カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2007年08月

 ということで、明日、新宿の中村屋では太っ腹なイベント があるそうだ。
 いわば「日本式インドカレー」の最高峰ともいえる同店のチキンカリーは、実は私も大ファン。
 まだ召し上がっていない方はぜひ一度どうぞ。

8月30日(木)

 夜、吉祥寺ロンロンにある餃子のおいしい中国料理店「小燕」でテイクアウトした餃子を焼き、グリーンリーフとトマトのサラダ、それにビール。
 やはり焼き餃子にビールは美味だ。
 この店の餃子は中国的にニンニクなし。具もキャベツ、ニラ、肉のみという感じでシンプル。手作り皮もモチモチとしておいしい。
 メディアには出ない名店といえよう。

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 中国ではメインストリームでない焼き餃子が日本でポピュラーなのは、ナーンと同じ存在感か?
 それにしても自分で焼く餃子はうまい。焼き方もなかなかいいでしょ(といっても3年ほど前、旧宅で撮った写真だが)。

《このブログを書いているときのBGM》
ガンズ・アンド・ローゼズのライブオムニバスCD。ホーンや女性コーラスが入らない初期が好きだ。

 

 数年前のこと、南インドのリゾート、マハバリプラムでの朝食に「ダッカ・パラタ」なるものをいただいたことがある。

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 右がダッカ・パラタなるもの。左はトマトのライタ(ライタは野菜とヨーグルトの和えものだが、これは極端にヨーグルトが少ないタイプ。南インドのライタは具だくさんが多いが、これは極端だった)。

 このダッカ・パラタ,全粒粉の生地に油を塗りながら三角にまとめて伸ばし直し、鉄板で焼いている。

 パラタというのは、もともと北インドの無発酵パンで、全粒粉の生地を薄く織り込みながら、丸く成形して、薄焼きにしたもの。
 カレーを浸すと、クロワッサンのように幾重にも層のある生地にカレーが絡むようになっている。これがパラタのウリである。

 この夏、ロイヤルホストでも供されたパロタは、精白小麦粉を使っている点などで、このパラタとは別のものとされる。パラタ(パラーター)は北インド起源、パロタ(パロータ)は南インド起源ということになる。

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 日本で食べられるパラタの一例(西荻窪「ガネーシャ・ガル」にて)。

 これに対して、このダッカ・パラタはパラタと同じく全粒粉の層あり薄焼きパンなのだが、三角形なのが相違点。

 何しろダッカという地名が付いているのがミソ。
 バングラデシュの首都で、元インドの東ベンガル地方の代表都市である。
 
 なぜ、ベンガルの都市名がわざわざついているのか?

 北インドで丸く仕上げるパラタを三角形に作るレシピは南インドのほか、ダッカやカルカッタのあるベンガル地方にも浸透している。
 日本で刊行されたベンガル料理の本にも「ポロタ」というネーミングで三角パラタが紹介されているくらい。
 つまり、ベンガルのパラタには三角のがあり、同時に南インドにも三角のがあるのである。この符合がおもしろい。

 実は、ダッカ・パラタというネーミングのパン。後にも先にも、このときしか食べていない。

 南インドの田舎町で、突然、わざわざ遠いバングラデシュの首都名がついた、まるで知らないはずのメニューがあったこと。
 これが私にはとてつもなく印象的だったのだ。

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 これは南インド、チェンナイの「アショカ・ホテル」で出された三角パラタ。幾何学的に美しいフォルムで惚れ惚れする。
 横の黄色いカレー、クルマといっしょに食べた(北インドのコルマに相当するマイルドなカレーだ。ケシの実などでトロミをつけ、赤唐辛子は使用しない)。
 レシピ的にもダッカ・パラタと同じものだが、ダッカという地名はついていない。

 このダッカ・パラタ、地名をつけるだけで、エキゾチック度がアップし、何やらウマそうになった典型かもしれない。
 肝心の味だが、素人ぽくって、まるでたいしたことなかったが。

《このブログを書いているときのBGM》
カルナティック音楽と呼ばれる南インド古典音楽の若手の第一人者、サンジェイ・スブラマニアムのライヴCD。 

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 南インドの定番的菜食カレーであるサンバルに冬瓜を入れてみた。

 冬瓜は夏野菜である。
 身体の熱やむくみを取って、クールダウンさせる点で、夏の体調管理にもバツグンの威力を発揮する。

 インド亜大陸の人々は冬瓜が好きだ。

 例えば、北インドのイスラームのシェフやパキスタン出身の調理人氏が、よく「チキンと冬瓜のカレー」を作るのを見たことがある。
 もちろん見るだけではなく、ご相伴に預かるのだが、おいしいの何のってたまらない感じ。

 南インドならば、やっぱりベジタリアンのカレーや炒めもの。とりわけ、豆類、ココナッツ、タマリンド、ヨーグルトなどと煮込んだ冬瓜のカレーが印象的だ。

 サンバルに冬瓜。この時期、鉄壁のコンビネーションと見た。

 

《このブログを書いているときのBGM》
 ネーネーズ『コザdabasa』。ああ、沖縄料理も食べたいなあ。

 家の中を整理していたら、「ライブinMURASAKI」のマッチが出てきた。

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 1983~84年ぐらいだったろうか、今の新宿武蔵野館の3階あたりに、居酒屋「村さ来」経営のライブハウスがあった。それがライブinMURASAKIだ。

 たしか桑名正博氏が出てくるテレビCMもオンエアされており、それなりに当時のメジャーなロックバンドも出演していたような気がする。

 私がやっていたバンドもそのライブハウスに何回か出たことがある。

 生ビールのジョッキ、冷奴、鶏の空揚げ、アタリメなどがテーブルにのった完全居酒屋仕様の客席を見るにつけ、「ああ、オレは何でここにいるのだろう」と懐疑的にもなった。

 今はライブといえばオールスタンディングだが、このライブハウスは見事なまでに居酒屋だった。

 とにかく、ステージ、客席とも不思議な感じだったことは今も覚えている。

《このブログを書いているときのBGM》
パスカルズ『DODESUKADEN』

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