ビリヤニとプラオ、インド料理を代表する2つのご飯メニューの決定的な違いとは何か?
かんたんそうだが、実はなかなか正解にたどり着けない、かなりの難問だという気がする。
ここ30年以上もの間、私がインド人シェフや料理関係者、うるさ型のインド人グルメなどから聞いた話を総合すると、ビリヤニをビリヤニたらしめる、そしてプラオと区別するための重要なファクターとして、以下のようなことが挙げられるのに気づいた。
①一部のご当地米使用を除き、原則バスマティライス必須
②調理法はカレーあるいはスパイシーな食材の加熱集積と「湯取り法」でかたゆでしたコメの重ね蒸し、つまりは「ダム」スタイルがメイン。さらには、非加熱素材とかたゆでバスマティライスの重ね蒸しというトリッキーなハイデラバードのカッチ・ビリヤニ、あるいはナマゴメをカレーに入れ、いっしょに炊く「ボイルド・ビリヤニ」もあるし、加熱済み具材とほぼ炊けたライスを混ぜるものもある。
③(ビリヤニには)サフランが入っているのがふつう。
④ミントリーフもビリヤニに必須。
⑤ギーをうまく使うと(ビリヤニは)おいしい。
⑥ビリヤニはそれだけ、おかずなしでもおいしく食べられる。プラオは、カレーやおかずが別につかないと物足りない。
⑦婚礼新築などハレの日に食べるのがビリヤニ。プラオはよりカジュアル。
⑧ビリヤニの方が肉量多い。
⑨ビリヤニの方が使用するスパイスの種類、量が断然多い。
⑩コストや手間、食材の質など、ビリヤニはプラオより数段上。
⑪調味にホール・スパイスのみ使うのはプラオ。パウダー・スパイスも加え、より複雑で奥深い調理をするのがビリヤニ。
これらを見れば、ビリヤニとプラオの立ち位置の違い、あるいはビリヤニ調理の際大事な食材は何か、といったことがそれなりに理解できる気がする。
技術的におもしろいと思ったのは⑪。
なるほど、北インドのイスラーム系あるいはパキスタンのビリヤニをチェックすると、この見解に合致する。が、南インドでは、私の知る限りハイデラバードなどに「プラオ」と名乗りつつ、実際はビリヤニというケースがある。惜しい。
概観しても、ビリヤニとプラオの境界線をあいまいにしている存在の一つが、「ボイルド・ビリヤニ」であるのは間違いないだろう。日本のビリヤニファンに叩かれるのも、たいていこのスタイルだ。
というわけで、次回ようやく「ボイルド・ビリヤニ」と「プラオ」の境界線について書いてみたい。

ハイデラバードの名店「パラダイス」のチキン・ダム・ビリヤニ。
《このブログを書いているときのBGM》
JESSE ED DAVIS『ULILU』(1972)
オールジャンルのギタリスト中、最も好きな人のひとり。私のメインギターがテレキャスなのも、この人の影響大。このセカンドソロは捨て曲なし、Drジョン、ジム・ケルトナーほか名うてのバック陣勢ぞろい、切れ味鋭いスライド随所で爆発、ということでいうことなし。
https://www.youtube.com/watch?v=weTO1qBoggU
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①一部のご当地米使用を除き、原則バスマティライス必須
②調理法はカレーあるいはスパイシーな食材の加熱集積と「湯取り法」でかたゆでしたコメの重ね蒸し、つまりは「ダム」スタイルがメイン。さらには、非加熱素材とかたゆでバスマティライスの重ね蒸しというトリッキーなハイデラバードのカッチ・ビリヤニ、あるいはナマゴメをカレーに入れ、いっしょに炊く「ボイルド・ビリヤニ」もあるし、加熱済み具材とほぼ炊けたライスを混ぜるものもある。
③(ビリヤニには)サフランが入っているのがふつう。
④ミントリーフもビリヤニに必須。
⑤ギーをうまく使うと(ビリヤニは)おいしい。
⑥ビリヤニはそれだけ、おかずなしでもおいしく食べられる。プラオは、カレーやおかずが別につかないと物足りない。
⑦婚礼新築などハレの日に食べるのがビリヤニ。プラオはよりカジュアル。
⑧ビリヤニの方が肉量多い。
⑨ビリヤニの方が使用するスパイスの種類、量が断然多い。
⑩コストや手間、食材の質など、ビリヤニはプラオより数段上。
⑪調味にホール・スパイスのみ使うのはプラオ。パウダー・スパイスも加え、より複雑で奥深い調理をするのがビリヤニ。
これらを見れば、ビリヤニとプラオの立ち位置の違い、あるいはビリヤニ調理の際大事な食材は何か、といったことがそれなりに理解できる気がする。
技術的におもしろいと思ったのは⑪。
なるほど、北インドのイスラーム系あるいはパキスタンのビリヤニをチェックすると、この見解に合致する。が、南インドでは、私の知る限りハイデラバードなどに「プラオ」と名乗りつつ、実際はビリヤニというケースがある。惜しい。
概観しても、ビリヤニとプラオの境界線をあいまいにしている存在の一つが、「ボイルド・ビリヤニ」であるのは間違いないだろう。日本のビリヤニファンに叩かれるのも、たいていこのスタイルだ。
というわけで、次回ようやく「ボイルド・ビリヤニ」と「プラオ」の境界線について書いてみたい。

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オールジャンルのギタリスト中、最も好きな人のひとり。私のメインギターがテレキャスなのも、この人の影響大。このセカンドソロは捨て曲なし、Drジョン、ジム・ケルトナーほか名うてのバック陣勢ぞろい、切れ味鋭いスライド随所で爆発、ということでいうことなし。
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