カレー&スパイス伝道師ブログ 2

インド&スパイス料理家、渡辺玲のブログ。2019年9月4日、ヤフーブログから移行。

 今から一週間ほど前の4月4日に発売された「日経トレンディ」に、少しばかり協力させていただいた。

 「老いない食事」の特集で、抗酸化や免疫力アップが期待されるターメリックなどのスパイス類と緑黄色野菜や玄米などを組み合わせた「野菜たっぷりチキンカレー」を考案、レシピや写真をフィーチュアしていただいた。

 内容的には、私が『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)、『カレーな薬膳』(晶文社)、スパイス』『カレー&スパイス伝道師がおしえる! 四季の食材でつくるスパイスカレー入門』などで繰り返し述べているスパイスの健康効果とリンクするもの。

 ともあれ、おいしいカレーを自作し食べることで健康が維持できるのは、何ともうれしいことだ。一読をおすすめする。

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《このブログを書いているときのBGM》
BOZ SCAGGS『BOZ SCAGGS』(1969)
 元スティーブ・ミラー・バンドのメンバーだったボズの本格ソロ第一弾。マッスルショールズ録音で、DUANE ALLMANのギターが全編素晴らしい。

https://www.youtube.com/watch?v=4lnOUcWU1P0


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「LOVE INDIA」主催による、ムガル宮廷料理の名人にして、ボンベイやデリーのタージマハールホテル、日本のアジャンタ、ザ・タージなどで敏腕をふるってきた名シェフ、モハメドフセインさんの定例料理教室が14日行われるのだが、今回特別に一般枠の参加が可能になったので、その旨、お知らせしよう。

12回フセインさん料理教室

https://mashal.jp/loveindia-mar-2022/

日時:31411時~

場所:西荻窪サザンスパイス

内容

・ベージャマサラ(脳みそマサラ)

・鶏レバーマサラ

・ラージマー(キドニービーンズ)マサラ

・大豆カレー(グリーンピースをペーストにしてグレービーを作り大豆を入れる)

の4品。
受講料 10.000円

本来プロの料理人、それも「LOVE INDIA」メンバーか関連のある方々だけが参加できる、貴重な機会。本場の一流インド料理に関心のある方ならば、ほかの用事をキャンセルしても参加する価値はあると思う。

参加希望の方は

https://mashal.jp/loveindia-mar-2022/

から入って、予約可能。
お早めにどうぞ。

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今から20年以上前、オールドデリー「カリームホテル」で食べたブレインマサーラー(写真左。右はマトンカレー)。今も美味だが、この頃はさらに美味だったかもしれない。

《このブログを書いているときのBGM》
FOGHAT『STONE BLUE』(1978)
後期の傑作。世の中はパンク~ニューウェイヴ全盛だったが、彼らは同じだった。
https://www.youtube.com/watch?v=c0McO4sY8pA
いつもながら、ロッドプライスの粘っこいスライドがいい。

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 私が責任監修しているレトルトインドカレー「ビーフナハリ」「ラールマース」の2品(36チャンバーズ・オブ・スパイスより発売)、おかげ様で評判もよく、売れ行きもいいらしい。

 そもそもナハリとは、インド亜大陸のイスラーム料理の最高峰で、骨付きビーフをじっくり煮込んだスープカレー。肉はトロトロに仕上がり、ビーフのうまみも存分に溶け出たグレービーはスパイシーでしかも奥深い。もともとは一晩煮込んで朝に食べるパワーフードだった。

 使用するスパイスの配合がユニークな上、手間ひまかけて煮込むので、熟練の凄腕料理人でないと美味なナハリはつくれないともいわれる。日本の多くのインドパキスタンレストランでは、現地で市販されている「ナハリマサーラー」という既製品のスパイスミックスを使用しているケースが多く、私からすると風味が似通っていて感心しない。

 ナハリはご飯でなく、ナーンも含めローティの名前で総称されるインド製パンで食べるのがふつう。「脂を食べるカレー」でもあり、一流ホテルのレストランでナハリを頼んでも、グレービーの上1センチぐらいの厚さでスパイシーな赤い色をした油膜が張って出てくることがある。ここでひるんではいけないわけで、その油膜にナーンやカーミーリーローティ(イーストを使ってフワフワに仕上げた、丸いナーンのようなパン)を浸し食べれば、最高のインド的食体験になる。

 一方、ちょっと気の利いた店のナハリには、大量のショウガ千切りと小口に薄く切った青唐辛子がやはり大量にトッピングされる。店によっては、刻んだ香菜もパラリとふりかけてあるし、カットしたレモンが添えられ、ウェイターから「これを絞ってから食べるように」と念押しされる。
 これらは、ビーフ脂のクドさ、クセをうまみ、おいしさに転換させるための知恵であり、モツや牛スジ煮込みの上にのった刻みネギや七味唐辛子の一振りと共通したサムシングを感じる。

 ものすごくおいしいのだが、日本人向けではない要素も少なくないカレー、ナハリ。私は最小限のアレンジで日本人好みに仕立て直すことにした。
 
 で、レトルト化にあたっての留意点は以下の通り。
・脂はふつうのレトルトより多め。しかし食べやすい仕上がりを目指す。
・日本のジャポニカ白ご飯に合う味つけ、スパイス配合、濃度や粘度、塩加減の実現.。
・ショウガの千切り、青唐辛子、香菜などもいっしょに煮込んで、できるだけ本場に近くする。
・肉はたっぷり、そしてトロトロにやわらかく煮込む。

 個々の具体的解決案は長くなるので省くが、一番迷ったのが、グレービーのとろみづけにアタ(小麦全粒粉)やマイダ(精白した小麦粉)を使用するか否かということ。ナハリはインド料理には珍しく、小麦粉でとろみをつけて仕上げる。レトルトにすると、このとろみの微妙なニュアンスが再現しにくい上、日本米のご飯とのマッチングについてもイマイチというのが、私の評価。一見、日本のカレーのように小麦粉のとろみがあった方が米飯との絡みがよさそうに感じられるだろうが、実食すると、とろみなしの方が日本米ご飯との相性がいいように思われた。
 インド料理の伝統、あるいは現地の味をより正確に再現する点からすれば、明らかに小麦粉によるとろみありを採用すべきだ。しかし、レトルトのナハリを食べる多くの人は、インド料理の伝統とは無関係においしいものを求めるカレー好きの方々なのだ。
 
 私のレトルトナハリはとろみなし。そう決めて正解だったと今も思う。

 日本では「ナハリ」をニハリと呼ぶ人が多い。これはパキスタンなどでのいい方で、デリーなどインドでナハリのウマい街では「ナハリ」というのがふつうのようだ。日本に住むデリー育ちのグルメな知り合いにいわせると「ニハリなんて絶対にいわない。あれはナハリだ」とのこと。私の師であるフセインシェフも「ナハリ」と呼んでいる。

 そんなこともあり、今回のレトルト「ナハリ」、英語表記はNIHARIとして、日本語ではナハリにしてある。

 もともとビーフでつくるナハリだが、今ではマトンのナハリも同様に人気があるし、インドやパキスタンではチキンナハリも食べる。
 マニアックなカレーだが、今回のレトルトは日本人の舌にもマッチしている。さらにいえば、黙って出したら、まずレトルトだとは思われない。それだけのクォリティの高さも自慢だ。

 各種通販のほか、全国の成城石井各店、そのほか有名スーパー等で手に入る。

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 レトルトを開封した中身。やはり脂は多め。


ss beef nahari retort with rice 220302
















 日本米の白ご飯にかけたところ。左下に青唐辛子が見える。肉がたっぶりなのがよくわかるはず。

《このブログを書いているときのBGM》
FOGHAT『FOOL FOR THE CITY』(1975)
初めて買った彼らのアルバム。当時のニューミュージックマガジン誌で、中村とうようさんが、「このアルバムのロバートジョンソンのカバー、イントロの雰囲気が素晴らしい」とほめていたからだ。とうようさんにしては珍しくほめていると思い聴いたら、カッコいいので驚いた。

https://www.youtube.com/watch?v=M-9qdXhaCws

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