カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2008年09月

9月某日

 以前訪れてバツグンにおいしかった恵比寿のイタリア料理「フレーゴリ」を再訪。
http://www.veritacafe.com/gourmet/070207/

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 名物ともいえる馬肉のカルパッチョ盛り合わせ。ヒレ、タテガミ、レバー、タン、ハラミ、バラだったっけ。
 ビールや発泡ワインに会うこと、この上なし。馬肉の概念が覆る逸品だ。
※暗い所でノーフラッシュのため、粒子が粗い。あしからず。

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 フォワグラのバゲットのせ。舌の上でトロけるうまさが最高。

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 ウニのリングイネ。クリーミーでサッパリ。もっとたくさん食べられるぞ。

 ほかにもサバのスモークのポテトサラダのせなどもいただいた。どれもアタリという感じ。酒を飲みながらのイタリアンとしては最高なレストランのひとつといえる。

 凄いのは、料理だけではなくBGMも。ニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』やアル・クーパーの最新盤などがひっきりなし。ここは渋谷のロック喫茶かという感じ。

 また行きたい店のひとつであることに間違いない。

《このブログを書いているときのBGM》
マリーナ・ショウ『Who is this bitch,anyway?』(1974年)。いかにもヴィッチなジャケットとシャレたサウンドのナイスな競演にシビレる。とにかくデヴィッド・T・ウォーカーのギターが最高だ。
 

9月某日

 家の近くにできた、ネパールの人たちがやっているインド料理店でテイクアウト。ネパール料理もあればいいのだが、オーソドクスなインド料理のみのメニュー構成なのが惜しい。

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 エビのマサラらしいが、なぜかイカやアサリの剥き身もドッサリ入ったもの。これはこれでウマい。

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 ナスとジャガイモのカレー。アールー・ベイガンという。ナスは素揚げ。

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 ホウレンソウとジャガイモのカレー。アールー・パラク。ホウレンソウが水っぽくなくて、美味。

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 全粒粉でクロワッサンのような生地に仕上げたパラーター。

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 白身魚をタンドゥールで焼いたフィッシュ・ティッカ。メカジキではなさそうだが、魚種が不明。とりあえずタイのような風味で、脂の乗りもバツグンでジューシー。マリネのマサラもいい味わいだ(スパイス類の他、ヒヨコ豆の粉と卵をミックスしている可能性あり)。

 全体にデリーの中級レストランを思い出させる味わいだが、とにかくフィッシュ・ティッカがうまい。 これとパラーター、あるいはナーンだけで十分食べられる。
 欲をいえば、さらに北インドならではのミントと香菜のチャトニがあれば最高だろう。

《このブログを書いているときのBGM》
ストゥージスのセカンド『ファンハウス』(1970年)。全体にみなぎる異常なテンションに圧倒される名盤だ。

 

9月某日

 ごひいきにしている「荻窪キムチ」で山クラゲのキムチ風和えものを購入。

 山クラゲだが、たまに佃煮みたいのが売られているが、あまりおいしいと思ったことがなかった。
それにそもそも、山クラゲ自体がどのようなものかわからない。当然インド料理にもまったく使わないし。

 で調べてみたら、こんな感じだった。
http://www.kanbutu.com/syokuzai/yamakurage.html

 体にいいらしい。金針菜みたいなムードもある。

 で食べたのがこういう一品。

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 タレ(ヤンニョン)の味わいと絡み方、山クラゲの食感がバツグンで、おいしい。さすが「荻窪キムチ」と唸る逸品だ。

 荻窪キムチについてはこんな記事もあり。
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/38737616.html


《このブログを書いているときのBGM》
山口富士夫『ひまつぶし』(1974年)。現代日本の「ロック」に失われた技術と熱気が充満した1枚。結局、日本にロックは根づいていないということか。

実は、これこそ、日本人がインドカレーをおいしく作るための最大の秘訣かもしれない。

ダシやスープストックを使用しない正統インドカレーにおいて、素材やスパイス、ハーブ、香味野菜などの風味を生かすことは、きわめて重要である。

そのために絶対守るべきは「水やお湯を入れすぎない」ことだ。

大昔から、日本人のイメージとして
「エスニックなカレーはサラサラ、シャバシャバしている」
というのがあるが、はっきり申し上げて、これは誤解である。

水やお湯を入れすぎたインドカレー(タイカレーなども同様だ)は、おいしくないのだ。

このことを守るだけで、必ずアナタのカレーはおいしくなる。
ぜひお試しいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
ジュニア・ウェルズの『イッツ・マイ・ライフ・ベイビー』(アナログ)。第一期ジェフ・ベック・グループはこの中の曲をパクッている。まあいいか。それくらいスゴいモダンブルースの名盤だ。

9月某日

 有機栽培のナスとジャガイモが我が家の冷蔵庫に。すかさず、簡単な一品を作ってみた。

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 小さく切ったジャガイモを生のまま「ポリヤル」の要領で炒め、少し差し水してフタをして蒸し煮。この時点で粉のスパイスは一切加えない。マスタード・シード、クミン・シード、タカノツメ、ヒング、カレー・リーフというホール・スパイスだけで調味(これらがなければ省略)。

 少し透明感が出て半ば火が入ったところ、これまた小さく切っておいたナス(色落ち防止に水に放すといい)を投入。サッと全体を混ぜたら、ターメリック、レッド・チリ・パウダー、塩で調味(スパイスがなければカレー粉で代用。当然、味は異なるが、コレはこれでおいしいはず)。さらに蒸し煮しよう。

 拙著『カレーな薬膳』等に出ているポリヤルという野菜の香味炒めから、仕上げのココナッツ・ファインを省略したレシピだ。南インドに行くと、このようにココナッツ・ファインをかけないポリヤルもたくさんある。

 これは基本的にタミル・ナドゥ州の作り方。ケララのトーラン(トーレン)だとよりシンプルになるし(ただしココナッツ・ファインがないと締まらない)、アーンドラ・プラデーシュ州だと、さらに違ったレシピがある。同じ南インド料理でも、いろいろあるのだ。

 こうしてできた香味炒めは、南インドのスープカレー「ラッサム」(同じく拙著にレシピあり)といっしょにインディカ米のご飯にぶっかけ、かき混ぜて食べた。当然、美味。

 これからナスがおいしい季節。インド料理に限らず、インド原産のこの野菜をどんどん活用していただきたいものだ。

《このブログを書いているときのBGM》
ブレイクダウン『LIVE』。今こそまた観たい日本のブルースの至宝だ。「踊るポンポコリン」も私は好きです。

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