カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2012年04月

4月28日

 京都の町家風インド料理店「ラトナ・カフェ」にインド料理好きな方々が集まり、食事会が催され、私も伺いました。

 お店の雰囲気もバツグンでしたが、料理も同様。

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 まずは南インドのムルクぽいスナック。ムルクは米の粉にヒングなどのスパイスを混ぜた生地を油で揚げたもの。普通は豆粉のパパドですが、いきなり芸が細かいですね。

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 ベーガン・バルタ的ナスとポテトのマッシュにスパイスの効いたウェイファーぽい手作り塩せんべいとそら豆を合わせたもの。インドの味わいですが、スタイリッシュ。

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 チキンキーマがぎっしりのミニサモサ。

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 カシューナッツや香菜の入ったタピオカボールのフライ。

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 ヨーグルトを入れない正統派のグリーンチャツネ。青唐辛子や香菜、ミントなどが入っていると思われます。サモサやタピオカにつけると最高でした。

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 野菜とフルーツのチャットをカクテルグラスに。キュウリやクミンの香りがバナナやリンゴ、かんきつなどと混ざるとものすごくインド的になること、再認識しました。

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 春キャベツのポリヤル、レンコンとインゲンのサブジ(ネパールのタルカリ風でもありました)、ジャガイモのポリヤル。味わいもさることながら、インドのランチボックスに入れたまま供するというのも、バツグンのセンスでした。

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 カレーは4種類。生カレー・リーフののった「ケララ風フィッシュカレー」「ラムのトマトカレー」「ロビアのダール風カレー」そして「パコラ(揚げ豆団子)の入ったカディ(ラジャスタンなどのヨーグルトカレー)」。写真はカディ。

 ご飯はクミン入りのサフランライス。食後にはインドの豆を使ったコーヒーと、京都らしく生八つ橋も。

 オーナーご夫妻のインド亜大陸と、かの地の料理に対する深い愛情と見識がそこかしこにひしひしと感じとれて、感激しました。普通のインド料理店とは異なる魅力にあふれたお店です。

 もともとレベルの高い京都のインド料理店ですが、また一つ、素晴らしいお店に出会いました。
 幹事さん、参加者の皆さんにもお礼申し上げます。
 ありがとうございました。

《このブログを書いているときのBGM》
RY COODER『MY NAME IS BUDDY』(2007)
 猫好きにはたまらないジャケットと、同じくバツグンな中味の名作。
http://www.youtube.com/watch?v=JkXwEmku1Hk&feature=related
 沖縄音楽、ジャズ、カントリーなどもゴッタ煮にしてあります。

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4月28日

 京都に着いたら、異常ともいえる暑さ。後でニュースを観たら30度オーバーの夏日だったそうで、納得しました。

 京都には、個性的でおいしいインド料理店が多い印象がありますが、今回、インド料理好きの集まる食事会の会場となる「ラトナ・カフェ」もそんな名店の一つ。

 初来訪ですが、長年密かに「行きたいなあ」と想っていた店でもあり、期待感に満ちた京都到着となりました。それにしても暑いなあ。

 京都駅からバスで行くといいですよという幹事さんのアドバイスに従うと、迷うことなく店の近くに着きました。これは便利です。

 店の前に来て、見とれました。さすがです。
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 まさに京都の町家。カッコいいですね。シックですね。

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 お店の看板。RATNAというのは、もともとサンスクリットで宝石の意味。インド的でいいネーミングです。

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 お店のダイニング。デヴ・アナンド、シャルミラ・タゴールら往年のスーパースター主演の映画ポスターは何とオリジナル(他にもアミターヴ・バッチャンの昔の映画ポスターも。共演は私の好きなレーカー姐さん? どれもが写真じゃなくてペインティングのポスターなのです)。
 これだけでもスゴいですが、町家的内装とぴったり調和していて、これまた驚き。

 他にも店内の至る所、インドの調度品、調理器具等が京都の町家と見事にマッチングした光景が見られます。

 写真奥の中庭、これも風情があって最高でした。お手洗いもここです。

 予想以上になごみますネ。一発で気に入りました。

 もちろん料理もおすすめです。それらのご紹介は次回に続きます。

《このブログを書いているときのBGM》
RADIKOで大阪の「FM COCOLO」を聴きながら。東京のインターFM的なノリがあって好きです。

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4月某日

 食に関わる人たちのSNS「アンドパーティandparty」の「マイスターズベスト」というコーナーで、「私の好きなスパイス ベストスリー」をご紹介していただきました。


 皆さんはどんなスパイスの香りがお好きですか?

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 オールドデリーのスパイス市場「カリ・バオリ」にて。

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4月某日

 JR品川駅構内「エキュート品川」にあるインド料理店「シターラダイナー」で月替わりスペシャルカレーの「ラム・チョップ・マサラ」(店内メニュー表記は「ラム・チョップ・カレー」)をいただきました。

 ラム・チョップを煮込むのは、どちらかといえばイスラームの得意料理。
 私も1980年代の初インドでカルカッタに行った時も、裏町のムスリム食堂でラム・チョップのマサラ煮込みをいただき、そのおいしさにえらく感激した覚えがあります。以来、ラム・チョップ・マサラは大好物の1つ。自分でも作りますが、ラム・チョップがやや高価なのが、気になるところではありますね。

 ここのシェフやスタッフはデリーのイスラーム料理に精通しているので、期待していただきましたが、予想以上の美味で満足でした。

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 壮観ですね。私用にカレーソースの脂もあえて少し増やしていただきました(これをナーンやローティでぬぐって食べます。たまにはこういう食生活もアリです)。お店のサイトではこんなおしゃれな感じに仕上がっています。

 マサラというのはカレー以上にタマネギやスパイスを多く使い、濃厚な味わいとカレーソースの濃度自体もアップさせた煮込み料理のこと。
 今回もトマトやヨーグルトをベースにした濃厚なマサラグレービー(カレーソース)がバツグン。カリムホテルをはじめとしたオールドデリーのイスラームレストランを髣髴させる本場の味わいでした。

 肉好き、イスラームカレー好きの方はぜひどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
SHOCKING BLUEのベスト盤
 曲はもちろんいいのですが、その昔、ボーカルの故マリスカ・ヴェレスさんのキュートさに一発でヤラレました。
http://www.youtube.com/watch?v=8LhkyyCvUHk
http://www.youtube.com/watch?v=HAsrOCj6a5k&feature=related
亡くなる直前はこんな感じでした。RIP
http://www.youtube.com/watch?v=WTb1LYaFV8I&feature=fvwrel

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4月某日

 クッキングスタジオ「サザンスパイス」の定例企画「インドカレー名人講座」。
 今月は「豆カレーの多彩な世界」の前編として、ダールカレー=挽き割り豆のスパイス煮込みカレーのレシピをいくつかご紹介し、インドならではの豆料理の素晴らしさを体験していただきました。

【実施メニュー】
1.基本のダールカレー
(挽き割り豆の煮込み。緑豆の挽き割りであるムング・ダールでレシピを例証)
2.ダールタルカ
(揚げタマネギで仕上げるダールカレー。タマネギ1つで驚きの変化が生まれます)
3.トゥール・ダールとマスル・ダールのミックスダールカレー
(性質の異なる2つの豆を煮合せることで新しいおいしさが生まれます)
4.緑豆と野菜のサラダ
(水に浸しただけの豆を生野菜とミックスし、ノンオイルで味つけします)
5.ダールパヤサム(インドではスイーツも挽き割り豆で作ります。これは「インドのおしるこ」というべき、豆のミルク砂糖煮込み)
6.チャーイ

 インドの豆カレーは大別すると
①ダールカレー→挽き割り豆の煮込み
緑豆や黒マッペ、レンズ豆など小さい豆の皮を取り、2つに割ることで、調理時間が短縮される、食べやすくなる、消化吸収が早くなるといったメリットが生まれます。これらを活用したのが「ダールカレー」です。
②ヒヨコ豆、キドニービーンズなど、大きな豆のカレー
「チャナ・マサラ」「チョレ」「ラジマ」「ロビア」などと現地で呼ばれるカレー。北だとタマネギとトマトを多めに使った「マサラ」タイプが主流、南インドだとココナッツ・ミルクやタマリンドを活用して、北とは異なる味わいに仕上げます、いずれにせよ、①のダールカレーとは異なるレシピ、異なる味わいです。
 の2つに大別されます。

 ダールカレーも実にさまざまなものがあるのですが(レシピも含め、詳細は『カレー大全~カレー伝道師の160話(講談社)』他拙著各種に載っています)、今回はそのうち、3つのレシピをご紹介しました。

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 3つのダールカレーをタイのジャスミンライスの上に盛り合わせてみました。
 左下が基本の「ムング・ダールのカレー」。右は「ダール・タルカ」。微妙な色の違いがポイントです。もちろん味も異なります。上はトゥール・ダールとマスル・ダールの「ミックス・ダールカレー」。粒の感じも違うのがわかりますか? これだけショウガ風味です。

 インドでも、一度に3種類のダールカレーを食べ比べることは普通しません。貴重な機会といえましたね。

 5月19日には続編の講座を行ないます。

【「インドカレー名人講座」ベジタリアン((11時~17時))】
今月のテーマ「豆カレーの多彩な世界②」
1.チャナ・マサラ
(ヒヨコ豆の北インド風煮込み。レモン汁、チャット・マサラ、カスリ・メティの使い方がポイント)
2.カダラ・カレー
(南インドのヒヨコ豆カレー。トマトとココナッツミルクの味わい。「チャナ・マサラ」との違いも要チェックですね)
3.ロビア・ガッシ
(ブラック・アイド・ピーの南インド、カルナータカ風カレー。トマトなしでタマリンドとココナッツ・ミルクで煮込みます)
4.レインボー・ビーンズ・カレー(7種類の豆を煮込んだカレー。昨年の『LOVE INDIA 2011』特製レシピブックでもご紹介しました。意外と簡単ですよ)
5.南インドのスンダル(お好みの豆をスパイス炒めして、ココナッツ・ファインで仕上げた南インドのおかず。スナックや酒肴としても、お役に立ちます)
6.チャーイ

 豆好きの方、ベジタリアンカレーのファンはぜひどうぞ。
 お待ちしています。


《このブログを書いているときのBGM》
SUPERHEAVYのデビュー盤(2011)
 ミック・ジャガーのニュープロジェクトですが、日本では盛り上がりませんね。明らかに寄せ集めくさいですが、私は好きなのですが。インドの誇る天才コンポーザー、ARラフマーンもメンバーですし(『スラムドッグ&ミリオネア』の音楽は彼が担当。グラミー取りましたね)、もっと多くの方に聴いてほしいものです。
http://www.youtube.com/watch?v=Hu_MhgIFDGM
 ARラフマーン、アジア代表として頑張っています。

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