カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2013年08月

またしてもギリギリの更新。申し訳ない。

★クッキングスタジオ「サザンスパイス」9月のスケジュール
http://www5e.biglobe.ne.jp/~masala/southern%20spice%20cooking%20class%20sept%202013.html

内容は厳選し、皆さんのお役に立てるようしているつもり。

例えば
10日、21日
【南インド料理 ベジミールスを作ろう(かんたんレシピ編)】
1.かんたんサンバル(野菜入り豆カレー)
南インドを代表するカレー。いつもよりシンプルで、風味は本格的
2.かんたんラッサム(ブラック・ペパーとニンニク風味のスープカレー)
これも南インドを代表するカレー。さらにシンプル。しかし味は最高
3.ポテト・ロースト(ジャガイモのスパイス炒め蒸し)
『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)にも収録。南インドを代表する惣菜メニュー
・サンバルはトゥール・ダールではなく、ムング・ダールを使用。タマリンドも不使用。
・ラッサムはダール自体入れない。しかしラッサムの風味はバッチリ。
・ポテトローストは最近やっていないが、味わいについては誰もがハマる。ハズさない名品といえよう。
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 かんたんラッサム。

これもいい。
13、17、27日
【インドカレーベーシック 南北マサラの饗宴】
1.北インドのチキン・マサラ トマト風味(濃厚ソースの鶏肉スパイス煮込み)
カレーよりもスパイス、タマネギとも多め。濃度も濃いソースのごちそう料理が「マサラ」。『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)、『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)なども参考にどうぞ
2.南インドのナス・マサラ ココナッツ風味(濃厚ソースのナス煮込み)
北インドのマサラとはスパイス使いや味つけに違いがあります。
3.オニオン・プラオ(揚げタマネギ風味のスパイス炊き込みご飯。マサラ料理にピッタリ)
4.カチュンバル(インド風野菜サラダ)
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 南インド式マサラの一例。ヒヨコ豆とナスのマサラで白ゴマペーストも入っている。

9月もビリヤニの連続レッスンあり。今月はイスラーム式の調理パターン。
15、28日
【ビリヤニ(インドのごちそう炊き込みご飯)講座② 
 北インドの一般的な重ね蒸しスタイル  15~19時】
1.北インドの重ね蒸しチキンビリヤニ
ヨーグルトと揚げタマネギのカレーと一度硬くゆでたバスマティ・ライスを交互にセットして重ね蒸し
2.ビリヤニ用オニオンライタ
ライタは野菜のヨーグルトサラダ風あえもののこと。タマネギを入れると美味なのです
3.ダールスープ(挽き割り豆のスープ)
チキンストックなどは使わず、ベジタリアン仕様で仕上げる緑豆のスープ
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 デリーの名店「カリムホテル」のチキンビリヤニ。こんな感じが出せれば最高だ。

ほかにも、おいしくてためになるレッスンが多数。
皆さんのおいでをお待ちしている。

このブログを書いているときのBGM》
JOHNNY THUNDERS『SO ALONE』(1978)
カッコよくもセツナいファーストソロアルバム。音、ジャケット、どちらも泣ける。
http://www.youtube.com/watch?v=TknY89kECq0
ガンズもカバーした名曲。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!



7月某日

 個人的に家でよく作るのはカレーよりもマサラだ。

 カレーはサラサラしていて、チキンなら4人分でタマネギは1個。切り方もスライス、みじん切り、どちらもオーケーだ。

 それに対して、チキンマサラではタマネギは1.5個分必要で、基本はみじん切り。できたソースも濃度が濃く、スパイスの風味が強い。

 いわばカレーをさらに濃縮して、うまみを強めたものがマサラ。おいしくないわけがなく、インド亜大陸全体で、ごちそう料理の定番という地位を築いている。

 この日は、クッキングスタジオ「サザンスパイス」で「プライベートディナー」。いわば貸し切り状態で、私の料理を賞味いただく企画だ。そこで、5月に訪れたムンバイ式の「フィッシュ・マサラ」(メカジキの濃厚スパイス煮込み)をお出しした。

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 ベースの「マサラ・グレービー」を作ってメイン食材を煮こむのが、マサラ共通の調理法。この日もムンバイ式の風味づけを施した(いわば北と南がぶつかり合うような風味)濃厚カレーソースで、サッと脂ののったメカジキを煮こんで仕上げた。

 マサラは濃厚なので、白いご飯よりも、スパイス炊き込みご飯である「プラオ」や、パン類で食べるのがおすすめ。この日もやはりムンバイ名物の「パオバジ」などとともにパンで召し上がっていただいた。

 日本でまだまだ認知の低い「マサラ」。もっと作って食べていただきたい。

★マサラ料理のレシピは
『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/65583049.html
『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)
http://www.natsume.co.jp/book/index.php?action=show&code=005470
『カレーな薬膳』(晶文社)
http://www.asiabunko.com/in_currynayaku.htm
『カレー大全 カレー伝道師の160話』(講談社)
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/55163759.html
 などに出ている。参考にどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
SASS JORDAN『RATS』(1994)
スティーヴィ・サラスがバックアップして制作された女性ロッカーのソロ。
http://www.youtube.com/watch?v=myXZSAQ_unY
サラス色濃厚。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!



7月某日

 わが地元、西荻窪の誇る名店の1つ、「ラヒ・パンジャービー・キッチン」で打合せを兼ねてランチ。意外にもランチに来訪するのは初めてだった。

 ランチのセットを2人分オーダー。

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 ヒヨコ豆をヨーグルトソースのようなものであえたものが、まず出された。初めていただいたが美味。最初から期待が高まる。

 ランチセットはカレーを2種類選べるので、2人で4種類違うものをオーダー。

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 まずは定番のダール(挽き割り豆)カレー。
 これが一味違っていて、パキスタンやインドのイスラーム料理で「ハリーム」と呼ばれる肉とダールの煮込みカレーがあるが、それに似ている。ということはインドのふつうのダールカレーには似ていないということで、ポテットしている。味つけもトマトの酸味やうまみではなく、アムチュールパウダー(未熟のマンゴーを乾燥させたパウダー)の酸味を生かしたもの。これまた個性的かつ、私には懐かしい現地の味。

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 日替わりの野菜カレーはオクラ。これもまた私の知るスタイルとは違った。大ぶりのタマネギはトロトロと甘く、スターアニス(八角)が入っている。トマトぽさもなく、やさしい美味。ハマる味わいだ。

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 チキンのカレー。軽めのフライド・オニオンにヨーグルトか。いずれにせよ、やはりこれも日本の他店にはないテイスト。デリーのカリムホテルあたりのとも違う。とにかくウマい。

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 マトンカレー。チキンと明らかに色が違う。これはきわめて重要なことだ。一つずつのカレーを別々に仕込んであることの証しであり、マトンカレー独特の仕上がりを追及していることの証明でもある。

 日本の、そしてデリーのコンノートプレイスあたりの多くの店は、このあたりのことが、ちゃんとできていない。いわゆる「ワン・グレービー・カレー」といわれる手法で、何でも同じカレーソースから作る安易な調理術が横行している。

 その点、ここは対極にある感じ。ワンアンドオンリーの世界を実直に展開するオーナー、ラヒームさんは素晴らしい料理人である(もともとほかのことを生業にしていたのは、私と同じ)。

 全粒粉を加えたナーン、フライド・オニオンを炊き込むプラウンライスも当然美味。

 夜、じっくり楽しむのが基本だが、ランチもおいしくてお得。
 おすすめである。

《このブログを書いているときのBGM》
FREE『HEARTBREAKER』(1972)
山内テツさんがベースとして参加している点で、日本のファンにもよく知られたラストアルバム。
http://www.youtube.com/watch?v=4Een8dDpF6g
 いつ聴いてもカッコいい名曲。

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7月某日

 ちょっと前のお話。
 かなり濃いメンバー(詳細別途)で、東中野にあるなかなか予約の取れないタイ料理店「ロムアロイ」へ。

 女性オーナーひとりで切り盛りし、料理はお任せ。ワインなどは持ち込みで、カウンターのみ。
 まさに隠れ家的名店というにピッタリのスペックだが、料理自体がこれまた気合十分。

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 絶品と評判のラープ。肉は挽き肉を仕入れるのではなく、自分で叩くらしい。それはそちらの方がウマいだろう。

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 生春巻き。太巻きより太く、観たことのないボリューム。もちろん中味もぎっしりで美味。

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 生エビやパパイヤのたっぷり入ったヤム。

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 エビのカレー炒め。牛乳と卵が入っているらしい。イスラームぽいテイストを感じ、バツグン。

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 ピーナツ風味のポークカレー。コクがたっふりだが、キレもバツグン。奥の四角くくて白いのはジャスミンライス。

 とにかく一品ごとへの集中力が半端ない。店主の気合もろともいただく喜び。

 とはいえ、化学調味料なしという料理の数々は後味も軽く、巷のレストランメニューにはない、ほのぼのとしたムードにも癒される。

 お店にお任せがよく似合う、逆にそれができないとツラいだろう。今度は知り合いのタイ料理専門家と行ってみたい。

《このブログを書いているときのBGM》
THE BEATLESのホワイトアルバム(1968)
高校の頃、よく聴いた。
http://www.youtube.com/watch?v=F3RYvO2X0Oo
やっぱりこの曲、ギターはクラプトン。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へ!



8月某日

 夏野菜の代表といえばナスとピーマンだが、これらはインドでもよく食べられる。

 インドの場合、グリーンのピーマンがたいてい大きくて分厚く、グリーンパプリカという風情。で、日本のように手頃なサイズの代わりに、辛くなくて大きめの青唐辛子が幅を利かせている感じがする。

 一方、ナスはインド原産野菜の1つ。さすがにいろいろな種類があって、市場を観ても、実際食べても、飽きない。

 ナス、ピーマン、そして赤と黄色のパプリカを、カレーよりも濃度があってスパイスも利いた「マサラ・グレービー」、それも南インドのスタイルで炒め煮込みしてみた。
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 北インドのマサラと異なりガラム・マサラ不使用、スターターのスパイスはクミン・シードではなくマスタード・シード、仕上げにココナッツ・ファインが入るなど、南北でマサラ料理にも大きな違いがある。

★「マサラ・グレービー」のレシピとマサラ料理の基本は、『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫)にくわしい。
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960/65622245.html
★南インドのマサラについては、『カレーな薬膳』(晶文社)がおすすめ。
http://www.shobunsha.co.jp/?p=1741

 日本のインドレストランではマイナー、しかし本場では大メジャーな「マサラ」。
 ぜひお楽しみいただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
ROBIN TROWER『BRIDGE OF SIGHS』(1974)
 昔は単なるジミヘンフォロワーかと思っていたが、ジャケットはどこかイスラーム的だし、独自の世界がある。 
http://www.youtube.com/watch?v=57f_aUlXf1c

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