カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2011年08月

9月11日(日)

 日本有数のインド料理店の日本人オーナーシェフたちが集まり、この日にしか食べられないオリジナルなターリーを創作する革命的食のイベント『LOVE INDIA 2011』。

 私も参加させていただくのですが、この日、南インドを代表するベジタリアンカレー、「サンバル」を作ることにしました。約500人分を当日早朝、仕込んで持ち込みます(調理に当たっては、九段下「アジャンタ」の大先輩である増田さんのお店、新検見川「シタール」のキッチンをお借りすることになりました。もちろん「シタール」も『LOVE INDIA 2011』に参加します、私にとってありがたく、記念すべき厨房へのお誘いです)。

 サンバルは南インド人のソウルフード。そして、本場と同じ味わいを出すのが最も難しいカレーの一つです。今回は、とりわけ気持ちを込め、ご来場の皆さんに喜んでいただけるように仕上げます。

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 沖縄の器に入れたサンバル。具材はナスです。

 南インドのみそ汁のような存在感。そこで今回、日本のみそ汁に入るような具材のノリで、本場のサンバルを作る予定です(といってもワカメや油揚げは入れませんよ、もちろん。野菜の話です)。

『LOVE INDIA 2011』のチケットは「サザンスパイス」の他、参加各店、そして特設サイトからも購入可能です。特製レシピブック(私は本邦初の「チキンビリヤニ」、「レインボービーンズカレー」を写真入りで収録)も付いていますし、お得だと思います。

 お待ちしています。

《このブログを書いているときのBGM》
『DROP DOWN MAMA』
 私の好きなロバート・ナイトホークを筆頭にした、チェスレーベルの誇る激渋シカゴブルースのオムニバス名盤。中学の時聴いてハマりました。
http://www.youtube.com/watch?v=pns91im68qo
 先日亡くなったハニーボーイ・エドワーズの「ドロップ・ダウン・ママ」。スライドで突っ走るのかと思いきや、妙な肩すかしに最初戸惑いましたが、やっぱり名演。全編に流れるアーシーなノリが最高です。

★本場仕込みのインド料理、簡単でおいしいスパイス料理の教室なら「サザンスパイス」へどうぞ!


8月26日(金)

 毎月恒例の「インドの居酒屋」をクッキングスタジオ「サザンスパイス」で行いました。

 どんな方もウェルカム、飲み食い放題で交流を図っていただく企画です。当日お出しした主な料理のレシピ集は、後日、メールで配信しています。

この日お作りしたメニューは以下の通り《備忘録的に》

チャナ・チャット
ヒヨコ豆と野菜の北インド風サラダ仕立て。チャット・マサラ(マンゴーパウダー、岩塩、ブラック・ペパー、コリアンダー、クミン、カイエン・ペパーなどのミックススパイス)が味の決め手。

アーンドラ・チキン・ピクルス
直訳すれば鶏肉の漬物。南インド、アーンドラ・プラデーシュ州の激辛保存食です。今回は沖縄の島唐辛子と沖縄新ショウガのパウダーも使用。味に新たな深みが生まれました。

パイナップル・チャット
辛いチキン・ピクルスとともに甘酸っぱいパインのあえものを。

パオバジ(沖縄名護「パン・ド・カイト」のバゲットとパン・オ・ルヴァン添え)
ムンバイ名物のマッシュポテトとトマトのカレー。西洋式のバンズパンと食べるのが現地式ですが、今回は沖縄のおいしいパンをゲットできたので、そちらを合わせました。

南インドのスパイシーなメカジキ焼き
スパイスを絡めたメカジキのフライパン焼き。白身魚の切り身や鮭ならどれでも美味です。

南インドのコリアンダー・チャツネ
香菜、青唐辛子、ココナッツ・ファイン、ショウガ、塩、レモンなどをすりつぶし、マスタード・シード、カレー・リーフ、ヒングなどの風味を加えた本場のチャツネ。

皮付きマスル・ダールのカレー
レンズ豆の皮付きを優しい味わいに煮込みました。

ポーク・ビンダルー
ゴアクリスチャンのソウルフード。お酢とスパイスに浸けた豚肉角切りのスパイシーな煮込みカレーです。

ナスとオクラのサンバル
沖縄産オクラも入れた、南インドを代表するベジタリアンカレー。

ラッサム
ニンニクとブラック・ペパーを効かせた南インドのスープカレー。

レンズ豆、ポテト、ヒヨコ豆のカレー
マスル・ダール、パオバジ、チャナをミックスして作ったまかない風カレー。

インドのオムレツ
インド式に香味野菜などを入れて薄く焼きました。

チャナ・スンダル
南インド風ヒヨコ豆の温サラダ、ココナッツ風味。

南インドのミックス・ベジタブル・ライタ
野菜とヨーグルトのあえもの。カレー・リーフ、マスタード・シードなどで風味を高めました。

ガジャル・ハルワ
ニンジンのミルク煮デザート。

チャイ
 カルダモンとショウガを効かせた特製チャイ。

今回は15品以上、お出ししました。

この日おいでになった、スイーツクリエーター伊地知恭子さんのブログでもご紹介していただきました。ありがとうございます。
http://maffinger.blog134.fc2.com/blog-entry-352.html

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 この日のとは違いますが、「パオバジ」のカレーはこんな感じ。生のタマネギをトッピングし、レモン汁をふりかけ、パンといっしょに食べるのが現地式。

 次回は9月24日(土)18時から行います。ご予約、お待ちしています。

《このブログを書いているときのBGM》
KAUSHIKI CHAKRABARTY『LIVE AT SAPTAK FESTIVAL』(2009)
 先日来日し、素晴らしいステージを繰り広げた北インド古典音楽注目の若手女性ボーカルのライヴCD。
http://www.youtube.com/watch?v=Ts70xyXaJj0

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8月28日(日)

 定例の大阪料理教室。今回は南インドの家庭料理を集めました。

ミーン・コロンブ(南インド、タミルナドゥ州のフィッシュカレー)
ココナッツ・ミルクの他、タマリンドの酸味とフェヌグリークの香りをしっかり効かせました。

トマトとタマネギのカレー
雑誌ダンチュウ8月号でもご紹介。冷やしてもおいしいチャツネタイプのカレーです。

カポチャのポリヤル
南インド、タミルナドゥ式野菜のスパイス炒めがポリヤル。今回はフェンネル・シードをスターターに使いました。

ゴーヤのマサラフライ
『カレーな薬膳』(晶文社)でも紹介のアイテム。アーンドラ・プラデーシュ州風のレシピです。

ビーツのパチャリ
当日、新鮮なビーツが手に入ることが判明し、急きょ追加。ピンク色が美しいヨーグルトサラダです。

 他に実行委員masajan氏手作りのスイーツ(マイソール・パク)、同じく手作りのポディ(ヒヨコ豆の粉とタカノツメのふりかけ状粉末)やギー、ローストパパドなども用意。かなり本場に近い仕上がりになりました。

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 色味が華やかでいいですね。皆さん、なかなかいい出来映えに仕上げていたと思います。

 参加者の皆さん、実行委員の皆さん、どうもありがとうございました。

 次回は11月13日(日)、「パンによく合うベジタリアンメニュー」の特集です。お楽しみに。

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 おまけ。ファミリーマートで売っていた「かやくごはん」のおにぎり。イケましたよ。

《このブログを書いているときのBGM》
FOGHAT『FOOL FOR THE CITY』(1975)
 この作品に収録のロバート・ジョンソンのカバー「TERRAPLANE BLUES」のことを、かつてNMM誌で中村とうようさんがベタホメしていました。それで買って聴いたら、やっぱりカッコよかったこと、思い出します。
http://www.youtube.com/watch?v=TZvXjCxXT3M
 これがそのテイク。ギターのロッド・プライスはイギリス人には珍しく、DUANE ALLMANにたいへん大きな影響を受けたスライドを弾いていました。

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8月27日

 ようやく、クッキングスタジオ「サザンスパイス」9月の予定が決まりました。
 遅くなって、申し訳ありません。

 すでに今月初頭にほぼ全部決まっていたのですが、どうしても不確定要素があり、伸びてしまいました。

 9月から、一部、夜の部のレッスンを再開します。開始時間迷ったのですが、一応これまで通り。もっと早くてもよければ、適宜改訂します。

 プライベートディナーに関しては、今月、木曜日開催といたします。

 17日「インドカレー名人講座」、パンに合うベジタリアンカレーの特集です。

 24日「インドの居酒屋」やります。

 今月の注目メニューはベンガル風フィッシュカレー。これまで、どこでもレッスンしていないレシピです。マスタード・シードを粉末にした自家製粗挽きマスタードパウダーとヨーグルトで味つけします。南インドのものとは、一味違った魅力がありますよ。来月以降も随時登場の予定です。

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 アトランティックサーモンを使ったベンガル風フィッシュカレー。


よろしくお願いいたします。
(10月予定も早急にアップします)

《このブログを書いているときのBGM》
DAVID BOWIE『PINUPS』(1973)
 世の中にカバーアルバムはたくさんありますが、文句なしにベストな1枚。全編オリジナリティあふれるアレンジに唸ります。
http://www.youtube.com/watch?v=64mwXTxbKq4
 ビリー・ボーイ・アーノルドのシカゴブルースのヘビーバージョンとご存じザ・フーのグラムバージョン。

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8月某日

 南インド、バンガロールに本社のあるMTR社のレトルトカレー・レポート、その2です。

 前回は、ややマニアックな「パニール・ティッカ・マサラ」でしたが(日本でこのカレーをメニュー化している店、ほぼないと思います)、今回はインドでもかなりポピュラーな、もともと北インドの家庭料理、「パニール・マタル」です。

 パニールはインドのカッテージチーズ、マタルはグリーンピース。両方を具にしたベジタリアンのカレーです。このレトルトではタマネギ、トマト、カシューナッツなどをペーストにして、これらの具材を煮込んであります。

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 パッケージ。

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 中味はこんな感じ。油は少ないですね。食べやすそうです。

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 ターリープレートに移してみました。やや酸味のある、マイルドなカレーソースにパニールとグリーンピースの味わいがよくマッチしています。

 パニールの味わいはもちろん、生を収穫して入れたグリーンピースがおいしいです。日本だと、どうしても冷凍グリーンピースのイメージが強いのですが、インドのグリーンピースは風味・食感ともバツグン。レトルトカレーにしても美味です。

 クセがなく、食べやすいベジタリアンのカレーです。お試ししてはいかがですか。

《このブログを書いているときのBGM》
ENO『HERE COME THE WARM JETS』(1974)
ブライアン・イーノがアンビエント化する前のグラムでアートロックな名盤。彼のボーカルが、仲たがいしたはずのブライアン・フェリーに似ているのも、おもしろいです。
http://www.youtube.com/watch?v=W2jTIq9Mi50&feature=related

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