東京西荻窪にあるクッキングスタジオ「サザンスパイス」の料理教室、9月のスケジュールはこのような感じ

 例年、9月は「シルバーウイーク」があり、ここに合わせて毎年「インドツアー」を実施してきた。2010年が初回で、2018年まで9年間休みなく企画を実践してきたが、昨年・今年と延期され続けている形になっている。来年こそはと思うのだが、新型コロナ感染ワーストスリーにインドが入っている現状ではキビシイものがある。

 今月は季節の変わり目でもあり、レッスン内容や取り上げる料理も夏っぽさを残したものから、クリスマスや年始あたりに役立ちそうなものまでさまざまだ。

 個人的には、マトンの「ナハリ」を初レッスンするのを楽しみにしている(19日)。

「ニハリ」と呼ぶ人たちが日本、インドとも多いが、30年以上前、初めて食べたときから首都デリーあたりでは「ナハリ」の方が通りがいい。今でもデリーやラクナウのイスラーム料理関係者と話すときは、「ナハリ」で統一されている。
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 日本でもインドでも、ナハリにはナハリ・マサ―ラーというミックススパイスが頻繁に使われる。今回はこれを使わず、ナハリ・マサ―ラーを自作するところから出発する。

  私の信条として、ごく一部の例外を除き、ミックススパイスは使用しない。
 ビシッと配合が決まれば、自作の方が絶対においしいし、品質の点でも安心できる。日本にいるインドやパキスタンの料理人の多くは、ニハリをつくる際、たいていパキスタン製の「ニハリ」スパイスミックスを使用する。以前、この商品のパッケージにある原材料表示を観て「MSG」→うま味調味料の名前があって驚いた。


 ミックススパイスといえば、何といってもガラム・マサ―ラーが有名。私がオリジナル配合したガラム・マサ―ラーは、私にとって香り、使い勝手とも最高だ。配合は秘伝かといえばそんなことはなく、1997年に出した最初の本を文庫化した『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)ほか、私の本にはたいていガラム・マサ―ラーの配合が隠すことなく記載されている。
 だからといって、本を読んで試しにガラム・マサ―ラーをつくっても、特に最初は私と同じにはならない。それが現実だ。

 そんな現実のギャップを埋めるため、なるべく月に一回は「手づくりガラム・マサ―ラー」のレッスンはしたいものだと考えている。今月は27日。実践例としてチキン・カレーもつくるが、手羽先にするとさらにウマい。

 そのほか、カスリ・メティのレッスンでは、ジャガイモとカスリ・メティの炒めものである「アールー・メティ」、全粒粉の生地にカスリ・メティを練り込んでつくる「メティ・パラーター」など、より踏み込んだ内容にしてみた。

 ベジタリアン系では、目下、個人的に最も好きなカレー「パップー・チャール―」(通称パブチャル)を体験していただけるとうれしい(11日、14日ほか)。

このブログを書いているときのBGM》 
ARMAGEDDONの同名デビューアルバム(1975年)
元ヤードバーズのボーカル、キース・レルフが元ジョニー・ウィンター、キャプテン・ビヨンドのドラマー、ボビー・コルドウェルらと結成した「スーパーグループ」。予想通り、ボビー・コルドウェル絡みの曲は起伏に富んでカッコいいが、予想通りキース・レルフのボーカルが弱い。彼が弾けないギターを練習中、感電死したことで解散したが、間違ってもう少し売れたら、さらにユニークなアルバムをつくったかもしれない。合掌。
https://www.youtube.com/watch?v=R4x2obqqd7A
冒頭からカッコイイ。

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