カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2012年01月

12月3日

「インドツアー2011」最終日。デリーにある超有名店にして老舗の1つ「カリムホテル」での遅めのランチのご紹介を続けましょう。

 この店は、ムガル帝国の宮廷料理人の末裔が開いたとのこと。日本にもある、いわゆる「ムガル宮廷料理」の神髄とは何なのかを考える上でも格好の名店です。

 この店ならではの「ムガル料理(ムグライ料理、モグライ料理などともいわれます)」式カレーベースでは、基本的に
・フライドオニオン→大量のタマネギをスライスし、天ぷら鍋のような大鍋で茶色でサクサクになるまで揚げたもの
・ヨーグルト
 の2つがメインの食材になります。
 要するに、コロンブス以降インドに入ってきたトマトは不要なのです(バターチキンやチキンカラヒのような非ムガル料理にはトマトを使います)。

 そんなこの店の名物メニューの1つが「コルマ」。フライドオニオンとヨーグルトのカレーにすりつぶしたポピー・シード(ケシの実)や同じくアーモンドのペーストが入ったものです。当然オーダーしました。

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 上に浮いた大量の油にひるまないようにしてカレーソースをすくい取りフワフワのナーンで味わえば、至福のおいしさです(この油にもいい風味がしっかりついています。ナーンでちょっと吸わせて食べても、良質のオリーブオイルのように美味)。マトンは当然骨付き。とにかくうまみの出たグレービーがバツグンでした。

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 マトンでもう一品。スネなどを長時間煮込んだ「ナハリ」です。上にのっているのは青唐辛子とショウガ。本来デリーのイスラームは、一晩中煮込んだナハリを朝食に食べるのだとか。パワーフードですね。深いスパイスの風味とフライドオニオンの香ばしさが相まって美味でした。

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 マトンのシーク・カバーブもこの店の名物の一つ。タマネギなど余計なものは入れず、マトンとスパイスをメインに、後はショウガとニンニクのすりおろしや香菜ぐらいだけで、うまみたっぷりに焼き上げます。焼くのもタンドゥールではなく、シクリと呼ばれる焼き鳥や鰻の炭火焼き台のようなもので。これが本当のイスラーム料理です。

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 カバーブの付け合せに欠かせないタマネギのスライス。ライムのようなレモンをギュッと絞ったのは私。これもマストです。

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 デザートのフィルニ。米をすりつぶしてミルク煮にしたライスプディングです(イギリスのライスプディングはこうしたインドのスイーツがルーツともいわれています)。トッピングはピスタチオ。意外にもそれほど甘くなく、上品な味わいでした。

 ツアー参加者の皆さん、かなりディープな店構えに最初びっくりしていたようですが、これまで口にしたものとは明らかに傾向の異なる料理の数々にかなり満足なさったようでした。ほとんど完食。

 私も、わざわざ皆さんをお連れした甲斐がありました。いつ訪れてもハズレることがない、数少ない店の1つです。もともとここで働いていた私の師匠にも感謝。

《このブログを書いているときのBGM》
LED ZEPPELIN『PHYSICAL GRAFFITI』(1975)
 寄せ集めテイク集だともいわれていますが、完全に一つの世界が完成しています。実はインドっぽくない中近東サウンドの「カシミール」(歌詞はかの地を謳ったもの?)他、いい曲多数ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tjtWrWeYARE

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 いよいよ2月ですね。
 クッキングスタジオ「サザンスパイス」では季節に合わせたレッスン、私が好きな料理を無理矢理おすすめするレッスン(?)など、いろいろと取り揃えています。

2月3日(金) この季節にピッタリ。ガンガン、ショウガを使いましょう。
【スパイス早わかり ショウガ編(11時~14時)】
1.ジンジャーチキンカレー(北インド風、トマトとショウガのパンジャーブ風)
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2.ジンジャーカレー
(ショウガそのものをカレーに。タマリンドの効いた南インド、ケララ風)
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3.ジンジャーポテトマサラ
(ゆでたジャガイモをたっぷりのショウガと炒めた南インド風のおかず。マサラドーサの中味にもなります)
★ジンジャーティーもお出しするかも

4日(土) 脂ののった冬の魚カレー、そしてベンガルに欠かせない「パンチフォロン」の不思議な香り
【本格インド料理ノンベジ(11時~14時)】
1.ベンガル風フィッシュカレー
(すりつぶしたマスタードとヨーグルトがベースのスパイシーで爽やかな逸品)
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2.ナスとジャガイモのパンチフォロン・サブジ
(5種類のホール・スパイスをミックスした特製マサラが決め手のベンガル風)
3.ムングとチャナのパンチフォロン・ダールカレー
(2種類の挽き割り豆、5種類のホール・スパイスを使ったベンガル風味)

5日(日) 個人的にはバミセリにシチューをドサッとかけて食べたいものです
【南インド料理ベジタリアン(11時~14時)】
1.南インドのチャナ・マサラ
(ヒヨコ豆カレーをココナッツ風味で)
2.ケララ風野菜シチュー
(ココナッツミルクで野菜を煮込む南インド式クリームシチュー)
3.バミセリ・ウプマ
(極細パスタのスパイス炒り蒸し。日本では珍しい南インドの軽食です)

6日(月) 新アイテム「バジルナーン」のおいしさに驚いてください
(現在好評発売中の『BISTRO男子』(主婦と生活社)冬のカレー特集号も要チェック)
【本格インド料理(19時~22時30分頃)】
1.トマトチキンカレー(北インド、パンジャーブ式)
2.フライパンで焼くバジルナーン(バジルの生葉をトッピング。これがイケます)
3.ジーラ・アールー(ジャガイモのクミン炒め)

 お待ちしています。

《このブログを書いているときのBGM》
村八分『ライブ』(1973)
 スゴいバンドでした。当時の邦楽シーンのはるか上を行っていたがゆえに、満足にレコードが出なかったということでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=omKQlfeS8ns

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1月某日

 いつの間にか、日本中で「節分には恵方巻き」という習慣ができているようです。

 恵方巻きは関西がルーツといわれていますが、1967~74年、兵庫県の尼崎と西宮に住んでいた頃、いっさい周囲でそんなことをやっている人はいませんでした。

 結局、コンビニが仕掛けた販促に乗ってしまったというのが、現実的展開でしょうね。Wikipediaにもそんな経緯が説明されています。

 そんな中、『ただ今「インドの恵方巻き」の予約受付中』というレストランとデリがありました。
 品川や新宿、赤羽、恵比寿、吉祥寺等で店舗とデリを展開する「シターラ」です(本店は青山、骨董通り)。

 本当は2月3日にならないと食べられないのですが、今回、特別に事前試食のチャンスをいただき、品川の「シターラダイナー」に行ってきました。ちなみに同店のシェフは私の師の1人、モハメド・フセインさんです。

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 これが外観。ベジとノンベジ2種類があり、これはノンベジ。また、布製と紙巻き2種類のパッケージがあり、これは布製タイプ。長さ20センチ、太さ5センチぐらい。なかなかのボリュームです。

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 パッケージを取るとこんな感じ。デリーやカルカッタで有名な「カティ・カバーブ」「ロール」といわれる料理ですね。

 外側は「ルマリ・ローティ」。ハンカチのように薄く焼き上げる無発酵パンで、これを上手に焼けるシェフは日本にそう多くはいません。フセインさんはインドの名店カリムホテル、インドでナンバーワンのタージホテルなどで長年やってきた名人で、もちろんルマリ・ローティもお手のもの。

 ルマリの中にはビリヤニライス、タンドゥーリ・チキンをカットしたもの、オニオン、ピーマン、パプリカなどの香味野菜がぎっしり入っているようです。

 左下、緑色のはミントのチャツネ。これは恵方巻きには付きません。本場のカティ・カバーブでも、ミントのチャツネを付けて食べると抜群ですが、こちらもそんな感じ。ちなみにこのチャツネにはヨーグルトは入れてありません(日本の多くのインドレストランでは、ヨーグルトを加えたタイプが出されます)。これが純正デリーのイスラームスタイル。私も基本このスタイルを守っています。

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 中味はこんな感じ。彩り豊かな野菜とスパイシーなタンドゥーリ・チキン(フセインさんのタンドゥーリ・チキン、バツグンです。味つけとチキンのカットはインド本国に持って行っても有数だと思います)のハーモニーが冴えています。外側の皮であるルマリ・ローティのもっちりとした食感と具材全体とのバランスも良好。本来、インドのカティ・カバーブやロールに入ることのないビリヤニライスも意外としっくりとなじんでいました。

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 これは番外的試作品。皮のパンに溶き卵や香菜、青唐辛子などを加えたスパイシーバージョンです。デリーのロールの名店「ニザムズNIZAM'S」を思い出すような美味でした。

 純正インド料理にはないレパートリーですが、インド料理ファンは一度トライしてもいいのでは。
 予約するのもよろしいのではないでしょうか。

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 こちらはデリー「ニザムズNIZAM'S」のカティ・カバーブ。
 デリーやカルカッタのカティ・カバーブやロールでは通常パラーターが外側の皮になります。本来チャパティやナーンでロールは作りませんので、覚えておくといいですね。

《このブログを書いているときのBGM》
JAGATARA『裸の王様』(1986)
 タイトル曲の歌詞、今となっては東電や原発、現政権のことを歌っているようにも聞こえます。アフリカンな名盤です。
http://www.youtube.com/watch?v=OPacLHMkQCY&feature=related

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12月3日

「インドツアー2011」最終日。
 午前中、デリーのショッピングモールでスパイスや食材、食器、調理器具などを各自買いまくり(ツアー参加の皆さんの買いっぷり、お見事でした)、ホテルで荷造りして午後に入りチェックアウト。

 空港に行く前に食べ納めです。私がツアー参加者を絶対に連れて行きたかった「カリムホテルKARIM'S」に向かいました(実は前年の「コーチン~チェンナイツアー」の際も予定に入れていたのですが、直前のデリー行きフライトが大幅に遅れたため断念したのです)。

 ホテルというのはこの場合、レストランのこと。インドの場合、〇〇ホテルといったとき、食堂やレストランを指すことが少なくありません。旅行予定の方は覚えておくべき事柄です。

 カリムホテルはオールドデリーのチャンドニ・チョーク近くに本店がある他、ニューデリーのニザム・ウディーンなどにも店があります。今回は空港へのアクセスからも、また店のムードからもニザム・ウディーンにしました。

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 これが店の看板。実に渋いエリアにある、渋い店です。

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 今回はバターチキンを集中してチェックしている参加者の方もいたので、バターチキンははずせません。この店のは、日本のとは違っていて酸味が前に出たタイプ。おそらくカシューナッツのペーストは入っておらず、生クリームもかなり少なめ(ちなみに「サザンスパイス」でレッスンしているバターチキンもこのタイプ。私の師匠はカリムホテルの黄金時代のメンバーで、その方から習いましたので、似ているわけです。1月30日他レッスンがあります)。上にのっているのはメロン・シードです。

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 チキン・カラヒ。本来はこの店の得意なイスラームのムガル料理ではなく、バターチキンも含め、パンジャーブ料理です。ものすごくトマトが効いており、まさに「スパイシーなチキンのトマト煮込み」。

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 イスラーム式ならではのふんわりとしたナーン。形も丸いクルチャタイプです。表面の黒いプチプチは黒ゴマ。ちょっと甘味があり、カレーソースとの相性もバツグンでした。日本と違い、表面にバターやギーも塗ってないのにもご注目を。日本でこのナーンを出す店があったら、人気沸騰間違いなしでしょうね(作れる方、知っています)。

 まだまだカリムならではのスゴい料理が続きます。次回へ。

《このブログを書いているときのBGM》
ROXY MUSIC『AVALON』(1982)
 なぜか、私にはインドを思い出させるアルバム。「INDIA」なんて曲もありますね。異常に音質がいいアルバムでもあります。ボブ・クリアマウンテンの凄さでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=bpA_5a0miWk

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12月3日

「インドツアー2011」もいよいよ最終日となりました。この日は、スパイス、調理器具、食器といった日常品でおみやげになりそうなものを市内の高級スーパーへ探しに行きました。

 で、まずは朝食。今回泊まっているホテル、CITY PARKは、なかなかインド料理の朝食のレベルが高くてよかったです。

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 南インドの朝食。
 圧し米を炒り蒸しした「アワル・ウプマ」(サザンスパイスでもときどきレッスンします)。
 ココナッツ、トマトという2種類のチャツネ。
 そしてカリフラワー、ニンジン、インゲンなど具だくさんで野菜シチューのようなサンバル。

 これだけ具がたくさんのサンバルは南インドでもなかなかお目にかかれません。かなりシャバシャバですが、これは現地のサンバルによくあるパターン。珍しくはありません。日本のインドレストランもマネすればいいのに、と思うようなおいしくて気の利いたサンバルでした。

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 これはインドのオムレツ。今回、「朝食はベジタリアン」と自分で決めていたので、こういうものは食べなかったのですが、最終日なのでいただいてみました。
 インドの卵は黄身がすごく白いのです。だからオムレツも白。けれども味わいは濃厚で美味。
 薄く焼いて、しっかり火を通すのがインド流。フワフワのオムレツは、主に高級ホテルで外国人向けに供されます。

 最終日もおいしい朝食、ごちそうさまでした。

《このブログを書いているときのBGM》
FLEETWOOD MAC『BARE TREES』(1972)
 ピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーが脱退、ダニー・カーワンとボブ・ヴェルチがフロントという一般的には評価の低い地味な1枚。でも、今聴くと、これがけっこういいのです。
http://www.youtube.com/watch?v=HvCUJgnVg3o
 ボブ・ウェルチのソロで有名ですが、こちらがオリジナル。

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