カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2010年10月

10月某日

 全粒粉の薄焼きパン「パラーター」に合わせておいしいカレーの一つが、南インドの「クルマkurma」です。

 北インドやイギリスのカレーに「コルマkorma」というのがありますが、それらの南インド化したものがクルマだといわれています。

 コルマはマイルドなカレー。例えばチキンカレーにポピーシードやカシューナッツ、アーモンドを水やヨーグルト、生クリームといっしょにすりつぶしたものを入れれば「チキン・コルマ」のできあがりです。

 それに対して、南インドのクルマではポピーシードやカシューナッツの他、ココナッツ・ミルクやココナッツの果肉も使って、マイルドな風味を演出します。また、スターターのスパイスにはフェンネルを使い、赤唐辛子粉は使うな、とインド人師匠から習いました。

 そうして作ったのが、こんな「ベジタブル・クルマ」。南インドでは野菜のクルマが有名なのです。
イメージ 1
 ジャガイモ、ニンジン、インゲン、グリーンピース、そしてサツマイモを入れました。白っぽいのはターメリックを使わず、ポピーシードやカシューナッツ、ココナッツ・ミルク、ココナッツ・ファインのペーストをたっぷり入れたからです。

イメージ 2
 パラーターと合わせれば「クルマ・パラーター」と呼ばれる、現地で有名なセットメニューになります。

 マイルドなクルマ、南インドでもケララだとアッパム(変形ドーサ)やイディアパン(蒸しピーフン風)と呼ばれる主食と合わせます。もちろんご飯とも相性よしです。

 南インドを代表するカレーの一つ、来月の南インドツアーでも満喫する予定です。お楽しみに。

《このブログを書いているときのBGM》
鈴木茂『バンドワゴン』(1975年)
 リトル・フィート、サンタナ、タワー・オブ・パワー、スライ&ファミリーストーンのメンバーをバックに従え、カッティングは名エンジニアのバーニー・グランドマン。それらを抜きにしても、素晴らしい出来映えです。
http://www.youtube.com/watch?v=5OCzVV2EyQc&p=9560AEC3075D659A&playnext=1&index=8

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!

10月某日

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」の講習で、全粒粉で作るインドの薄焼き重層パン「パラーター」をレッスンしました。

 チャパティと同じ全粒粉生地を薄く延ばしてギーを塗り、折り目をつけて渦巻状に巻き上げてから、さらに丸く薄く延ばして、鉄板でギーをかけながら焼きます。

イメージ 1
 できあがりはこんな感じ。写真だとわかりにくいのですが、クロワッサンのような薄い層ができています。

 ギーをたっぷり塗り込むので、さめてからもチャパティのように硬くなりません。作り置きができ、弁当などにも便利です。

 これと似た名前のパンに「パローターparotha」というのがありますが、そちらは精白した小麦粉を使う別のもの。お間違えないようにしてください。

 パラーターには、比較的力のある味わいの強いカレーやマサラが合うとされます。今回は野菜のココナッツとポピーシード煮込みも作りました。

《このブログを書いているときのBGM》
JEFF BECK GROUP『TRUTH』(1968年)
 いわゆる第一期ジェフ・ベック・グループのデビュー作。縦横無尽のギターにロッド・スチュアートのボーカルは当然ながら最高の組み合わせ。さらに、ロン・ウッドのベースがこれまたバツグンのドライヴィング感で好きでした。
http://www.youtube.com/watch?v=5SwoVHhidxk

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!

10月30日(土)19時30分~21時30分

 私の料理を楽しんでいただくイベント「秋の夜長のカレーNIGHT」を恵比寿「47kitchen」で行います。

 お出しするメニューは以下のような予定です。

【南インド料理の部】
・ホウレンソウ入りダールカレー…これからの季節おいしくなるホウレンソウを入れて煮込んだ緑豆挽き割り豆のカレー

・ナスと北海道産小タマネギのサンバル…サンバルは南インドを代表する野菜入り豆カレー。今回は南インドの「サンバル・オニオン」によく似た北海道のペコロスをフィーチュアします

・南インド風ココナッツ風味の野菜カレー…ココナッツの甘味とタマリンドの酸味のコントラストが絶妙です

・キノコのスパイス炒め…季節のキノコをスパイス類とバターで炒め、ガラム・マサラで仕上げます

・南インドのベジタブル・ライタ…野菜とヨーグルトのサラダ仕立て。仕上げの香り油(テンパリング)が味の決め手

・ココナッツチャトニ…ココナッツ、青唐辛子、香菜などをすりつぶして作る南インドの香り豊かなソース。ご飯に混ぜても美味です

・野菜のバジ…南インド風野菜のフリッター。チャトニとごいっしょに

・マサラチャイ…ジンジャーとカルダモンを効かせます

【こだわりご当地食材のフィーチュアメニュー~旬のとれたて野菜を使って】
・たっぷり野菜カレー…私がメニュー監修し、この冬オープンするカレーショップで出す予定。純インド料理ではない、おいしいカレーです

・農園直送野菜の盛り合わせ 特製ディップ仕立て…旬のとれたて野菜を生、素揚げ、フリッターなどさまざまな形態といろいろな味つけで楽しんでいただきます。ココナッツチャトニをつけても美味

・本日の特製スープ…おいしくて体にいい野菜をたっぷり使った滋養あふれるスープ。味つけは当日のお楽しみ

・農園野菜のサラダ…野菜の味わいを楽しめるサラダをご用意します

・デザート…焼きリンゴになる予定

 今回はインド料理以外のメニューもフィーチュア。貴重な機会です。
 お待ちしています。

★お問い合わせ、お申し込みはコチラまで→http://47andparty.net/

イメージ 1


《このブログを書いているときのBGM》
LORDS OF THE NEW CHURCH『KILLER LORDS』(1993年)
ダムドのギター、ブライアン・ジェイムスとデッド・ボーイズのボーカル、故スティーヴ・ベイターが組んだニューウェイヴバンドのオムニバス作品。「ライク・ア・ヴァージン」のカバーが痛快です(12インチシングルも持っています)。
http://www.youtube.com/watch?v=CqtLfawD3zI&feature=related
 トッド・ラングレンがプロデュースした「今日を生きよう」のカバー。これも12インチシングルで持っています。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!

10月某日

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」ほか、私の料理講習で必ず申し上げていることの一つです。

「香菜=コリアンダーの生葉」ですが、私は「シャンツァイ」とか「パクチー」とはいいません。それらは中国やタイのいい方。インド料理の教室で、中国やタイの呼び名を使うのには抵抗感があるのです。
 本当は「ダーニアー(ダニア、ダニヤ)」とか「コッタマリ」というインドでの呼称を使いたいのですが、それだと何だかわかりませんので「コリアンダー」といっています。

 香菜はトッピングだけに使うものではありません。カレーの煮込みや材料の炒め込みの際、刻んだ香菜をいっしょに入れる。そうすると仕上がりが格段にいいのです。本場インドでは日常的に使われるテクニックですが、なぜか日本ではあまり知られていませんね。

 さらに。
 こうした煮込みや炒めに使う際、刻んだ根や茎も捨てずに使うと、さらに風味がよくなります。これも、香菜使いにおいて極めて重要な事柄です。

イメージ 1
 香菜の根や茎、捨てないでくださいね。

イメージ 2
 こんな風に刻んで、煮込みや炒めに入れましょう。すぐに使わないときは、細かく切らずにラップに包み、それをジプロックに入れて冷凍すれば1カ月程度は保存できます。

私の『カレー大全 カレー伝道師の160話』(講談社)などにも、こうしたことは書いてあります。誰も知らないインド料理の豆知識として参考となれば幸いです。

《このブログを書いているときのBGM》
CHRIS SPEDDING『HURT』(1977年)
 大好きな英国ギタリストのニューウェィヴ色濃厚な作品。クリス・トーマスがプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=H4oQHan-uH4&feature=related
 プリテンダーズのクリッシー・ハインドがバックボーカル。カッコイイ曲ですね。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!

10月某日

「東京のインド」のひとつ、高円寺で宮崎地鶏の店に入りました。

イメージ 1
 塩ネギヤッコ。梅ドレッシングで和えた長ネギがたっぷり。イケました。

イメージ 2
 ムネ肉のたたき。さっぱりとしてコクもある鶏でした。

イメージ 3
 刺し身の盛り合わせ。真中は「せせり(首肉)」。

イメージ 4
 地鶏焼き。宮崎地鶏といえばこれという定番メニューですね。鶏の味がのって、美味。

 90年代、こだわり型鶏肉系の食品開発でよく宮崎に行き、宮崎地鶏は食べました。今のように有名になるはるか前の話です。今回の店は、現地を思い出す味。なかなか頑張っている感じでした。

《このブログを書いているときのBGM》
THE TONY WILLIAMS LIFETIME『EMERGENCY!』(1970年)
 ご本人のドラム、マクラフリンがギター、ラリー・ヤングのオルガンということで、アシッドでファンクなソウル・ジャズになっています。ご本人のフニャフニャしたボーカルは?ですが。
http://www.youtube.com/watch?v=Py6qJ641mng&feature=related
 ジャック・ブルースが入った別編成の音源。これもヘビーです。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!

↑このページのトップヘ