カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2007年10月

10月某日

 ハウス食品が限定発売している「即席ハウスカレー」(昭和復刻版)を食べた。

 私が、家庭でカレーを食べはじめたのは昭和40年頃からだろう。だから、おそらくこの「ハウスカレー」から入ったに違いない。

 まずはやはりパッケージが秀逸だ。昭和40年代を思い出す。これだけでも、昔を知る人は買う価値ありだろう。

 できたカレーだが、風味も見事にあの時代的。

 まず色が黄色っぽくて「カレーシチュー」というか、そば屋や定食屋のカレーに近い。この点でも昭和を思い出させるポイントが高い。
 肝心の味や香りだが、現代のカレールーがいかにエスニックな進歩を遂げたかがよくわかる。つまりは素朴でシンプル。いい意味でエスニックさとは無縁の、まさに「日本のカレー」なのだ。

 生卵を落として、醤油かソースをかけたくなるカレー。そんな感じでもあるな。こういうカレー、個人的にはもう何年も食べていない。

 このカレールーでカレーうどんを作ったら、おいしそうだ。
 それも最近流行の「古奈屋」タイプではなく、そば屋やうどん屋さん風なやつ。
 こういうムードも、最近のカレールーでは醸し出せないだろう。

 家で食べるカレーにちょっと飽きた方、いつもと違うカレーに出会いたい方、昭和の雰囲気に浸りたい方、そしてインドカレーこそがカレーだと信じて疑わない方。
 とにかく、すべての日本人のカレーファンに一度は召し上がっていただきたい、そんな商品のひとつである。

《このブログを書いているときのBGM》
 トラフィック『ディア・ミスター・ファンタジー』(1968年)。私がハウスカレーを食べる小学生だった頃の、インドくさいブリティッシュ・サイケの名盤。シタールも随所で活躍している。

10月某日

 ひさしぶりにトッド・ラングレンの代表作『ハロー・イッツ・ミー(サムシング・エニシング?)』を2枚組CDで聴いてみた。

 この作品には「ハロー・イッツ・ミー」「アイ・ソー・ザ・ライト」という2大名曲が収録されている。もちろんほかにもいい曲が入っているが、これらだけでも買う価値ありだと思う。

 この2曲、とにかくメロディがいい。ポップで覚えやすく、しかも日本人の好きな泣きというか、甘酸っぱさに満ちている。知らない人でも一度聞いたら印象に残ること必至だと思う。

 かつて高橋幸宏氏もソロで「アイ・ソー・ザ・ライト」をカバーしていた。やっぱりね、という感じがした。ユキヒロ氏もポップで甘酸っぱいメロディにやられたのだと思う。

 この2曲、実はやたらキャロル・キングくさい。おそらく意図的にキャロル・キングぽく仕上げたのだと思うが、理由は簡単で、トッド氏もキャロル・キングが好きだからだろう。

 キャロル・キングは「イッツ・トゥー・レイト」「君の友達」といったフォーキーな名曲で有名だが、もともとは「ロコモーション」ほかソウルのヒット曲の名ライターでもある(ロコモーションならばグランド・ファンクのカバーが好きだ。トッドはこの曲の入ったグランド・ファンクの作品もプロデュース。ロコモーションのカバー収録も、元を正せばキャロル・キング好きだからか?)。ファンキーで黒人音楽的な味わいも強い人なのだ(彼女の作品には、ギターのデヴィッド・T・ウォーカーはじめ、ソウル系の凄腕ミュージシャンが多数参加している)。
 
 トッド氏もソウルっぽいアレンジでポップな曲を作るのが得意(ビートルズ好きでもある)。両者の肌合いにはかなり似たところがあるのだ。

 ちなみにトッド氏のソウルな側面を継承してデビューし成功したのがホール・アンド・オーツ(て、今やナツメロ?)。

 で、キャロル・キングさんだが、来日公演はカップリングの奇妙さと値段の高さで手が出ない。

 私の中には「外タレの来日公演は3800円か4500円」という25年ぐらい前の古びた公式がまだグルグルうずまいている。
 一万円も出すならば、CDかDVDを買った方がいいだろうとも考えてしまうのだ。

 そういうわけで『タペストリー』などを聴いて、ひとりでなごもうと思う。

《このブログを書いているときのBGM》
 南インドのカルナティック音楽で私が最も好きなボーカリストのひとりG.N.バラスブラマニアムのライヴCD。変幻自在のメロディに酔いしれる。

 私のサイトに11月18日(日)阿佐ヶ谷料理教室のメニューをアップしておきました。

 日本でもポピュラーなベジタリアンカレーの代表をメインに、『カレーな薬膳』には掲載していないタイプのラッサム(南インドのスープカレー)などもプラスしました。

 興味をお持ちの方はコチラをご覧ください。

☆年末の阿佐ヶ谷教室は暮れも押し詰まった12月23日(日)に実施します。
 やっぱりクリスマス用メニュー?

10月某日

 思うところあって、ひさしぶりに中島らも氏の小説2冊を文庫本で立て続けに読む。

 中島さんの名前を初めて見たのは、80年代初期の雑誌『宝島』。
 関西のかまぼこメーカーであるかねてつがやっていた「啓蒙かまぼこ新聞」という超脱力広告のページを氏が担当していたのである。
 変な原稿と変な漫画だらけでとても広告とは思えなかったが、当時のニューウェイブ系(死語だな)少年少女の多くが「宝島」の読者であったから、彼ら彼女らへの浸透力は大変なものだったと思う。

 その後、中島さんは朝日新聞に「明るい悩み相談室」を書いて人気が全国区になるのだが、私にしてみれば「おいおい朝日が宝島をパクッてるよ」という思いだった。

 今回『今夜、すべてのバーで』『バンド・オブ・ザ・ナイト』を一気に読んだ。いずれも刊行当時読んでひさびさの再読だったが、どちらも好きな作品だ。

 前者は、やはり私の好きな色川武大氏の『狂人日記』に似た味わいを感じた。後者はバロウズ、ポール・ポールズ、ケルアックぽい。

 グダグダした人物(群)のヒリヒリする体験からイメージがグンと広がる。陳腐なセンチメンタリズムを排しつつ、読後のほろ苦さが心地よい。

 ちなみに、両作品ともルー・リードから町田町蔵、山口富士夫まで内外著名ロックンローラーの名前がバンバン登場。秀逸なロック小説としても楽しめる。

 ついでに、特に後者にはインドっぽいフレーズが随所に散りばめられているのも興味深い。

 どちらも最近のヤワな小説群とは一線を画し、食べ応えタップリ。読書の秋におすすめだ。

《このブログを書いているときのBGM》
レッド・ツェッペリン『フィジカル・グラフィティ』

 インドにバックパッカー系ツーリストとして行くと、特に北インドの安宿や安食堂で食べさせられるもののひとつにオムレツがある。

 インドのオムレツは中まで火が通っている。これが基本。フレンチのように中がトロトロというのはダメなのだ。

 だからインドのオムレツは薄く、丸く焼かれることが多い。

 ブラック・ペパー、青唐辛子やタマネギのみじん切り、刻んだ香菜などがよく入る。オムレツもまたスパイシーなのだ。

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 たいていこんな具合のオムレツが多い。

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 香菜をたくさん入れてみた。

 インド式オムレツのレシピはこちらをどうぞ。

《このブログを書いているときのBGM》
 ディック・リー『マッド・チャイナマン』

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