カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

2007年07月

7月30日(月)
 
 参院選に紛れて小田実氏逝去のニュース。
『何でも見てやろう』は私が学生のころ既に古典と化していた。堀田善衛の『インドで考えたこと』等ともども、歴史の教科書みたいな感じを抱きつつ読んだ覚えがある。正直、リアルな感動は薄かった。とはいえ「外国と日本人である自分との関係」を考える上での先駆としての役割はたいへん大きかったと思う。誤解を恐れずに申し上げれば、バックパッカーの元祖か。ご冥福をお祈りしたい。

 朝、ソーミン・チャンプルーを食べてから、近くの美容院で散髪。

 午後、吉祥寺で用足し。その後、遅い昼メシをネパール&インド料理店で。

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 ネパールを代表する食事形態であるダル・バート。北インドの「ターリー」、南インドの「ミールス」と並ぶ大皿定食。挽き割り豆のカレーであるダル(ダール)、野菜のカレーや香味炒め、ネパール独特のアチャール(野菜のスパイス漬けだが、ゴマや山椒も入るのが大きな特徴)、白いご飯などで構成される。本日のはカレー類がインド味。

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 モモ。本来チベット系の料理だ。インドだと首都デリーのチベット人コミュニティやダラムサラのが、おいしい。

 ネパールとインド料理を共に供するネパールの方のお店では、夜、ゆったりネパール料理を味わうのがいいだろう。

 夜、自作トム・ヤム・クン、レバーとハツの甘辛煮、コロナ・ビールのダークラガー版。

《このブログを書いているときのBGM》
 時代の波でグラム・ロックにさせられてしまった英国の正統派ロックバンド、シルバーヘッドのセカンドアルバム(1974年? アナログ盤)。昔は1曲目の「ハロー・ニューヨーク」という曲以外あまりいいと思わなかったが、今聴くとなかなか。ハンブル・パイからの影響大?

 

7月29日(日)

 都内某所個人のお宅でプライベートな料理講習。

 ご披露した料理は以下の通り。
①アールー・キーマカレー…ジャガイモの入った鶏挽き肉のカレー。トマトではなくヨーグルトがベースで、タマネギは限りなくフライド・オニオンに近い揚げ炒め式。北インドのイスラーム流レシピのアレンジ(dancyu7月号のデリー・フセイン家レシピと同じ流れ)。
②南インドのフィッシュカレー…トマト、タマリンド、ココナッツ・ミルクで仕上げるオーソドクスなスタイル。甘味、辛味、酸味のバランスが極めて重要。タイのカレー的料理、ゲーン(ケーン)にも共通した味わいとの感想を得る。
③オクラのサブジ…クミン・シード、タカノツメ、ターメリック、レッド・チリ・ペパー、塩による調味。スタンダードなレシピで、簡単かつ美味。
④夏野菜のライタ…トマト、キュウリ、赤タマネギ、ピーマン、赤ピーマン、ショウガ、青唐辛子、香菜のヨーグルト和え。あえてスパイス類はいっさい未使用でおいしさを演出。
⑤キュウリの屋台風…レモンとチリ塩を縦割りキュウリにかけただけ。インドやネパールの露天味。
⑥レモンライス…目にも鮮やかな、南インドの黄色い混ぜご飯。サフランライスとは異なる風味。
⑦ラッシー…暑い季節にピッタリなインド亜大陸のヨーグルトドリンク。

 阿佐ヶ谷などの料理教室とは異なり、調理はすべて私が担当。参加者の皆さんはプロセスをご覧いただき、最後に舌鼓を打っていただく趣向とした。
 皆さん話題も豊富な健啖家ぶりを発揮、作り甲斐も十分という感じ。私と共通な友人もいたりして、意外なネットワークも発見、私にとっても充実した時間だった。

《このブログを書いているときのBGM》
 イアン・ゴムの『ゴム・ヴィズ・ザ・ウィンド』(1979年。アナログ)。元ブリンズレー・シュワルツのパブ・ロッカーのソロアルバム。1曲目の「HOLD ON」から独自のポップ世界が全開。ストーンズもカバーしていた、チャック・ベリーの「カモン」のレゲエなカバーも秀逸(私も昔バンドでカバー)。

7月27日(金)
 昼、外でホウレンソウとチキンのカレー、ナーン、サフランライス、タンドゥーリ・チキン、サラダのセット。感慨無し。
 夜、マグロの切り落としを完熟アボカドと和え、しょうゆとワサビで味つけしたものを雑穀米にのせ、丼仕立てにして食べる。美味。

7月28日(土)
 昼、日本の四川料理の始祖、陳建民氏の愛弟子だったという方の店で四川坦々麺。

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 上の方はラー油で赤いが、下に隠れたスープは意外とアッサリ。中太麺との相性もいい。きちんと炒ったゴマと山椒の香りも食欲をそそる。なかなかの美味。最後、半ライスを頼み、残ったスープに入れて平らげた。

 余談だが、私が食べていたら、厨房で電話の声。それとなく聞けば、業者への注文の電話らしい。「八丁みそ12キロ」などといっている。四川には辛いみそ仕立ての味つけのものが少なくないが(この坦々麺の上の肉みそもそうだろう)、日本の八丁みそを使うのだなあ。

 汁のある坦々麺が陳建民氏によって日本人向けにアレンジされたものらしいことは、よく本にも書かれている。麻婆豆腐と同じだ。いってみれば、日本人に合わせた「インド風カレー」の逸品というようなものだろう。
 こういうところでは、料理の伝統性やセオリー云々といった難しいことは考えず、日本人の舌に合ったアレンジ型外国料理として素直に堪能したい。

《このブログを書いているときのBGM》
 アル・クーパー&シュギー・オーティス『クーパー・セッション』(1969年)。ブルージーな名盤。

 インターネットテレビ「ギャオGyaO」のお昼の生放送バラエティ番組「MIDTOWN TV」に出演する。

 オンエアは来週火曜日の31日、時間は12:15~13:00。
 パーソナリティは城咲仁さんと磯山さやかさん。
「カレー道を極める」といった企画で、私はその指南役として出演の予定。
 生なのでどう展開するかわからないが、ライヴならではのいいノリになればいいものだ。
 ※視聴に当たっては無料登録でオーケー。

《このブログを書いているときのBGM》
 じゃがたらの『ニセ預言者ども』

 KKベストセラーズ刊の月刊誌『一個人』9月号が、ほぼ一冊丸ごと「カレー特集」。
 インドカレーばかりではなく、さまざまなカレーにスポットライトを当てた充実度バツグンな内容となっている。
 私も少しばかりお手伝いした。
 ぜひ書店等で手に取っていただきたい。

《このブログを書いているときのBGM》
 インドを大好きなニナ・ハーゲンの『ストリート』(1991年)。アラン・トゥーサン、ビーチ・ボーイズのカバー、レッチリのジョンの客演などナイスな内容の名盤。 

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