カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2012年05月

5月某日

 NHKBS「ほっと@アジア」の収録で1日自分のスタジオ。

 こうしたとき、出演者やスタッフクルーを含め「ランチ」をどうするか。
 ときにけっこうシリアスなテーマとなったりします。

 料理やグルメ番組の場合、できた料理や提供されたメニューを食べればオーケーなのですが、今回、調理がすべてランチの後。作ったものを食べるわけにいきません。

 私のスタジオのすぐ近くにあるモロッコ料理屋でランチのテイクアウトをやっているはず。そこにオーダーしようと思ったら、何と収録当日はランチ営業なし。

 そこでディレクターの方が西荻窪を徹底リサーチ。行き着いたのが、海南チキンライスの名店として名高い「夢飯Mu-Hung」でした。

 もちろん私もよく知っている繁盛店ですが、ランチボックスやっているのかなと思っていたら、何とテイクアウトどころか、この日特別に、オーナーさん自らスタジオまで出前していただきました。

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 シンガポール料理の代表格です。インドに行くときも、トランジットで立ち寄るチャンギ空港のフードコートでお世話になったりします。
 ショウガのソース、チリソース、シュウユ系という3種類のタレ、さらにはチキンスープもついています。
 軟らかくジューシーなチキンとチキンスープで炊き上げたご飯とのコンビネーションもバツグン。
 さりげないキュウリのアジアンな切り方と香菜もポイント高いです。
 日によってタイのジャスミンライスの時があったはずで、それに当たれば、なおよしでしたが、日本米でも、十分美味でした。

 さすが「ほっと@アジア」にふさわしいロケ弁となりました。
 いうまでもなく、その後の収録もバッチリ順調に進みましたよ。

 メシの力は、こういうときも大事だなと実感しました。
 皆さん、どうも、ありがとうございます。

《このブログを書いているときのBGM》
LED ZEPPELINの同名デビュー盤(1969)
 今日はジョン・ボーナムの誕生日だそうです。セカンドの「MOBY DICK」聴かなきゃとも思いましたが、初めて買った彼らのLPがファーストだったので、まずはちらを聴き直しています。
http://www.youtube.com/watch?v=eLsLNsKivfI&feature=related
 どこかの学園祭みたいな妙なムードのオーディエンスですね。パリだから? 演奏はいつもながらスゴいです。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!



5月某日

 これまで2回の打合せ兼会食のレポートもこれが最後ですが、実はこのメニューが個人的には最も印象的でした。

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 南インド、カルナータカ州(IT産業で日本人にも有名なバンガロールを擁する州です)の名物料理の1つ「ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATH」。野菜入りの豆カレーおじやという感じのちょっと変わった軽食です。

 南インドを代表するベジタリアンカレー「サンバル」とごはんをおじや仕立てにしたタミルナドゥ州の料理に「サンバルライス」というのがありますが、それのカルナータカ版という風情です。

 しかし、決定的に異なるのはスパイス使い。
 通常のサンバルには絶対入れないシナモン・スティックやクローブ、カルダモンなどが、この「ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATH」では活躍します。

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」のレッスンでもしばしば申し上げていますが、これら3つのスパイスはガラム・マサラのベースとしてたいへん重要です。

 ガラム・マサラは本来、北インドのミックススパイスであり、南インドのベジタリアンメニューでは通常使いません。

 さらには削ったココナッツやカシューナッツもよく加えますが、それらもサンバルにはあまり入れません。

 こうしてできた「ビシ・ベラ・バトBISI BELE BATH」は独特の個性が光った味わい。南インドなのですが、どこか北インドぽく、ゴージャスおいしさがあります。こちらの店では、ギーもたっぷり入れて、さらにリッチで薫り高い味わいでした。

 このメニューを食べられる東京のインドレストランは他にあまり記憶がありません。
 ディープな南インド料理ファンは一度お試しいただくといいでしょうね。おすすめです。

《このブログを書いているときのBGM》
ALI HASSAN KUBAN『WALK LIKE ANUBIAN』(1993)
 かつて、日本ではVIVID SOUNDからリリースされた北アフリカ、ヌビアのグルーヴあふれる名盤。
http://www.youtube.com/watch?v=9XzOhQTDpfg&feature=related
 
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5月某日

 2月、銀座にオープンした南インドレストランでの会食。前回レポートの続きです。

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 魚のメニューも食べたいというリクエストにお応えして「フィッシュ・ハリヤリ・ティッカ」。
 香菜、ミント、青唐辛子などをすりつぶしたペーストしたでマリネした白身魚のタンドゥール焼き。北インド料理ですね。
 食べてみるとマスタードの香りが強烈で、からしの粉が使われているかのよう。意外な味つけが印象的でした。マスタードを効かせた場合「サルソン・ティッカ」というのですが、「ハリヤリ・サルソン・ティッカ」にしたらどうかとも思いました。
 添えられたミントや香菜のチャツネも好評でした。

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 いよいよカレー。アーンドラ・プラデーシュ州を代表する菜食カレーの1つ、トマト・パップー。トマト入り挽き割り豆のカレーです。『カレーな薬膳』(晶文社刊)や、「ダンチュウdancyu」誌カレー特集号で、私もレシピを披露しています。

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 タミルのスパイシーなカレー、チキン・チェティナッド。上にのっているのはショウガの千切り。

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 全粒粉のアーンドラ・チャパティ。大きくて、油が使われており、チャパティとパラーターの中間のような仕上がり。滋味深い味わいでした。

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 ラッキーなことに「マトン・ビリヤニ」にありつけました。他のテーブルで予約があったのでおすそわけです。

 南インドのメインストリームといえるタミルではなく、アーンドラ料理やハイデラバード料理にスポットを当てているのが、御徒町の本店同様、個人的にも要注目。
 それでも、周囲を見るとナーンを皆食べていましたし、店の人に「おすすめカレーは?」ときいたら「バターチキン」と答えられてしまいました。ま、そんなものです。

《このブログを書いているときのBGM》
AR RAHMAN『CONNECTIONS』(2010)
 「スラムドッグ~」や新作「ロボット」のサントラでも大活躍のインドの誇る天才コンポーザー、ARラフマーンの自伝的インタビュー本の特典に付いていたCD(同名CDがありますが、それとは別)。これがバツグンな出来映えで、スタジオでもヘビーローテーションなのです。
http://www.youtube.com/watch?v=K1VwQV8n4nw&feature=related 
 これはその同名CDからの曲。こういう音楽ではなく、かなりアンビエントな作品が大半を占めています。もちろん、これはこれでオーケーです。

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5月某日

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」のプライベートディナー企画で、南インドを代表するチキンカレー「チキンペッパーフライ」を作りました。

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 フライというのはSTIR FRYで炒めもののこと。揚げものではありません。タマネギ、トマト、スパイス類などのカレーソースでチキンを炒め煮込みし、クラッシュした粗砕きのブラック・ペパーを仕上げにたっぷり加え、風味を高めます。

 北インドにチキンマサラという料理がありますが、それの南インド、タミル地方版。南インドのノンベジカレーで最も人気のある一品といっても過言ではありません。

 今では日本の南インドレストランでも食べられますが、かつて日本のインド料理店にはほぼ皆無のメニューでした。

 今回は、少しカレーソースを多めにして食べやすくしました。本番のディナーでも好評だったようです。

★この料理のレシピはありませんが、拙著『カレー大全 カレー伝道師の160話』(講談社刊)に「南インドのチキンスープカレー」「南インドのマトンカレー」「チキンのスパイス炒め」「肉団子のマサラ」など、ほかにはないレシピがカラー写真とともに掲載されています。参考にどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
TALKING HEADS『REMAIN IN LIGHT』(1980)
 90年代以降、自ら設立したレーベルから世界中の音楽を紹介しているデヴィッド・バーンですが、この作品ですでにワールドミュージックを先取りしていました。イーノのプロデュースも冴えた超名盤。今聴いてもまったく斬新です。
http://www.youtube.com/watch?v=hFLiKLoxWD8&feature=relmfu


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5月某日

 打合せを兼ね、2月にオープンした南インド、アーンドラ料理を得意とする「アーンドラ・ダイニング」で会食。

 御徒町の人気レストラン「アーンドラ・キッチン」の2号店で、創業からの総シェフ、ハイデラバード出身で「ダバ・インディア」初代シェフでもあるラーマナイヤさんも今この銀座店で頑張っています。

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 まずはスターターでワダ。ウラド・ダールをすりつぶしたドーナツ状の揚げ物。はんぺんのような味わいで甘くはありません。サンバルとココナッツのチャツネをつけていただきます。外はカリッサクッ、中はフンワリで美味でした。

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 ラヴァ・ウプマ。セモリナの炒り蒸しです。「インド式クスクス」とメニューにありましたが、日本の人が考えた苦肉のフレーズでしょうね。モチッとして粘りがあり、しかもギーが効いています。日本人でオーダーする人は少ないと思います。私の好きな南インドの軽食(「ティファン」と総称されます)の1つ。

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 アーンドラのティファンといえば、これははずせません。めずらしい緑豆のドーサ「ペサラトゥ」です。御徒町でもよくオーダーします。今回はタマネギのみじん切りをたっぷりあしらった「オニオン・ペサラトゥ」にしました。

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 広げたところ。中にタマネギがビッシリです。

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 神谷町「ニルワナム」などともに「インディアンチャイニーズ(直訳すると「インド中華」な、ちょっとユニークな南インド料理)」もあるのが、うれしいところ。「カリフラワーの満州風味」と訳される「ゴビ・マンチュリアン」もいただきました。カリフラワーに衣をつけて揚げてから、チリペパーソース
に絡めるという酢豚のようなレシピ。思ったよりインド寄りな味わいでホッとしました。

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 アーンドラ式骨つきチキンのブラック・ペパー炒め。上にのっているのは削ったココナッツ。いわゆる製菓材料の「ココナッツ・ロング」ではなく、ココナッツの白い果肉をおろし器で削ってあります。これだけでもポイント高いですね。肝心のペパー炒めも美味。骨つきにこだわるのがインド人的で、いいですね。初心者には食べにくいですが。 

 南インド料理の中上級者向けアイテムが充実しています。大勢でいろいろオーダーすると楽しいでしょうね。レポートはまだ続きます。

《このブログを書いているときのBGM》
JOHNNY WINTER AND『LIVE AT THE FILLMORE EAST 10/3/70』(2010)
 ただ今来日中ですが、やはり70年代がスゴイです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZxWSbg5Wzkc&feature=related
 リック・デリンジャーのギター、ドラムにキャプテン・ビヨンドのボビー・コルドウェル、最強のラインアップでしょうね。

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