カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2008年08月

8月某日

 中目黒の駅から徒歩10分という微妙な場所に位置する、南インドレストランに行ってみた。


 シリ・バラジはSHRI BALAJI(シュリ・バラジー)であり、ヒンドゥーの神様の名前であるとともに、チェンナイのTナガル、ポンディ・バザールにある私の大好きな菜食南インド料理店「シュリ・バラジー・バーバン」を髣髴とさせる(dancyuの2006年のカレー特集号で私がご紹介した)。


 こちらの「シリ・バラジ」はノンベジタリアンだし、ナーンやタンドゥーリ・チキンといったオーソドクスなインド料理もメニューにある。しかし、せっかくだから、ここにきたら南インド料理にこだわりたい。

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 サービスで出されたヒヨコ豆の香味炒め。いわゆるチャナ・マサラではなく、南インドの「スンダル」に極めて近い作り方だ。

 スンダルは、私が24日のイベントでお出しした。


 スンダルを食べつつオーダーしたのは、中味の入っていないプレーンなドーサ(米と豆をすりつぶした生地で作る南インドのクレープ風軽食)。

 で、登場したのがこの勇姿。

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 いやいや、これらはいい。いわゆる「ギー・ロースト」や「バター・ロースト」と呼ばれるカリッとしたドーサのときなどに用いられる三角錐のドーサのプレゼンテーションだ。これは本場っぽい。

 本場ぽいといえば、ドーサに付いてくるのが3種類のチャトニとサンバル(南インドを代表する菜食カレー。これも24日のイベントでは、私も出した)。

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 ココナッツのチャトニ。

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 ミントや香菜のグリーン・チャトニ。

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 トマトや赤唐辛子のチャトニ。

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 サンバル。何と具材にインドの伝統野菜「ドラムスティック」が入っていた。これまたポイントが高い。

 もちろん、本場式なステンレスの器もいい。
 これだけ、充実した内容のドーサを出す店は東京にも少ない。
 ほかのメニューも期待できそうだ。

《このブログを書いているときのBGM》
MC5『KICK OUT THE JAMS』。イギー・ポップの『RAW POWER』などと並びオール・タイム・ベストなロック・アルバム。とにかく圧倒的なパワーとエナジー、そしてクリエーティビティにシビレまくる。


 
 

8月某日

イタリアのアリタリア航空が経営破たんだそうだ。


80年代中盤、私が生まれてはじめての海外旅行にインドへ行こうとしていた頃、成田~デリー間にはアリタリア航空も路線を持っていた記憶がある。
妙に感慨深いのである。

8月某日

「マドラス・ターリー」には、プレーン・ドーサもついてくる。
個人的には、ターリー(ミールス)とティファンは分けていただいて、別オーダーの方がうれしいが、ま、いいか。

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 うまい焼き方で、生地の発酵も良好。付属のココナッツ・チャトニもおいしい。ドーサだけの単独オーダーで楽しむのもいいだろう。

この店、料理はいいが、店のメンテナンスやホスピタリティには、もっと気を配った方がいいと思った。
テーブルクロスはベタベタ。
何しろトイレが汚い上に、便器の奥には汚物が残っていた。

そんな店はインドでもめったにお目にかからない。
いうまでもなく、トイレのクリーンネスは飲食店にとって最も重要な要素だ。
一生懸命頑張っている調理人が可哀想だと思った。

《このブログを書いているときのBGM》
グレイトフル・デッド『ライヴ・デッド』。何といっても冒頭の「ダーク・スター」だ。この1曲に彼らの魅力が凝縮されているといっていいだろう。トリップ必至の名曲である。

8月某日

以前、私の師匠がシェフを務めていたインド料理店が、今は衣替えして、南インド料理を出す店になっているという。興味があって行ってみた。

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「マドラス・ターリー」なるセットメニューの一部。これにさらにドーサなどがつくから、ボリューム満点だ。

ターリー・プレートには、サンバル(野菜と豆のカレー)、ラッサム(トマトやニンニク、ブラック・ペパーの利いたスープカレー)、ポリヤル(野菜の香味炒め。本日はキャベツとチャナ・ダール)のほか、豆のドーナツのような(甘くはない)ワダなどがつく。

ラッサムが特に私好み。逆にポリヤルにはもう少し塩が欲しい。惜しいな。

ともあれ、オーソドクスでていねいな作りの南インド定食だ。
私の師匠による北インド・イスラーム料理とはまるで別ものだが、これはこれで十分魅力的である。

《このブログを書いているときのBGM》
テレビジョンの『マーキー・ムーン』(1977年)。「フリクション」やタイトル曲はよくコピーして、レコードに合わせて弾いていたな。全編トム・ヴァーライン(ヴェルレーヌの英語読みである)の美意識には恐れ入る。今聞いてもまるで色あせないアメリカン・ニュー・ウェイヴの超名盤だ。

8月某日

 用事があって行った大塚、昔からあるインド料理店「スーリヤ」で食事。

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 チキン・サラダ。割いたタンドゥーリ・チキンと野菜のミックス。サウザン・アイランドのドレッシングが私には余計だが、それでもなかなかイケる。

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 チキン・ティッカ。タンドゥーリ・チキンの骨なしバージョン。スパイシーで美味。

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 マトン・マサラ。マトンは骨なし。マサラ・グレービーと炒め煮込みした汁気少なめのカレーだ。これもスパイスが利いておいしい。

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 ガーリック・ナーン。ナーンはフワッとしたタイプでやや甘め。ニンニクのチップや香菜を散りばめて焼いてあり、なかなかイケる。昔はガーリック・ナーンは日本のインド料理店にあまりないメニューだったが、ここ数年でずいぶん定着した感じだ。

 麻布に同名のインド料理店があり、そこは芸能界でカレー好きの代表ともいえる関根勤さんのごひいき。以前、この店で「麻布とは同系列なんですか」とたずねたら、店長らしき人は「違います」とのことだった。インターネットなどでは同じ系列の店として紹介されているので、ややこしい。

《このブログを書いているときのBGM》
グランド・ファンク・レイルロードのベストCD。一曲目が「アメリカン・バンド」、最後が「孤独の叫び」。盛り上がること、この上ない。

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