1970年代、日本のロック創成期を語る上で、「あんぜんバンド」「ウラワ・ロックンロール・センター」の名前は今も燦然と輝いている。
当時、「日本語ロック論争」や「クリエイション派対はっぴいえんど派の対立」のように、現代の音楽シーンからは想像のつかない(というより、私より年下の1960年以降生まれたロックファンにはおそらく「訳の分からない」)「熱気」にあふれていた。
リアルタイムで「あんぜんバンド」を聴いた中学から高校にかけての私には、不思議なバンドという印象があった。まずバンド名が変わっている。これは「子供ばんど」に継承されたのではないか。サウンド的には当時ドゥービーブラザースなどアメリカンロックに影響を受けているといわれたが、どこかビートルズぽいブリティッシュぽさもあり、クリエイション、四人囃子、カルメンマキ&オズなど、当時のほかの有名バンドとは異なるサウンドカラーを持っている気がした。もうひとつ印象に残っているのが、いわゆるラブソングをほとんどつくらないことで、歌詞がカッコいい日本のロックバンドの先駆けだろう。
そんな「あんぜんバンド(安全バンド)」のリーダー兼ベースで、作詞作曲も手掛ける長沢ヒロさんが、初のソロアルバムを完成させたということで、さっそく聴かせていただいた。
光栄にも、長沢ヒロさんご一家と懇意にさせていただいているのだが、こうなった経緯として、直接的にはヒロさんの奥様がたまたま私の料理教室の生徒だったことから、話はスタートする。
よくよく考えてみると、ヒロさんが80年代に入ってやっていた「ペグモ」というバンドとは、渋谷ライヴインで対バン、同じステージに立ったことがあった。またヒロさんらは東洋大学軽音楽部の仲間でバンドを始めたが、私のやっていたバンドも、5人のメンバー中3人が東洋大の学生あるいは中退者。
他にも、共通する知己の音楽家が少なくなかったりで、まあ何かとご縁、繋がりがある。
今回のソロアルバムのプロデュースを担当したのはホッピー神山氏だが、彼と私は、同じ年に早稲田に入り、ともに「ロッククライミング」という音楽サークルに所属した。
今回のアルバム、1曲目から、ホッピーがかつて在籍していた「ピンク」ぽい80年代的音づくりが随所に顔を出し、思わずニヤリとさせられる。
ヒロさんは当然のごとく絶好調。よく通り、歌詞のひとことひとことがきちんとわかる歌声がいい。いつまでも若々しくナイーブも入り混じった、味わい深いボーカルでもある。メジャーのキーでマイナ―コードの使い方が絶妙だったりする曲づくり、そしてときに聴き手をはっとさせる詞の魅力。さすが、年輪が増した分、音全体にうま味やコクが増している。
サウンド的にもロックならではのカッコよさ、とりわけリフの美学を熟知し、グルーヴあふれる演奏が何とも頼もしい。
ジャケットのアートワークもイイ。アルバムの世界観とピッタリ合致している。
まだまだこれから、どんどんいい作品が生まれるに違いない。楽しみだ。
《このブログを書いているときのBGM》
★個人サイト から「サザンスパイス」レッスンスケジュールや参加申込み可能!は
当時、「日本語ロック論争」や「クリエイション派対はっぴいえんど派の対立」のように、現代の音楽シーンからは想像のつかない(というより、私より年下の1960年以降生まれたロックファンにはおそらく「訳の分からない」)「熱気」にあふれていた。
リアルタイムで「あんぜんバンド」を聴いた中学から高校にかけての私には、不思議なバンドという印象があった。まずバンド名が変わっている。これは「子供ばんど」に継承されたのではないか。サウンド的には当時ドゥービーブラザースなどアメリカンロックに影響を受けているといわれたが、どこかビートルズぽいブリティッシュぽさもあり、クリエイション、四人囃子、カルメンマキ&オズなど、当時のほかの有名バンドとは異なるサウンドカラーを持っている気がした。もうひとつ印象に残っているのが、いわゆるラブソングをほとんどつくらないことで、歌詞がカッコいい日本のロックバンドの先駆けだろう。
そんな「あんぜんバンド(安全バンド)」のリーダー兼ベースで、作詞作曲も手掛ける長沢ヒロさんが、初のソロアルバムを完成させたということで、さっそく聴かせていただいた。
光栄にも、長沢ヒロさんご一家と懇意にさせていただいているのだが、こうなった経緯として、直接的にはヒロさんの奥様がたまたま私の料理教室の生徒だったことから、話はスタートする。
よくよく考えてみると、ヒロさんが80年代に入ってやっていた「ペグモ」というバンドとは、渋谷ライヴインで対バン、同じステージに立ったことがあった。またヒロさんらは東洋大学軽音楽部の仲間でバンドを始めたが、私のやっていたバンドも、5人のメンバー中3人が東洋大の学生あるいは中退者。
他にも、共通する知己の音楽家が少なくなかったりで、まあ何かとご縁、繋がりがある。
今回のソロアルバムのプロデュースを担当したのはホッピー神山氏だが、彼と私は、同じ年に早稲田に入り、ともに「ロッククライミング」という音楽サークルに所属した。
今回のアルバム、1曲目から、ホッピーがかつて在籍していた「ピンク」ぽい80年代的音づくりが随所に顔を出し、思わずニヤリとさせられる。
ヒロさんは当然のごとく絶好調。よく通り、歌詞のひとことひとことがきちんとわかる歌声がいい。いつまでも若々しくナイーブも入り混じった、味わい深いボーカルでもある。メジャーのキーでマイナ―コードの使い方が絶妙だったりする曲づくり、そしてときに聴き手をはっとさせる詞の魅力。さすが、年輪が増した分、音全体にうま味やコクが増している。
サウンド的にもロックならではのカッコよさ、とりわけリフの美学を熟知し、グルーヴあふれる演奏が何とも頼もしい。
ジャケットのアートワークもイイ。アルバムの世界観とピッタリ合致している。
まだまだこれから、どんどんいい作品が生まれるに違いない。楽しみだ。
《このブログを書いているときのBGM》
あんぜんバンド『ALBUM A』(1975年)
記念すべきデビュー作
記念すべきデビュー作
★個人サイト から「サザンスパイス」レッスンスケジュールや参加申込み可能!
★
も要チェック!★
★
★アジアン料理ユニット『ヤミーズディッシュ』のブログ