カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2010年11月

11月21日 コーチンにて

 南インド、ケララ州コーチンでの『南インド・スパイスツアー』、カジノホテルの朝食ブッフェからスタートです。

 南インド料理、北インド料理、コンチネンタルと呼ばれる西洋料理のミックスですが、思いのほか、インド料理が少ない感じがしました。

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 1回戦。右にイドゥリ(米粉とウラド・ダール粉のサワー蒸しパン)、左にウタパム(厚めのフンワリドーサ)、下に右からトマト・チャトニとコリアンダー・チャトニ。上はドラムスティックなどの入った野菜入り豆カレー、サンバル。

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 2回戦。右上はケララ名物の一つ、シチュー(チキン入り)。ブラック・ペパーの粒、カレー・リーフ、レモン・グラスの入ったクリームシチュー仕立てです。左は北インド料理のプーリ・バジ。全粒粉の揚げパンとジャガイモをメインにした野菜の炒め煮バジの組み合わせ。バジのグリーンピースがおいしかったです。

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 カジノの客室(すいません。寝起き状態のショットです)。豪華です。

 おいしいですが、あまりインパクトはありません。ソフトなスタートです。

《このブログを書いているときのBGM》
リトル・フィート『アメイジング!』(1974年)
 4枚目。原題は『FEATS DON'T FAIL ME NOW』。たしか当時の「ミュージックライフ」誌のレビューで★3つ半だったような気がします。中学生の私はまったく腑に落ちない気分でした。
http://www.youtube.com/watch?v=fEOlTZGuLKM&feature=related 

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→12月のスケジュールも決まりました。

11月28日(日)

 本日午前8時成田着予定のデリーからのフライト、見事に2時間近く遅れて到着しました。

 着陸前2時間程はドアーズのベストをずっと機内ヘッドフォンで聞いていましたが、ジム・モリソンの声をバックに着陸、いい感じでしたね。

 他に飛行機の中では、菊地成孔さんの『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』(小学館文庫)をずっと読んでいました。これまた、いい感じでした。 

 いい感じといえば、『南インド・スパイスツアー2010』もまたバツグンでしたよ。

 今回は「南インド料理の王道であるタミルナドゥ料理と個性派ケララ料理を同時に味わう」のが、基本コンセプトでしたが、短い期間の中、ある程度充実した料理体験を実現できたと自負しています。

 特に、一般の日本人があまり接することのない家庭料理の調理工程をライヴ感たっぷりにお届けできたのは、私自身もうれしかったですね。

 レストランやホテルのメニューもハズレなしだったと思います。

 本当はもっとたくさんの内容をご用意していたのですが、そこはインド、思う通りには進みませんでした。まあ、次回以降のお楽しみというところでしょうか。

 デリーやチェンナイの国際空港がずいぶんとモダンになっていたのには驚きました。デリーの新ターミナルなんてトイレもきれいだし、ディテールの詰めの甘さに目をつぶれば、もう成田を上回っているという感じがするほどでした。

 1週間強、日本を離れただけですが、随分と年末ムードが強くなった感じがします。私も明日から年末モードで頑張りますよ。

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 チェンナイからデリーへのフライトの機内食。
 まず、手焼きのパラーター(全粒粉の薄焼きパン。チャパティと異なり、層を重ねて焼き上げます)がついているのが、いかにも本場式でうれしいものです(以前はプーリやナーンがついた機内食もありましたよ)。
 カレーはシャヒ・パニール(カッテージチーズのカシューナッツと生クリームグレービー煮込み。ミントなどもすりつぶされてクリームグリーンのグレービーソース)とジャガイモ、ニンジン、インゲンなど野菜のトマトカレー(というよりサブジという感じ)。
 他にバスマティ・ライスのプラオ(スパイス炊き込みご飯。カシューナッツやレーズン入り)、ニンジンとキュウリのカチュンバル(野菜サラダ)、黒マッペ豆の黒砂糖スイーツなど。
 全体としてかなりイケました、さすがエア・インディアです。

《このブログを書いているときのBGM》
SANTANA『Ⅲ』
 デリーのホテルでMTVを観ていたら、最近のサンタナおじさんが出ていたので、全盛期の作品が聴きたくなりました。
 私にはこのアルバムから『キャラバンサライ』『ロータスの伝説(横尾忠則さんのインドジャケもスゴかったですね)』あたりがサンタナのピークです。この作品、サンタナのリードボーカルの曲がありますが、けっこういい味の唄、歌うんです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ceh_L8O-AzI&feature=related
 ニール・ショーン在籍時のライヴ。オールマン的なツインリードもイイですよ。

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11月26日(金)

 明日は移動日のため、実質的に今日が『南インド・スパイスツアー』の最終日。当然ながら、盛りだくさんです。

 いつも通り、ティファンの朝食の後、チェンナイ市内の家庭で料理レッスン。前回はティファンやチャトニ、サンバルを習いましたが、今回はメインアイテム中心。前回の素晴らしさにノックアウトされた参加者の皆さん、思わず気合が入っています。

《本日のメニュー》
・タミル風フィッシュカレー…タマリンドと生の未熟マンゴーによる酸味の相乗効果が決め手。高級なマナガツオを使いました。

・骨つきチキンカレー…オーソドクスなトマトベースで、汁気の少ないマサラタイプ。一見何てことのないレシピですが、できあがりの奥深い味わいに唸りました。

・マトンビリヤニ…マトンカレーはトマトベース(北インドのイスラーム式はヨーグルトがベース)、ご飯も北インドのイスラームのように別ゆでせず、洗ってからカレーに加え、生から炊いていきます。非イスラーム式ビリヤニのスタンダードなレシピ。味も格別でした。

・ラッサム…これは個人的にも勉強になるレシピ。帰国したら試してみたい、そんな逸品でした。

・フィッシュフライ…ぜいたくにもマナガツオをスパイス焼きに。シンプルですが、滋味深い味わい。

 南インド家庭料理の真髄ともいえる、あっさりとしてメリハリのある味わいの数々に参加者全員、「おいしいっ!」の連続でした。

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 ご飯にかかっているのが、魚のカレー(大根みたいなのは、生の酸っぱいマンゴー)。他にチキンカレー、フィッシュフライ、バツグンなラッサムが紙コップなのも、何だかいいですよ。

 夜はディナーのフィナーレ。一流ホテルの一つ、「アコード・メトロポリタン」がケララ料理フェスティバルだったので、ここぞとばかりに乗り込みました。
 ブッフェスタイルになった料理は、前菜、メインのカレーとも、それぞれが15種類以上。壮観のボリュームと内容に参加者全員うれしい悲鳴でした。

 こうして『南インド・スパイスツアー2010』もほぼ終了。
 料理レッスンとおいしい料理の組み合わせを堪能していただけたとしたら、うれしいものです。

 実は今ツアーの最中、早くも次回ツアーの企画案が浮上しました。
 南インド料理の個性派都市ハイデラバードと、ムガル宮廷料理の真髄を味わえるラクナウの組み合わせです。実現すれば、本邦初の素晴らしくぜいたくなツアーになりますね。

 来年で「この月なら行けそう」というリクエストがあれば、ぜひ教えてください。参考とさせていただきます。

《このブログを書いているときのBGM》
RCサクセション『BLUE』(1981)
 前作『PLEASE』の軽やかなグルーヴから一転、ヘビーで硬質な音創りが印象的なアルバム。「多摩蘭坂」が泣けます。

http://www.youtube.com/watch?v=DqX1Bc7m1Cw
 81年の武道館。この頃のRCは無敵でしたね。よくコンサートに行きました。

http://www.youtube.com/watch?v=QsTNx0tVIFs&feature=related
 これも81年。スゴいテイク、元気が出ます。

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11月25日(木)

 この日は料理レッスンよりも、とにかく食べて楽しもうという1日。

 朝は滞在しているホテルのブッフェで、イドゥリ(米と豆粉を発酵させたサワー蒸しパン)、ポンガル(米と挽き割り緑豆の硬いお粥)、ラバ・ウプマ(セモリナ粉のそばがき風炒め蒸し)、イディヤパン(蒸しピーフン)といった南インドならではのティファン(軽食)類をサンバル、チャトニ、クルマ(野菜の南インド風マイルドカレー)などとともに満喫しました。

 参加者皆さんのおみやげショッピングを少しした後、インド全国のベジタリアンメニューが食べられる高級な名店「アンナラクシュミANNALAKSMI」の新装店舗でランチミールスのコース。スープやスイーツもついて満足の出来映えでした。

 夜は市内の繁華街Tナガルにある「GRTグランド」ホテルのタンドゥールつきレストランで、南北インドの多彩な共演メニューによる宴の開催。

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 エビの南インド風スパイス揚げ。右は野菜だけのシーク・カバーブ。他には絹挽き肉のシカンプリーカバーブ、小粒新ジャガをタンドゥールでローストしたものなど。目移りしますね。

 たまには北インドのタンドゥール料理もいいものです。やはり、大いに食べました。

《このブログを書いているときのBGM》
「スラムドッグ・ミリオネア」等でグラミー受賞のインド人音楽家ARラフマーンの3枚組CD
 単なるインドポップスではないサムシングのある音楽です。

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11月24日(水)

 早朝5時前にホテルを出発し、コーチンから空路南インド最大の都市チェンナイへ(私には旧名であるマドラスの方がなじみます)。

 1時間ちょっとで到着。早いですね。

 昼は5つ星ホテル「パーク・シェラトン」のレストランでブッフェ。南北取り混ぜたインド料理の数々が参加者に好評でした。

 夕方、市内に住む方に家庭料理を講習していただきました。
《本日の講習メニュー》
・ムルク 米粉やウラド・ダールで作るうずまきスナック
・ソマース サモサのようだが中味が甘いカレーパフ
・サンバル 南インドを代表する野菜入り豆カレー。目からうろこの新レシピでした
・ココナッツチャトニ
・オニオンチャトニ
・ワダ
・マサラワダ
・イドゥリ
・ドーサ
・エッグドーサ 溶き卵で仕上げたドーサ
・アッパム
・ウタパム
・オニオンウタパム
・マサラウタパム

 うーんと唸るボリュームと内容。試食も含め、参加者全員大満足大満腹の講習でした。

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 エッグドーサ、ウタパム、ドーサなど。いかにも家庭料理的なふんわりとソフトなドーサにはカリッと仕上げるお店のドーサとは異なる魅力に満ちていました。

 明日も盛りだくさんですよ。

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