カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2008年04月

4月某日

 タンドゥール・バーベキューを楽しんだ後、いよいよカレー・タイム。

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 ヒヨコ豆の挽き割り、チャナ・ダールを煮込んだ「ダール」。マイルドで深い味わい。

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 マトンとホウレンソウのカレー、サーグ・マトン。ホウレンソウはピューレではなく、家庭風に手切り。こちらがより正統なのはいうまでもない。

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 カレーに合わせる主食、全粒粉でできた生地をタンドゥールで焼いたローティ。ほかにも、ハンカチのように薄いパン、ルマーリ・ローティ、バスマティライスもチョイス。パンはもちろん、ライスもおいしかった。

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 この店にはおいしいビリヤニ(インド式のカレー炊き込みご飯)が日替わりで置いてある。本日はチキンのビリヤニ。本格的で美味。

 ほかにもチャイなどいただいた。

 カレーだけではないインド料理の奥深さ、特に北インド料理の楽しさを味わえる店だ。
 一度はお召し上がりください。

《このブログを書いているときのBGM》
リチャード・ヘル『タイム』。私の永遠のアイドルのひとり、それがリチャード・ヘルだ。これは彼のアンソロジーCD。ジョニー・サンダースとのハートブレイカーズからニューオリンズでミーターズのメンバーと録音したソロまで幅広い選曲がいい。これまた私の大好きなロバート・クワインのギターも、随所で大爆発。

4月某日

 会食メニューの続き。

 タンドゥール料理が店のウリなので、そうした個性の味わえるアイテムをさらにオーダーしてみた。

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 2種類の味わいが楽しめるチキン・ティッカ。
 ティッカというのは一口大にカットした肉やシーフードのこと。チキンのほかマトン、シュリンプ、フィッシュなどのティッカが一般にある。

 この店では、タンドゥーリ・チキンと同様のマサラに浸けたチキン、生クリームやヨーグルトのマイルドなマサラに浸けたティッカの2つの味が一皿で楽しめる。これはうれしい。

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 これはマトンのバラ・カバーブ。バラというのは塊りみたいな意味。普通は一口大にカットした骨つきマトンのタンドゥール・バーベキューを指す。私もファンなオールド・デリーの「カリム・ホテル」の名物のひとつでもある。この料理をメニューに載せるインドレストランは東京でも少数派だ。
 
 この店のは、骨なしラムを使っている。だから、たいへん軟らかくジューシー。もちろん風味もいい。肉の表面がグリーン色なのはミントや香菜のチャトニを塗って焼いてあるからだ(カリムのものなどは、こうした工夫はしていない)。

 とにかく肉好き、マトン好きにはたまらない充実感の一品といえる。

 これらのバーベキューに合う、おいしいインドのワインがこの店には複数置かれている。私たちは白そして赤のどちらもいただいた。予想以上に美味でうれしい驚き。

-さらに続く-

《このブログを書いているときのBGM》
ロバート・ランドルフ&ヒズ・ファミリー・バンド『ライヴ・アット・ザ・ウェストランズ』(2002年)。デレク・トラックスに対する黒人の回答のような超絶スティール・ギター奏者バンドによるゴスペル・ライヴ。いわゆるジャム・バンド(個人的には違和感のある言葉だ。ロックやブルース、ジャズの演奏家は普通、ジャムれるのが当たり前。パンクなど一部を除くロックやブルース、ジャズのバンドはすべてジャム・バンドのはずである)としても一流だが、疾走感あふれる熱い黒人音楽、そしてワールド・ミュージックとしても名盤といえる。ストーンズもやっているスリム・ハーポの「シェイク・ユア・ヒップス」のグルーヴ感など、凄いのひとこと。

私のサイトのトップページをご覧ください。


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私の手作り「サーグ・チキン」。

4月某日

 知り合いの出版社の方々と、炭火タンドゥール窯が2台設置という、日本でも数少ないタンドゥール・バーベキュー中心の本格インドレストラン「カイバル」にて会食兼打合せ。

 カレーとナーンがメインの従来型北インド料理店とは明らかに異なるメニュー構成。こういう店が東京にあるのは、実にうれしいことだ。

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 スターターにチャナ・サラダ。ヒヨコ豆と野菜のサラダ仕立てだ。似たような料理はトルコやモロッコ、チュニジア、エジプトなどにもあるが、インド料理の場合、ドレッシングにオイルはいっさい入らないのが普通。塩、レモン汁、そしてスパイス類で仕上げるのだ。彩りもよく、ビールやワインにもよく合う。

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 ウラド・ダールの豆せんべいをタンドゥールでローストし、その上にスパイス類を絡めた野菜類(トマト、赤タマネギ、ピーマン、香菜など)をたっぷりあしらったマサラ・パパド。タマネギが赤タマネギなところなども含め、かなり芸が細かい。これまた酒が進む美味。

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 ここからがタンドゥールのバーベキュー。
 まずはインドのカッテージ・チーズであるパニールをスパイスでマリネし、タンドゥールで焼いたパニール・ティッカと野菜のタンドゥール・バーベキューを盛り合わせたもの。
 パニールのタンドゥール焼きをきちんと出す店は日本では少ない。その点だけでも優れものだが、味ももちろんよし。野菜類もスパイシーでいい。

 またまだ料理は食べたが、続きは後で。

《このブログを書いているときのBGM》
小泉文夫先生監修によるキングレコードの民族音楽音源CDより『琥珀色の夜~バグダッドのウード』。
ウードはアラビアの琵琶のような楽器。世界に誇れる日本録音の民族音楽のシリーズだ。かつて、私はこうした音源も扱っていたキングレコードの制作セクションでディレクターをやらせていただいた。その頃、もっと勉強しておけばよかった(私は日本のヘビメタやプログレ担当だったのだ)。

4月某日

 先日、新宿のタワーレコードに行ってはじめて知ったのだが、ジミ・ヘンドリクス、ビリー・コックスとの「バンド・オブ・ジプシー」ほかで知られたドラマー&ボーカルのバディ・マイルスが、この2月に亡くなっていたそうだ。享年60才。


 バンド・オブ・ジプシーのほかにも、マイク・ブルームフィールドとやっていた「エレクトリック・フラッグ」や映画「スーパー・ショウ」などで、私の世代以上のロックファンにはおなじみだったはず。

 体がデカそうなのに、妙に音が軽いのと、妙な手癖があるので、好き嫌いが分かれるドラマーだろう。
 私は好きだった(ボーカルのできるドラマーは基本にファンなのだ)。

 現代のドラマーだと、ブルース・ブラザースやキース・リチャーズなどで活躍し、現在も頑張っているスティーヴ・ジョーダンにちょっと似たイメージがダブる。

 またロックの黄金時代が遠くなった気がする。寂しいものだ。

《このブログを書いているときのBGM》
サードアイの『ハードウェア』(1992年)。スティーヴィ・サラス、ブーツィ・コリンズ、そしてバディ・マイルスによるファンク・ロック・トリオ。このCDはかなり聴きまくった個人的名盤。冥福を祈ろう。

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