12月3日
「インドツアー2011」最終日。デリーにある超有名店にして老舗の1つ「カリムホテル」での遅めのランチのご紹介を続けましょう。
この店は、ムガル帝国の宮廷料理人の末裔が開いたとのこと。日本にもある、いわゆる「ムガル宮廷料理」の神髄とは何なのかを考える上でも格好の名店です。
この店ならではの「ムガル料理(ムグライ料理、モグライ料理などともいわれます)」式カレーベースでは、基本的に
・フライドオニオン→大量のタマネギをスライスし、天ぷら鍋のような大鍋で茶色でサクサクになるまで揚げたもの
・ヨーグルト
の2つがメインの食材になります。
要するに、コロンブス以降インドに入ってきたトマトは不要なのです(バターチキンやチキンカラヒのような非ムガル料理にはトマトを使います)。
・フライドオニオン→大量のタマネギをスライスし、天ぷら鍋のような大鍋で茶色でサクサクになるまで揚げたもの
・ヨーグルト
の2つがメインの食材になります。
要するに、コロンブス以降インドに入ってきたトマトは不要なのです(バターチキンやチキンカラヒのような非ムガル料理にはトマトを使います)。
そんなこの店の名物メニューの1つが「コルマ」。フライドオニオンとヨーグルトのカレーにすりつぶしたポピー・シード(ケシの実)や同じくアーモンドのペーストが入ったものです。当然オーダーしました。

上に浮いた大量の油にひるまないようにしてカレーソースをすくい取りフワフワのナーンで味わえば、至福のおいしさです(この油にもいい風味がしっかりついています。ナーンでちょっと吸わせて食べても、良質のオリーブオイルのように美味)。マトンは当然骨付き。とにかくうまみの出たグレービーがバツグンでした。

マトンでもう一品。スネなどを長時間煮込んだ「ナハリ」です。上にのっているのは青唐辛子とショウガ。本来デリーのイスラームは、一晩中煮込んだナハリを朝食に食べるのだとか。パワーフードですね。深いスパイスの風味とフライドオニオンの香ばしさが相まって美味でした。

マトンのシーク・カバーブもこの店の名物の一つ。タマネギなど余計なものは入れず、マトンとスパイスをメインに、後はショウガとニンニクのすりおろしや香菜ぐらいだけで、うまみたっぷりに焼き上げます。焼くのもタンドゥールではなく、シクリと呼ばれる焼き鳥や鰻の炭火焼き台のようなもので。これが本当のイスラーム料理です。

カバーブの付け合せに欠かせないタマネギのスライス。ライムのようなレモンをギュッと絞ったのは私。これもマストです。

デザートのフィルニ。米をすりつぶしてミルク煮にしたライスプディングです(イギリスのライスプディングはこうしたインドのスイーツがルーツともいわれています)。トッピングはピスタチオ。意外にもそれほど甘くなく、上品な味わいでした。
ツアー参加者の皆さん、かなりディープな店構えに最初びっくりしていたようですが、これまで口にしたものとは明らかに傾向の異なる料理の数々にかなり満足なさったようでした。ほとんど完食。
私も、わざわざ皆さんをお連れした甲斐がありました。いつ訪れてもハズレることがない、数少ない店の1つです。もともとここで働いていた私の師匠にも感謝。
《このブログを書いているときのBGM》
LED ZEPPELIN『PHYSICAL GRAFFITI』(1975)
寄せ集めテイク集だともいわれていますが、完全に一つの世界が完成しています。実はインドっぽくない中近東サウンドの「カシミール」(歌詞はかの地を謳ったもの?)他、いい曲多数ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tjtWrWeYARE
LED ZEPPELIN『PHYSICAL GRAFFITI』(1975)
寄せ集めテイク集だともいわれていますが、完全に一つの世界が完成しています。実はインドっぽくない中近東サウンドの「カシミール」(歌詞はかの地を謳ったもの?)他、いい曲多数ですね。
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