、「スペアリブのせご飯」を代わりに食べた。

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 ハーブぽい野菜つきなのが、いかにも本場のベトナム料理。炭火焼きのスペアリブは、朝からビールが欲しくなる味だった。

 その後、ベトナム式特殊なシートの長距離バスに乗り、ホーチミン(サイゴン)に戻った。
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 バスの車内。席は前後3列で縦2階式。リクライング式で一見快適そうだが、荷物置き場がなく狭い。トイレもない場合が多々あり、休憩スケジュールがわからず、がまんがまん。
 あと怖いのは、やたらベトナム人はバスに酔うこと。しかも、酔うくせに車内でいろいろ食べる。前回のベトナム研修では、吐いた直後にまた食べてさらに吐くを繰り返す女性が隣にいて、辟易した。

 ホーチミン(サイゴン)での元旦の食事は次回また。

《このブログを書いているときのBGM》
BAD COMPANY『RUN WITH THE PACK』(1976)
 絶好調な名盤。
https://www.youtube.com/watch?v=ShlIDGPVQzs
 ナイスなカバー。コースターズ、57年のヒット。

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9月21日

 エア・インディア、デリーからの帰国便の機内食。ベジタリアンをオーダー。

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 メインの右はパニール(インドのカッテージチーズ)をクリーミーなグレービー(カレーソース)で煮込んだ「シャヒ・パニール」。インドのベジタリアンは乳製品オーケーなのだ。
 真ん中のご飯はバスマティ・ライス。
 左にニンジンと生グリーンピースの炒め煮込み、「ガジャル・マタル」。

 奥の方には、サラダ、お米とナッツ、レーズンなどのミルク煮込み「キール」。

 これで2014年の「インドツアー マハーラシュトラ~ゴア編」も終了。
2015年は、どこに行こうか?

《このブログを書いているときのBGM》
KING CRIMSON『RED』(1974)
 どこかエスニックな香りがするサウンドの傑作
https://www.youtube.com/watch?v=L_zmD-14XIE

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